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2013.9.8

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過去の時候の挨拶1

★ずぶ濡れのゲリラ豪雨にしとしと・パラパラ、降ったり止んだり、
虹が出たり、爽やかに晴れたり、蒸し暑かったり・・の今日この頃の
大阪地方。

だいぶしんみりとしてきた朝夕の空気が、久しぶりの長袖シャツに
そよいで行く感じは、嬉しいながらも少し、寂しさまじりの秋の気配で
ありますが、みなさまお元気でお過ごしの事と思います・・!

私の方は、銘柄は分かりませんが、旬の花粉にクシャミかましつつ、
ただ己を維持しているだけの終わりなき労働と家事、が食い込ませてくる
疲労〜加齢による消化能力の落ち込みを、うす黄緑の色彩が目にもやさしい
20世紀梨のシャリシャリとした甘みと酵素に助けて貰いながら奮起・・!
いたしまして、日常の由無し事が心に残した風景を脳内ミキシング、
〜くにゃくにゃと帳面に描き記し、ぐちゃぐちゃの画室の片隅に挟まった
ベニヤ板&角材、を呆然とながめながら加工サイズ〜パネルの完成を
筋力を用いずにサイコキネシス、フル・オートマチックで出来んものか・・
と無駄に夢想〜気合い入れるべくアンプの電源を入れ、ここはリズム・アンド・ブルース、
オーティス・レディングでシャウト!いや、もうパブリック・エナミーか!?
とCDを迷い引っ張り出そうか・・としている真っ最中でございます。(・・はよ動けよ)

ちなみに今日の晩飯クッキングは惰性・マンネリの手抜き料理、ニンジン・かぼちゃ・
タマネギに鶏ムネ肉をぶち込んだ汁・菜一体型の味噌汁をメインにモロヘイおひたし、
〜もずく酢、納豆〜いまだに飽きもせず仕込み続けとる豆腐の塩糀漬け、で
脳ミソ使わんと済ます段取りです!

追伸: 最近、納豆に金山寺味噌を少し混ぜて食うのが俺の中だけで流行ってます。
異なる発酵の大豆が2種、口の中で絡み合う様は味・食感共に妙なリズム、アクセント
で楽しいです。葱を入れて爽やかさアップ図ってます。


追伸2: わんぼる君が飲み会の為、久々の一人メシとなった先日の晩、自炊も気が乗らなかった私は、
侘しい金持ってフラリ・・地元の気の置けないお店も一人やと気恥ずかしいし、説明も面倒くさいので
電車に乗り込み梅田へと出てみました。

相場が安く、労働者階級・大衆的、どちらかと言えばロウな雰囲気が落ち着く・・と思い、
まばゆい世界から逃げるように地下、駅前第2ビルから歩いてみたのですが、近頃はそうでもないらしく、
ワイン等の瓶を並べてキラキラしとるバール?っちゅうんすか?や、献立?を筆記体で書きなぐった
ガラスの向こうで、グラスを傾けとるデーティングのカップルや女子の会合の場、となっとるお店
の金属的な輝き・・に少々ダメージを受けながら、この単独行は遭難か・・?と3ビルまで入り込んだ私は、
立て看板に貼られた品書きの地域性と雰囲気から、アジア系外国人、おそらくは中国人?がやっている
であろうお店に、先客の方々らのテーブルの落ち着き具合、価格設定、俺自身とのシンクロ率・・等
の観点から入店を決めまして瓶ビール、にキュウリが辛そうなもので和えられたヤツ〜豚足の煮込みを注文しました。

・・が、近頃は一人での外食がほとんどなく、一皿をわんぼる君とシェアすることが多くなっていた私にとって、
運ばれて来る丸々一品の量は軽くショックでプレッシャーな盛りでした・・。でも頑張って残さずに食いましたよ。
そんで、シメは、パウチの品書きをめくった時から食おうと思っていたレタス炒飯を初志貫徹で頼みました。
ポット・サービスのジャスミン茶に最後まで惹かれましたが、財布事情により断念し、ビールの残りを飲み干して会計、
電車に乗って帰りました。

地元駅改札を出ると、どうやら知らん間に雨が降ったようで、夜の濡れたアスファルトに街の明かりや、信号の青、
車のテールランプが映っていて、雨上がりのすっきりとした風と共に何ともきれいで、私は重たさと気持ち的に
自由になりたかった理由からカメラを持って来なかった事を少し後悔しつつも、これは軽い酔いのせいやな・・
と、フワリ・・家でお茶入れて梨食お・・と、ヘラヘラ歩いて帰路に就きました。



・・というわけで、米蔵人おくむらさんでの常設展は現在、「とちのき」(’13年作)に未発表の新作絵画&小品
を展示した新企画・ざる画廊のコンビネーションで開催中です!宜しければ是非!ご高覧下さい。


2013.9.15
★ここにきてまた30℃越えの蒸し暑い日〜台風の接近と見舞われている
大阪地方の今日この頃。

忙しない毎日に落ち着かん気候・・と なかなか大変ですが、みなさま、
社会のそれぞれの場所で快活・元気に励まれていることと思います!

私の方は、己の諸能力の低さなど素知らぬ顔でゴンゴン、予期出来ん
様々な追い討ちをかけて来る職務に半泣き・・みんなに助けられながら
どうにか生きております・・。

クソ暑い夏を抜けた我が家のベランダの萩も、いつの間にか増えまくったツボミを
風に揺らしながら、早くも薄ピンク色の花弁を開き始めております。本当にお疲れさまです・・!

画業の方では、やっと決めたサイズにベニヤ&角材を切断、はよ描いてしまいたい一心で
木工用ボンド、塗り塗りかましております・・。

また、体力の限界を理由にマンネリが進行している晩飯クッキングの方では、最近は
味噌汁にせめてもの変化をつけるべく、廉価な米みそ(愛知県岡崎市)に、安価な合わせ
(大分県臼杵市)〜ちょい高めの薫り高き麦味噌(京都府舞鶴市)を日によってブレンディ
かまして気分転換はかっております。ショボい料理でも集中力で臨めば材料分だけは美味しく
頂ける気がします・・。(・・当たり前か・・。)


追伸: 先日、わんぼる君に誘われ、天王寺公園で開催されているという“本場ドイツビールの祭典
大阪オクトーバーフェスト”なるイベントに行ってきました。

休日の昼間、JRに乗ってぴょっぴょっぴょっーと出向いた我ら、梅田や難波とはまた違ったアトモスフィアー
を持った人々が少々刺激的な駅地下街〜地上、公園入口脇の青空の下、将棋さしとるおっちゃんら横目に
入った園内は、思いのほか結構なにぎわいで、貼られた案内のポスターに踊った“ドイツもコイツも乾杯や!!”
のコピーに・・・やるなぁ、と感じ入りつつ、軽く列が出来とる各ブースにそわそわ〜パンフレットに記された
“タイプ別ビール表”をばーっと把握?わんぼる君は“ヴァイツェン”という淡い色の上面発酵のジャンルで
行くというので、私は“ドゥンケル”なる下面発酵、黒ビールの項目から、ワールド・ビアカップで金賞を受賞した
というレーベンブロイ社の“ヴェエルテンブルガー バロックドゥンケル”という舌を噛みそうなビールで行くことにし、
食いもんは酢漬けのキャベツとじゃが芋のマッシュしたやつを選んで、テント下で合流、重いグラスをがちこん
乾杯いたしました。

こうして飲んだ黒ビール、見た目の黒さに反してさっぱり、爽やかで、クン!とした発酵の薫りが沁みて効く!
意外にも軽やかな第一印象でしたが、わんぼる君が買って来たソーセージを食らい、ジャーマンポテトをばくばく、
かまして飲むと、脂と炭水化物との調和が効いてまた違った表情でした。

わんぼる氏は、ワールド・ビアカップにて銀賞を授賞したという日本の“富士桜高原麦酒”という酒蔵のヴァイツェン
をあえて選んでみたそうで、少し飲ませて頂いたら大変繊細でフルーティー!美しい味で、こりゃ、素朴で野暮さが
美味い料理より、刺身とかのがより冴えそうなぐらいの高精度な味でした・・。日本の湿度と性格でこうなるのかなと
思いました。美味かったです。

・・そうこうしとると、ステージ上ではイベントが始まり、司会のお兄さんの音頭でパンフレットにも記された乾杯の歌、
ドイツ人楽団の方々の演奏による“アイン プロジット”の合唱が促されました。・・こりゃ歌ったほうがええんやろな・・と、
重いグラスを手に、志村けんの“アイーン”はここから来たのだろうか・・と思いながら、ドイツ農夫、収穫祭のイメージで
天王寺公園のガラスのピラミッドの向こうにじゃが芋が掘り出されたあとの田園風景を思い浮かべながら腹から低い声
を出して歌いました・・。

このあとは、楽団の管楽器がふぉんふぉん効いた演奏をバックに、ドイツの民俗衣装をコスプレした日本人のオネェちゃんら
による踊りが舞われ、私は、そのレース地に透けるおねぇちゃんの肩と、向こうに見えるあべのハルカスのガラス張りを
ぼーっと眺めながら、そのなんとも言えん雰囲気に何故か、以前職場の飲み会で行った兎我野町の軽風俗店のポール
ダンサーの生真面目な立ち振る舞いを思い出しながらダンベルの様な重さのグラスを傾けました。

そうして、げふっとなりながら、ステージ上の司会のお兄さんから繰り返される乾杯の音頭に空になったグラス、の表面に
あしらわれた赤い十字の紋章を眺め、乾杯するビールも無いけど金もないわ・・と、ある種、風俗店なシステムに納得・感じ入り、
起立、ヨーデルに変わったステージの歌声、高音が脳髄に突き刺さってくる中、グラスを返却、会場出口へとふらつき、
売店で売られていた小さな卓上型ドイツ国旗に少し、後ろ髪引かれとる俺はおそらく酔っ払っているんやろな・・と白昼の
天王寺公園を後にしました。



・・というわけで、米蔵人おくむらさんでの常設展は現在、「とちのき」(’13年作)に未発表の新作絵画&小品
を展示した新企画・ざる画廊のコンビネーションで開催中です!宜しければ是非!ご高覧下さい。


2013.9.22
★ひどい台風が過ぎて青空〜日中は暑いものの、朝夕はだいぶ落ち着いた
空気となっている今日この頃の大阪地方。みなさま、お元気でお過ごしの事
と思います!

我が家のベランダの萩も、日毎入れ替わり立ち替わり、ピンクの花がぽんぽん
咲き開いては散って行き、上から徐々に種へと変わって行っております。
栄枯盛衰、月日は百代の過客であります。

・・と、なんのこっちゃ、私の方は、時の流れが日々連れてくる、老体の芯まで
侵食してくる拭いきれん疲労を無視・・することも出来んまま、チャリンコ漕いで
ひーこら、ねぐらに帰宅〜スーパーの買い物袋から要冷蔵品のみを冷蔵庫へ
移すやいなやスピーカーからナンバーガール、一枚目などをバリバリバリバリと
打ち鳴らしまして、汗クサ・ベタベタな体はそのままに(・・シャワーを浴びてしまうと
ひどい倦怠感に襲われてしまいますので・・造園屋時代、休憩時に“顔洗ったら
バテるぞ”と言っていた先輩の言葉はまさに真実であります・・!)、画室に
スタンバっておいた、私からの風景の照射をじっと待っている真っ白なキャンバス
に昼間見た、まばゆい社会の惨劇、鮮やかな光と影の中を行き交う我々の風景・・
を写しとっております。

ここで必要とされるのは遠近法、よりも主観に基づいた精神の反射であり、
その時、画面上の、乾いた下地材の凹凸に絵の具が擦りとられていく音は、
ブランキー・ジェット・シティ時代のベンジー氏言うところの、“降りしきる雪の中を
走ってゆく美しいソリの音”のようでなくてはならず、そのキャンバスを張ったパネル
というリング、硬いマットの上で繰り広げられる勝負は、カルロス・リベラVS矢吹クンの
血みどろの死闘のようでなくてはなりません・・・と、小手先、口先、の能書きはさておき、
自信マンマン〜不安一杯・・!!とめまぐるしく入れ替わりながら画面上に定着していく
絵の具の微かな希望?〜惨憺たる結果・・に愕然としながらその日の行き止まりまで辿り着き、
道具を片付け、残った力でラスト一周!の家事へと赴いている日々であります。

・・ので、晩飯クッキングはもはやスピード調理が定番!最近では、根菜主体(・・かぼちゃの
季節もそろそろ終わりかと、さつま芋・ニンジン・玉ネギがレギュラー化してます・・)の毎度の
味噌汁で一緒に煮た豚肉の小間切れを、食事の際にメシ碗内の、ご飯の上で金山寺味噌
をチョイ乗せ、“味噌豚”化して食う・・という、茶碗内クッキングで新境地、襲い掛かるルーティン・
ワークの飽きを乗り越えつつ、磨り減った栄養、明日への活力を補填しております。
・・まぁ、とにかく、美味しく食べられる事に感謝!であります・・。


追伸: 先日の家事免業日、我が町が誇るインド料理店“ダルシャナ”さんに登場した新メニューの、
羊肉のカレーを頂いてきました!

いつもフレッシュなスパイスの鮮やかな感動がとてもきれいなダルシャナさんのカレー・・
期待にワクワク頂いた羊肉は、想像以上に柔くて、鮮度でしょうか?臭みも全くなく、何が
調合されているのか素人の私には全く解かりませんが、すっきりと澄んだ油と細かなスパイス
の粒々に絡まった羊肉は、ガッツ!食い応えアリ!の感動で、脂身もとても甘くて、きれいな
美味しさでした・・!!

いっしょに頼んだサラダに散りばめられたミントの葉の爽やかさも、ダルシャナさんらしい!嬉しさ
でした・・。

・・私もぎゃんばるぞ!


・・というわけで、米蔵人おくむらさんでの常設展は現在、「とちのき」(’13年作)に未発表の新作絵画&小品
を展示した新企画・ざる画廊のコンビネーションで開催中です!宜しければ是非!ご高覧下さい。


2013.10.6
★日中の蒸し暑さも少し落ち着き、朝晩は肌寒いくらいの風が吹いている
今日この頃の大阪地方。みなさま、社会のあらゆる場所でお元気で
お過ごしの事でしょう・・!

夜明け・日の入りと、チャリ漕ぎのライト点灯時間の早まりが、過ぎ行く季節の
何とも言えん感じを助長しておりますが、街角のしんみりと冷えた影に時折
射す、高くなった空からの澄んだ光は、なかなかに冴えた秋特有の情感を
高めているように思います。

私の方は、先日の休みは、やれる時やっとこ・・と、押入れの中で
夏の間圧縮され続けてきた冬の掛け布団を干すなどして、来るべき季節の
スタンバイかまし、ホコリとダニの恐怖を軽減・・しつつ、家事・メンテナンス〜
労働・家事、とこっちの調子など無視・・でやってくる、繰り返しの日常を繰り返して
おります。

そんな毎日の折をみて、先日は米屋のおくむらさんに連れられ、次なるパッケージ画
のお米生産地、岡山県は真庭市、蒜山(ひるぜん)の町へと毎度の弾丸・日帰りツアーで
ぐおーッ!と行って参りました。

中国自動車道〜夜間は鹿の飛び出し注意!の米子道と経て、湯原温泉〜やはり、
先日の台風の影響でしょうか・・たんまりと水をたたえた湯原湖横目にいくつものトンネル
を抜けて到着した真庭市!

刈り入れで超お忙しい生産者の方のところに少しだけ寄らせて頂いて、お祖母ちゃん〜
尻尾フリフリ!ワンワン!ワンワン!の怒っているのか喜んでいるのか、さっぱり分からん
ぶちのワンちゃん〜コケーッコッコッコッコッと不思議なくらい忙しなく鳴き続けている
ニワトリ様達にご挨拶〜あちこち咲いたコスモスの花が彩りを添える、まさしく黄金色!の
圃場(・・“ほじょう”: 田んぼのことを業界の方はそう呼ぶそうです・・覚えたての言葉を気取って
使ってみましたよ・・)を見学〜今回は蒜山高原、郷土博物館〜道の駅のはしご〜郷原漆器〜
茅部神社と観て回りました。

(ちょっと長くなっておりますが、自分の為の記憶の整理として書き記してますので、以下適当に
飛ばしてください・・)

というわけで、蒜山三山の山並みをバックに、竪穴式住居〜四つ塚古墳群(・・移築とのこと)、
古代米の圃場をそなえて建つ蒜山郷土資料館・・鶏の埴輪と天然記念物のオオサンショウウオ
のぬいぐるみに迎えられて入った館内は、わさわさとした郷土資料のワクワク感でソワソワ・・
落ち着かなくなってしまいながら、時計横目に、許される時間一杯、食いつきで拝観いたしました。

・・蒜山の四季・祭事をまとめたVTR〜展示室、6世紀前半の円墳、四つ塚古墳から出土した
という刀剣、銅鏡、勾玉等々・・〜話し口調が超マイペースで独特な(真庭市の方言なのでしょうか)
学芸員の方の案内で古生代の蒜山のおいたち(・・蒜山火山群の噴出〜大山火山の噴火にともなう
堰止湖〜排水・乾固と経て、盆地と高原が形成されたそう・・ちなみに蒜山三山のむこうはもう鳥取県、
大山とのことでした)を聞きつつ、男根を模したお正月の祝福の藁細工〜歳神様を迎える餅花・飾りつけ、
のワイルドかつ、どこかユーモラスな風合い〜どっちゃり!とした季節の郷土料理の再現サンプル〜
民具〜お盆に観れなかった“大宮踊り”の再現VTR(・・福田神社?のお堂の模型に投影されるホログラム
と再生音響で観る大宮踊りは、どうしても映像資料としての印象とその仕掛けの方に気が行ってしまい、
純粋に舞いと謡いが心に染み入って来る感動・・とはなかなか行きませんでした・・。やはり、本物は別
でしょう・・。〜大宮踊りの際にお堂に吊るされる“シリゲ”と呼ばれる紙細工の、伝統的絵柄とあわせて展示
されていた地元小学生による参考作品は、アニメやまんが等に感化されたと思しきモチーフが、何の疑いもなく
郷土の伝統的技法で彫りこまれているあたりが、残念でありながらもある種純粋?な面白さでありました。)
・・ 等々、観覧いたしました。

また、岡山県立博物館に寄託されているということで本物は観れませんでしたが、写真資料で観た
福田神社に伝わる中世の舞楽面、“皇仁庭”の端正なキリッと締まった表情もかなり惹かれました。

〜館外に配置された古墳群の再現と散策しまして移動。(・・資料館前の、蒜山三山をバックにした
だいぶ古そうな大きな松並木の風景良かったです・・。戦後のジャージー牛の酪農が始まる前は、旧日本陸軍の
演習地だったそうで、その名残なんでしょうか・・館内に展示されていた石の道標と同じトーンの印象を受けました。
また、道路脇で草を食み続ける茶色いジャージー牛のギョロギョロの後方確認?の目玉の動き、眼差しは
普段接する事の無い、異種・生命感でありました・・。)

〜道の駅、(・・手間とコスト、管理等々の理由からでしょうか、せっかくの新鮮な牛乳や葡萄といった
良質の地域の特産を使いながらも食品添加物が多用された土産品の数々は“あぁ・・”と哀しさを拭えませんでした。
もはやこれもある種、日本の自然な風景なのでありましょう・・が、陳列ケース内の奥に重ねられていた
“蒜山漆器”の黒塗りに朱の漆で、だいぶ素朴なタッチで野花をあしらった雑煮碗は決して狙っては出来ない美!
を放っておりまして、グッと心惹かれました・・!!)と観覧。

〜昼メシは、道の駅の隣にあった食堂で“第6回 Bー1グランプリ優勝”に輝いたというご当地グルメ、ひるぜん焼そば
とおにぎりの定食を頂きました。ネーミングから勝手に、パンチのある人工的な感じを想像していたのですが、
太目の麺が高原の柔らかなキャベツと鶏肉が味噌で炒められた、意外にも自然な甘みのあるやさしいお味で
美味しかったです。キャベツの淡いみどりがきれいでした。店の方によると、各家庭それぞれ味があるようですが、
味噌・太麺・鶏肉が定義みたいです・・。

〜牧場横目に高原の高低抜けて、インターチェンジ側の道の駅〜明神型の石製鳥居としては日本最大といわれている
茅部神社の大鳥居〜郷原漆器、と観まして茅部神社まで巡りました。

(岩倉山の入口に建つ茅部神社・・背後の山の中腹には天岩戸と呼ばれる巨岩があるそうで、大きな注連縄が張られた
古い社殿の奥に建つ、小さな鳥居の先の樹木に埋もれた静かな山道に差す、木漏れ日と漂う独特な感覚が印象的
でありました・・。)

・・と、中国道の渋滞が始まる時間一杯まで観て回り、我ら、蒜山をあとに日常が待つ大阪へと、AMラジオの言い回しに
ほくそ笑みつつ、眠気を打ち殺すように喋り続けながらブイーン・・・・・・!!!!と帰りました。


追伸2: ターミネーターがごとく蒜山の空気をバチバチと纏って帰って来たその日の晩は、道の駅で買って来た
キャベツとこんにゃくを味噌汁に入れ、お碗の中に溶け出したさっきまでの空気を思い出に変えながら、その清い味
をおいしく頂きましたョ・・。



・・というわけで、米蔵人おくむらさんでの常設展は現在、「とちのき」(’13年作)に未発表の新作絵画&小品
を展示した新企画・ざる画廊のコンビネーションで開催中です!宜しければ是非!ご高覧下さい。


★しつこくぶり返す蒸し暑さ〜台風、ずぶ濡れ・・〜一向におさまらん蒸し暑さ
〜雨、と経てようやく涼しくなったかと思われる大阪地方の今日この頃。
みなさん、大変な毎日を各々、好き勝手に過ごされている事でしょう・・!

我が町のスーパー、八百屋に並んだトマト、キュウリ、オクラといった夏野菜も
そのいでたち・価格に陰りが目立ち始めました。あんなに出回っていたモロヘイヤ
も姿を消してしまい、我が家のおひたしのレギュラーも小松菜(・・まだ茎も細いし、
甘みも無いですが、致し方ありません・・)や、大根の中抜き菜が中心となって
参りました。まさに端境期であります。

そんな昨今、私の方は、日々限界を噛み締めながら、安くなった巨峰や梨で
くたびれた魂をリフレッシュ・・!かまして貰いながらどうにかこうにか、暮らしを維持、
繰り返しておる毎日でありますが、先日は、 おくむらさんと行った真庭市蒜山に触発
されて、やっぱり観たくなった岡山市の吉備津神社〜岡山県立博物館等々、.と行って参りました。

・・というわけで、新大阪・駅構内のドトールで買ったブレンド・コーヒー、の手提げ袋を片手に
新幹線ホーム、向かいの発車待ちの川崎重工・N700系のシュッパーン!とした青と白のフォルム
〜几帳面な細部にこれぞジャパン・デザインぞ!!とテンション上げられながら我が22番線ホーム
に流れ込んで来たこちらもN700系のぞみ!!にわくわく乗り込み、・・クーンとした独特な空気の中、
流れ始めたビー・アンビシャスのメロディ・ライン、アナウンス〜動き始めた車窓、新神戸〜トンネル
と抜けながら、特筆すべき点無き風景・・〜山間、流れる霧、黄金色の田んぼと経て、わずか40分程で
岡山に到着!

〜吉備線、いきなりローカル、落差極端なディーゼル車両に乗り込み、市内とは思えん長い待ち時間・・
〜ドコドコ・・・揺られて車窓左手、金色の田んぼの向こうにこんもりと現れた中山、横目に備前一宮を過ぎ、
吉備津駅下車と経て、本日の第一目的地、吉備津神社へ・・!!

〜ぽつぽつ、小雨が降る中、折りたたみ傘をさして、シュピーン!とした反り(・・本殿に呼応しているのでしょうか?)
が独特な石灯籠に喜びながら鳥居を潜って松並木、(・・国宝の神社の参道でありながら、松の根元脇には地元
住民の方が植えていると思しきナス・・が何とも言えん風情を醸しておりました・・)を抜けて現れた駐車場に建つ、
比翼入母屋造りのトイレ!(・・おそらく世界でここだけでしょう・・)に、何とも感嘆!〜石段、山の斜面、石垣の上
に建てられた北隋神門、凄みある扁額を潜っていざ参拝!

〜なぜか飾られている横綱千代の富士の昭和61年のでっかい優勝額!にビビリながらドキドキ、拝殿から
社務所前の砂利に出て見上げた本殿、屋根の反り!はこっちに突き刺さって来るかの如く鋭いエッジで小雨に煙り
ながら存在していて、後ずさり・・〜更に引いて見上げて現れた、初めて観る、全国唯一、比翼入母屋造り(・・二つの
千鳥破風が二つ並んでいるスタイルからこの名がついたらしいです・・)の全貌は、こんなの観た事ないっ!ぐおん!
とした驚きの迫力で、じゃりじゃり・・引いたり寄ったり見上げ続けました・・。雨に濡れて黒さを増した本殿に対して、
基壇の、真っ白な漆喰の一直線に水平に伸びたラインも印象的でした・・。

〜回廊側に回り(・・どこか竹生島神社や長谷寺を彷彿しました。途中、軒下に“寺尾”と書かれた千社札が貼られ
ていて、寺尾関のものでしょうか?吉備津神社は力士と何か縁があるのでしょうか・・)、多くの古墳や遺跡がある
という森を横目に、時間の都合で半ば迄で折り返し、本殿裏手の一童社〜少しだけ山を歩いて、大きな木の根元、
横穴の古墳の上に据えられた凝灰岩製の小さな宝塔(・・何でも中世神仏混淆時代の如法経塔で室町時代の作
とのこと・・屋根部四隅にあしらわれた可愛らしい獅子と、てっぺんの宝珠がグッと良かったです・・)まで参拝。

〜元来た石段を下り、本殿の祭神、大吉備津彦命が矢を置いたと言われる岩を観覧・・〜田んぼの脇道を歩いて、
中山の裾に現れた吉備津神社の笑っているかのような佇まいを眺めながら駅まで戻りました。

(・・桃太郎伝説の元となったといわれる大吉備津彦命・・後で知ったのですが、朝廷から西国平定の為派遣された
氏により征伐された、鬼神と言われた温羅(うら)氏の首は、先程の回廊の先にある御竈殿(おかまでん)の釜の下に
埋められたそうですが、13年間唸り続けていたとのことです・・。大阪の四天王寺の境内にも、物部守屋氏の首が
埋められていると言います・・。自分が知らないだけで、いつの世も血なまぐさい、争いの繰り返しなのかもしれません・・。)


〜再びの岡山駅へと戻り、昼メシどーしょー?と、とりあえず、駅前交差点渡って商店街アーケード、闊歩するも、
今ひとつピンと来る飲食店に出会えんままアーケードは終了〜電車通りに出て、電停から走り出す“MOMO”
なる床の低い路面電車におぉーっ・・〜結局、柳川の交差点の右手にあった普通な感じの喫茶店で昼メシに
しました。(ゴルゴ13が充実した店内で食った焼ソバ定食・・ライスと焼ソバとたくあんがワンプレートに盛られ、
味噌汁、冷奴がついてました。ふつうにウマかったっす!)

〜路面電車(黄色の旧型車両)に乗って県庁前で下車〜高い列柱で支えられてせりだしたコンクリート打ちっ放し
のテラスと、凹凸のパネルと窓が水平に並んだ壁面(・・城の石垣を模しているのでしょうか?)が迫力のモダニズム建築、
岡山県庁舎(設計は前川國男氏とのこと!)を少し周遊して、岡山城〜岡山県立博物館、と観て回りました。

(・・私、実は学生時代に岡山城天守閣の郷土史資料VTR制作のお仕事で、日本で初めて空を飛んだ
とされる江戸時代の表具師、浮田幸吉の撮影用の背負子型の翼の制作をアルバイトで担当させて頂いた事が
ありました。当時、翼完成後にディレクターの方の計らいで、成城の撮影所での撮影まで観させて頂きました。
京都から来た模型屋さんや、役者さん達に映像会社の方々と集まって一つの映像を作って行く楽しい仕事でした。
完成後は模型の建築セットに映像が投影されるタイプのからくり装置になると聞いていたのですが、
それがどうなっているのか観てみたかったのですが、何年か前に機械の故障で撤去・・現在は備前焼
の体験コーナーに変わっておりました・・。案内の方は、あれ良かったんですけどねぇ・・とおっしゃって下さって、
自分の知らないところで作用していた生の声を伺う事が出来てとても嬉しかったです・・!!

〜博物館、お目当ての福田神社の舞楽面は観れませんでしたが、写真資料でまた別の室町時代の
翁の面が観れました。・・中世、なかなか日本独自な文化が開花した時代なのかもしれません・・。
また、展示室冒頭にあった7Cの織物・養蚕に長けた渡来系豪族の首長の、蚕の繭を模したのではないかと
考えられている陶製の棺も印象深かったです・・!)

〜ラストは広い芝生の向こうに借景の操山が美しい後楽園(・・ちょうど、園内では能楽をやっていたらしく、
甲高い笛の音に、“ッポン!ぃヨ〜ッおう”と鼓と謡が響いて来る中、巡った回遊式庭園は何とも言えん雰囲気で、
特に茶室周辺、怖いくらいの気合いの入ったその響きを聴きながら、明日をも知れぬ戦乱の世の、武将の心情と
道化て振舞う能楽師の姿を勝手に想像しながら、目の前のあらゆる種類の石を組み合わせて趣向を凝らした
露地、飛び石、にバラして運んで組み直させたという巨石・・〜一変して現れる、江戸期の明るさでしょうか?琳派の
絵画が如く緩やかなラインを描く池の淵の石組みの、気が抜けてそうに見せながらも異常なまでに徹底した造形、
それを大胆に横切る幾何学的な橋の構成・・〜しまいには、田んぼに茶畑、松林まで再現した贅沢ぶりには
すげーなぁ・・と感嘆するばかりでありました・・。その合間の茶屋で見た“烏城彫”なる漆工芸の盆〜蒜山の
大宮踊りの郷土玩具は、温もりある庶民的な可愛らしさで“ぐっ”と良かったです!)まで、始終小雨・・ではありましたが
巡りまして、バスで岡山駅、駅ビル〜構内の“おみやげ街道”、と地域グッズ(・・キティや桃に頼り過ぎ?食品も
添加物多用の加工品ばかりでもっと素朴な、地域性あふれるものが堂々と並んでいてもいいのに・・と少し落胆
しつつ)見まくって新幹線ホーム、入ってきた九州新幹線さくらに乗車、木目車内にホッとしつつ、アっという間に
運ばれて帰阪いたしました・・。


・・というわけで、米蔵人おくむらさんでの常設展は現在、「とちのき」(’13年作)に未発表の新作絵画&小品
を展示した新企画・ざる画廊のコンビネーションで開催中です!宜しければ是非!ご高覧下さい。


2013.10.14