「11/5」

第603話
不定期連載
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2008年11月5日(水)
冷えた空気に明るい光が心地良かった本日の大阪地方。運送業務〜買い物とあてがわれた任務を終えて無事帰宅。

台所に立ち、NHKニュース〜ミヤネ屋と聴きながら、毎度の諸準備〜晩のサバ煮作りまで完遂。ちゃぶ台前に着き、録画しておいた
“だんだん”観ながら、黙々とわんぼるランチを頂いた。

様々な感情の揺らぎを乗り越え“つづく”の文字まで見届けた私は、ほうじ茶を一飲み、“ボブ・ディラン”かけて達観を気取り、
茶碗を洗浄。暫しの昼寝を経て、予定の作業へと臨んだ。

PM6:45 現実の重力に引っ張られ始めた帳面上の図像が、感情にもたらす “陰り”に“始まったな・・”と軽い決意をし、道具を片付け
画室から脱出。“ZAZEN BOYS”とニュースを同時に聴きながら、納豆を掻き混ぜ、おひたしのチンゲン菜を洗った。
2008年11月6日(木)
午後から天気は下り坂との予報が出ていた本日の大阪地方。穏やかな空の下、割り当てられた運送業務に奔走。無事、任務完遂し、
スーパー〜八百屋と巡り帰宅。

“ミヤネ屋”聞きながら、晩の米研ぎ〜味噌汁の下準備と並行してキャベツの味噌汁を作り、わんぼるランチ(わんぼる君が会社に
持って行っている弁当のおかずのお裾分け)と冷凍ごはんをレンジでチンし、すっかり楽しみになってしまった“だんだん”(録画)を
観ながら頂いた。

テレビ画面に映し出される“つづく”の文字と、食い終えた後のちゃぶ台上の風景を眺めながら、溜息まじりでほうじ茶を啜って
片付けに移行。15分間の昼寝を経て画室へと入った。

PM6:00 実制作に入れそうな空気を帯び始めた帳面上の画稿に楽しみと不安を感じつつ、今日はここまでと片付け開始。床面に掃除機
かけて気分一新、台所に立ち、おひたしの大根葉を洗った。

今晩は、298円で買って来た徳島産の平アジの刺身に、納豆、トマト、味噌汁はニンジン・カボチャ・椎茸・ブロッコリーで行きます。
「11/6」

第604話
2008年11月7日(金)
午前中は雨ということで腹を括って臨んだ本日の配達業務。結局、早い内に雨は上がり、少し気温の下がった街の中、任務に勤しみ
無事完遂。

いつもの如く食材求めてスーパー〜パン屋と巡り帰還。洗濯機に水を溜め、堆積気味の衣類が心にもたらす負担感を軽減しつつ、
毎度の諸準備まで終わらせ、恒例の“だんだん観ながらわんぼるランチ”へ移行。

栄養と物語の続きが細胞に届けられた喜びを胸に、床面から立ち上がった私は“ZAZEN BOYS”をかけ、398円という比較的安価で
手に入ったミディアム・サイズの長崎産イトヨリ・三匹を煮て、画室へ移動。よっこらせとベニヤ板引っ張り出し、次回作のパネル
を作った。

PM6:45 業後の清掃まで完了し、画室を脱出。ニュース聞きながら納豆掻き混ぜ、おひたしの小松菜を洗った。

本日の味噌汁は、昨日と同じく、ニン・カボ・シイタケにブロッコリーです。
「11/7」

第605話
2008年11月8日(土)
二人共に出勤となった本日。シトシトと降り続ける雨を横目に、高麗橋の現場カーペット洗浄に勤しみ任務完遂。雨が上がり、グッと
冷え込んだ鉛色の街の中、ペダル漕いでスーパー〜八百屋、米屋と巡って帰宅。

洗濯〜米研ぎと遂行し、ほうじ茶とみかんで一息ついて画室へ移動。先日買って来た綿布を“うおりゃっ”と広げキャンバスを作った。

PM6:00 道具を片付け、台所へ移動。部屋着を一枚追加し、わんぼる君が下準備(ダシ汁でニンジン・カボチャを煮た状態)までやって
行ってくれた味噌汁の鍋に椎茸を加えて点火。“週刊こどもニュース”聞きながら納豆を掻き混ぜ、おひたしの小松菜を洗った。

今晩は、398円で買って来た山口産の平アジを刺身で頂きます。
「11/8」

第606話
「11/9」

第607話
2008年11月9日(日)
二人共に休みとなった本日。日曜美術館みながら、目玉焼きをプラスしたホリデー・モードの朝食を頂き、掃除〜片付けと分担、
完遂した我々は、現在、大阪市立美術館で開催中の“国宝 三井寺”展を観るべく部屋を出た。

AM11:00 “カラオケ通り”が無くなっても、やはりどこかキナ臭い雰囲気が漂う天王寺公園を抜け、美術館到着。ロッカーに荷物
預けて準備万端、いざ展示室へと臨んだ。

滋賀県大津市の琵琶湖を臨む景勝地に立つ三井寺(園城寺)。その縁起は、何と7世紀後半にまで遡るとの事で、今展は、この名刹を
天台寺院として中興した円珍和尚の帰朝1150年を記念しての開催との事。

以前、その塔頭の一つである勧学院客殿で拝観させて頂いた狩野光信氏(あの狩野永徳氏の長男。父と対照的な穏やかな作風が魅力)
による障壁画“四季花木図”が、今回会場入りしているとの事で、無意識にそこに感情のピークを設定して観覧に臨んだ私であったが、
薄暗い場内には、長い長い年月を乗り越えてきた密教美術の至宝の数々が醸す濃厚なアトモスファーが充満しており、桃山や江戸期の
作品に出くわすとそのポップさにある種安心すら覚えた私だった。(広重氏による“近江八景”は鮮やかな感動やった・・!!)

貴重な秘仏の数々には驚くばかりだったが、“如意輪観音菩薩坐像”のエロティックな佇まいには当方、一瞬でノックアウトされて
しまった。可愛くて美しくて・・。(熱いモノを感じながらハガキ買って来た俺だった・・。)

展示終盤は、明治期にわが国の美術の再興に尽力されたフェノロサ氏の関連資料〜勧学院の客殿を再現した“四季花木図”(一部
デジタル複製ではあったが、照明が周期的に明るさが変わるなどして、美術館という空間でありながらも熱い心遣いを感じた。)
へと至り、“ハッ”とした感動がもたらす明るいトキメキに笑みを浮かべながら会場を後にした。

美術館を出て、薄曇りの空を背にして立つ司令塔の様な通天閣を眺めて歩みを進めた我々は、あの磁場特有の賑わいをみせる新世界
をすり抜け、適当に思われた恵比須町の中華屋に入店。わんぼる君は台湾ラーメン、私はホイコーロー定食を頼んだ。
ホイコーロー・・、具材の9割はキャベツだったが、不思議と悪い気はしなかった。

日曜の堺筋、変態横丁を横目に難波のMUJI〜タワレコと巡った我々は、地元スーパーで買い物済ませて帰宅。

コーヒー入れて一息つき、昨晩の“スイングガールズ”に触発されて、訳も分らず買って来た“ジョン・コルトレーン”をかけて
脳髄をシビれさせながら、おひたし用の水菜を洗った。

今晩は、ニン・カボ・椎茸の味噌汁に秋鮭のアラを加えた手抜き料理で行きます。
2008年11月10日(月)
すっかり寒くなってしまった週明け月曜の大阪地方。これでこそ11月やと、嬉しさ混じりで集金〜配達と奔走。無事任務を成し遂げ、
スーパー〜パン屋、八百屋と巡って帰宅。

台所での立ち回りに休み明け特有の勘の鈍りを感じつつ、晩の米研ぎ〜ダシ取りと勤しみ、録画の“だんだん”を再生。
黙々とわんぼるランチを頂き、片付け済ませて画室へと入った。

PM6:00 予定していたキャンバス張り〜下地の一発目まで完了し、画室を脱出。“ブルーハーブ”かけてブラシを洗い、家事へと移行。
納豆掻き混ぜ、おひたしのチンゲン菜を洗った。

今晩は、大根・カボチャ・椎茸・白菜の味噌汁に宮城産の牡蠣(398円)と韓国唐辛子を加えて、冬の到来を体内から祝おうと思います。
「11/10」

第608話
「11/11」

第609話
2008年11月11日(火)
今日もなかなかの寒さが感じられた大阪地方。灰色の空の下、あてがわれた任務に奔走し、買い物済ませて無事帰宅。

毎度の如く録画しておいた“だんだん”観ながら、わんぼるランチを頂いて一段落。あたたかい床面に別れを告げた私は、日本酒・
醤油・みりんの瓶を取り出し“ジョン・コルトレーン”聴きながら、298円で買って来た長崎産のブリカマを大根と共にひとしきり煮て、
コーヒーを抽出。

醤油のにおいが立ち込めた台所の後ろにチラリと覗く、まだ何も描かれていない真っ白なキャンバスに、煮付け完成の達成感が
緊張へとスライドして行くのを感じながらコーヒーをすすり、本日の作業内容を確認。小脇に座布団を抱え、いざ画室へと臨んだ。

PM6:30 “ヘタクソでもいい・・”そんな言葉を自分に言い聞かせながら画室を退出。“AC/DC”を脳ミソに届くヴォリュームでかけ、
流し台の前に立ち、ギュイ〜ン!!と勢い良く伸びた小松菜をザバザバと洗った。

(今晩の味噌汁にはニンジン・カボチャ・白菜と、本体におまけ程度付いていた大根葉を入れようと思います。)