不定期連載
「帰省がんばろう」

2007年7月13日(金)
降り続く雨と、蒸し暑さに加え、運行の遅れによる焦りに追われながら
本日の業務を終え、スーパーへ。
一旦、部屋に寄り、魚を冷蔵庫に入れ、合羽姿のまま大型のホームセンターへ
向かった。

ブルーシートに使い捨てのツナギ、ナフタレン、拭きそうじペーパー、
布ガムテープを購入した。
今度の帰省の際、学生時代に実家に送って、そのままの作品を開けてみようと
思っているのだ。
特に気になっているのが、学部の卒業制作で
(私の専攻は染織でした。先日、UPした“思い出ギャラリー”の約2年前の作品です。)、
'97年の春、卒展終了と同時に実家に送って以来、一度も開封してないのです。
“マッディー 夢ごこち”と題されたその作品は、
羊の原毛(精製してなくて、糞とかついたままの状態・・)、皮、麻などを
グチャグチャにからめたものを主体に形成されており、当時の私の混沌とした
頭の中と甘えた姿勢が露呈したひどいものである。
最悪の場合、ダニやカビが湧いて、えらい事になっているかも・・。

ずっと、気になっていたが、卒業後、時間とお金の都合で数える程しか帰ってない・・。
次はいつ帰れるか分からないので、今回、頑張って手をつけようと思う。
しかし、ちょうど梅雨時で、しかも台風が来ている・・。どうなる事やら・・。

ため息と、開き直りの妙なやる気で、雨の中、背中のリュックに買った物を詰め込んで
チャリで帰った。
第125話
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GALLERY
「帰省前夜」

2007年7月14日(土)
わんぼる君と近所のモスバーガーで昼飯を食い、
(私は、フレッシュバーガーとサラダのセットにした。)
明日の帰省の土産を買いに梅田へ出た。あいにくの台風前の雨とはいえ
休日の梅田は賑わっていた。私は、阪神B1の菓子売場を一応うろつき、
結局、決めていた“茜丸 五色どらやき”を買った。
二人でタワレコを一巡りし、大型コーヒーチェーン店で一休みして帰路に就いた。
駅裏のジャスコで、小松菜・ブリ切り身・みょうがを買って帰った。
ブリは久し振りに煮た。みょうがは味噌汁に入れた。
食後、玄米茶飲んで荷物をまとめ、明日の新幹線の無事を願った。
ベランダに出ると風がかなり強まっていた。
第126話
「そして旅立ち」

2007年7月16日(月)
15:25 小倉発 のぞみ186号に無事乗車。
2日間過ごした故郷、北九州に分かれを告げた。

三回忌を迎えた父方の祖母の法要にはじまり、年老いながらも元気に頑張る母方の祖母(86歳)へのご挨拶、両家の墓参り、
更には、送りっぱなしになっていた過去の作品の確認作業(思いの他、無事でした。)まで終え、乗車時間となった。

2年振りとなってしまった帰省は、覚悟はしていたものの、風景に始まり、
再会した親戚〜家族と時の経過を感じずにはいられなかったが、憂いは今後への覚悟と励みになったと思う。
再会出来たお互いの無事への感謝と、現在にベストを尽くすべきだという更なる思いを胸に皆と別れた。
乗車前、最後の空き時間、わんぼる君と小倉の街をうろついた。
いかがわしい風俗街裏のラーメン屋で、久しぶりのとんこつラーメンと少しのゴマがかかった白いおにぎりを食った。
灰色の空の下、小雨の中、高校時代、アンジーのアナログ盤を買った中古レコード屋へ折りたたみ傘をさして二人で向かった。
店は健在だった。相変わらず、一枚一枚、ご主人のコメントが書いてあって嬉しかった。
あの頃の俺らは、街と言えば小倉だった。
知らない内に大型商業施設が出来ていた。
ダムドのアナログ盤を買った店は、コインパーキングになっていた。近くの喫茶店に入り、
マスターに尋ねるともう随分前になくなったらしい。コーヒー飲んで駅へ向かった。
第127話
「続きを続ける」

2007年7月17日(火)
出勤途中、突然の雨にやられたお陰で、帰省ボケした頭も現実にリセットされた。
感傷に浸る間も無く業務に終われ任務完了。

本日、わんぼるランチは、お休みなので、帰り道の定食屋で昼飯食った。
(いわし天ぷら・わかめ酢・ごはん大・味噌汁にした。)

スーパー寄って帰宅。コーヒー飲んで、まずは部屋を掃除して、作業に入った。
油断すると、昨日までの思い出が襲って来ることが容易に想像出来たので
ガンガン行きたいと思い、プライマル・スクリームをかけて制作に臨んだ。
(効果はあったと思う。)

PM7:00 ニュースをつけ、台所に立ち、おひたしのつるむらさきを洗った。
第128話
「昨日の続き」

2007年7月18日(水)
運送屋〜スーパー寄って帰宅。
連日の雨でチャリンコのチェーンが錆びて来ていたので、油を注した。

わんぼるランチを頂き、一休みしてから、バケツに水を汲んだ。
CDを止めて、決してうまくいっているとは言えない昨日までの続きに取り組んだ。

PM7:15 濁った水を捨て、筆を洗った。
描き始める前と同様の泥沼感が引き続きあったが、簡単に出来るより良いものになると信じて、
是非これを越えたいと思っている。
第129話
「夕暮れ空」

2007年7月19日(木)
本日は、いつもの運送業務を終えてから、空港近くの営業所へ大量発送の荷物
の梱包の応援に行った。

窓の外を、見慣れない大きさと角度で、旅客機が、高音を響かせ何度も
通り過ぎて行った。
各営業所から集められた、初対面の精鋭たちと共に作業に勤しんだ。
轟音が過ぎ去る度に、我々のチームワークは、暗黙の了解で高まっていった。

PM7:15 汗ばんだ体で帰宅すると、先に帰っていた、わんぼる君が洗濯物を畳んでいた。
その取り込んだバスタオルに、緑に輝くカナブンがくっ付いていた。
私は、即座に、プランターの中にいたあの幼虫ではないかと思った。
カナブンを手のひらに乗せ、ベランダに出てプランターの萩の葉に乗せようとすると
ブーンと羽を開いて、夕暮れの空に飛んでいった。無事を祈った。
第130話