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「夕方のお出かけ」

2007年7月25日(水)
運送業務〜絵画制作作業と無事に任務を終え、
PM5:30 俺は、花柄の帽子をかぶり、ちょっとハレの気分で部屋を出た。

わんぼる君から、職場で頂いたという天神祭りの花火大会観覧席(弁当付き)への
お誘いを受けているのだ。

西日が射す夕方の通りを、ホルモン焼のにおいがする風に吹かれ駅へ向かった。

北新地のホームで、わんぼる君と落ち合い、大阪城北詰で降りた。
案内に従い、川沿いの席に着いた。
行き交う提灯船を眺めながら弁当を広げ、缶ビールで乾杯した。
次第に風が涼しくなり、薄暗くなって来た頃、第一発目が上がった。

ばちばちと花火の乾いた音と火薬の匂いが、揺れる川面と相まって心地良かった。

一瞬のまばゆさと情緒を残してパッと消えていく花火に夏の儚さを思った。
第136話
不定期連載
「7/26 作業日報」

2007年7月26日(木)
AM9:15 西天満の町を運送業務に奔走する。
昨日までの祭りは何処へやら、何事も無かったかの様に、すっかり
いつもの町に戻っていた。

無事、任務を終え、スーパー寄って帰宅。
洗濯しながら、わんぼるランチを頂き、晩メシの味噌汁のダシまでとって
制作に赴いた。

作品を前に、絵具を広げ、妄想〜現実、ゆめ〜不安の間を往復しなががらの
格闘となった。あきらめたら終わりなので、とにかく自分を励まし続けた。

とりあえず目標地点まで手を入れた。
PM7:15 わんぼる君帰宅。
気分を変えようとパンク・ミュージックをかけ、部屋に立ち込めた鬱蒼とした
空気を払いのけ、道具をかたづけた。

かたづけの間、わんぼる君が、おひたし〜味噌汁まで完成させてくれていたので、
スーパーで、刺身用に三枚卸〜皮引きまでして貰った、平アジ298円を残量の少なく
なった集中力で切り、晩飯に至った。明日も頑張ろう。
第137話
「ここから次へ」

2007年7月27日(金)
容赦なく照りつける紫外線が、肌を破壊しているのを実感しながら
配達業務に勤しみ、いつもの様にスーパー寄って帰宅。
制服を洗濯しながら、わんぼるランチをいただき、30分間昼寝した。

起き上がり、ダイナソーJrをかけ、体のしびれをやる気に変換した。
コーヒーをいれ、作業開始。
本日は、完成させるつもりだったので、いつも以上に不安と楽しみが
交錯した。

PM8:00 どうにか完成した。
生乾き状態を写真におさめ、思い出を記録し、ダイナソーJrをかけ、筆を洗った。
とりあえず、一作目の完成である。引きつづき、次へ行こう!
第138話
「夏発狂」

2007年7月28日(土)
AM6:15 白い朝日の中、俺は、人気の無い中之島公園に響き渡る
蝉の大合唱を全身に浴びながら、チャリンコで駆け抜けた。
今、いつで、何処なのか、記憶がとびそうなサウンド空間だった。
今日も暑くなりそうだ。

本日のビル清掃、まずは、北浜の現場でカーペット洗浄である。
AM10:30 とりあえず終了。続いて、日本橋のガラス清掃現場へ
頂いたキリンハイパー100を飲みながら、社員の方とハイエースで移動した。
屋外での作業は、狂ったほど汗が出て、むしろ気持ちいいぐらいであった。
PM1:00 作業終了。汗ダクのTシャツを着替え、社員の方と近くの定食屋へ。
(私は、アジフライ・きゅうり酢・豚汁・ごはん大にした。)

ハイエースの荷台にチャリンコを積んできたので、帰りは、本町で降ろしてもらった。
久々に早い時間に終わって嬉しかったので、わんぼる君に電話してイートインのある
パン屋で合流した。私は“桃のスムージー”をたのんだ。
炎天下の移動で堪えた体に、桃の甘さと冷たさが効いた。

スーパー寄って帰って、シャワーを浴びて昼寝した。
目が覚めると、夕立が降ったらしくベランダがぬれていた。
第139話
「愛、射ち込まれて」

2007年7月29日(日)
本日のビル清掃現場は、塚口だった。
カーペット及びPタイル洗浄をこなし AM11:30終了。

今日も、思っていたより早く終わった。
喜んで、わんぼる君に電話。
昼飯一緒に食うことにし、梅田のBOOK1stで待ち合わせた。

適当に曽根崎周辺をうろつき、“どんぐり冷麺セット750円”の看板に何となく惹かれ、
韓国居酒屋らしき店に入った。
(ミニビールを注文し、乾杯した。冷麺の前に、スジコンが乗ったミニ丼ぶりが来た。
結構うまかった。)
店を出て、歯の間に挟まったスジに気持ちをとらわれながら、白昼の梅田を歩いた。

背中の作業着が重かったが、せっかくの休日モードで、家に帰りたくなかったので、
以前行った天満の変テコな雑貨屋(tectail)へ行ってみる事にした。

東西線で大阪天満宮下車。天満宮の境内をぬけて、川沿いの目的地へ歩いた。
日曜なので、やっているか心配だったが、遠くから、半開きのドアと大きな逆さまの
地球儀が見え、気持ちが高ぶった。

以前同様のテンションで変テコな品々が愛と自由で我々を迎えてくれた。

何気に置いてあるどの品物からも、店主の愛が感じられて見れば見るほど楽しかった。

私は、重ねてあった洋古書の中にスペースシャトル初の女性宇宙飛行士
サリー・ライド氏の本(“TO SPACE &BACK”と題されていた)を発見し、
気になって手に取ってみた。
というのも、以前、実家で飼っていた猫の名前を父が、貰って来た時期から、
彼女にちなんで“サリー”と付けたからだ。

本を開くと、観たこと無い上空からの打ち上げ風景(大地に映るブースターの噴煙の
長い影が美しい事!)や、
真下からのシャトル帰還の写真に惹き付けられた。
'80年代の宇宙開発の夢と勇気が伝わってきて美しく思った。
値段を尋ねると1,000円だった。
(店主は、字組みと写真が美しいと思って購入したとのことだった)
買う事した。

わんぼる君は、また変テコな帽子を買っていた。
芳醇な気持ちで店を出た我々だった。
第140話