「驚異! 旬の脂」

2007年8月29日(水)
天気予報では、雨とは聞いていたものの、またしてもスコールの様な激しい雨に
見舞われての配達となった。
任務を終え、雨と汗のしみ込んだ制服をリュックに突っ込んで、スーパーに寄って
帰宅した。

洗濯しながら、わんぼるランチをいただき、晩飯の準備をあらかた済ませてから
パネル作成の作業に入った。
ベニヤ板を裁断し、角材の切断〜双方の接着まで完了させた。

晩飯は、明日の午後がビル清掃なので、サンマを明日の分まで2日分煮たのだが、
新サンマは、脂が乗り過ぎていて、どうやら煮物には向かなかった様だった。
(一応、生姜と梅干しを大目に入れたけど、あまり効果は出て無かった。)
わんぼる君には申し訳ないけど、明日の晩も夏バテに効くと信じて食べよう。

夕食後、煎茶を濃い目に入れて、胃の中に流し込んだ我々であった。

第171話
不定期連載
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「8/30(木)」

2007年8月30日(木)
本日は、ドシャ降りの雨に加えて、激しい雷鳴に打ちのめされながらの配達となった。
近頃のこの手の雨は、やはり温暖化の影響なのだろう。

海水温の上昇・大量の水蒸気・ヒマラヤにぶちあたるモンスーン・俺に突き刺さる
大粒の雨。
空気中の排ガスや粉塵が道路脇の排水溝へガンガン流れ込んで行った。
いつか、また俺の所に帰ってくるのだろう。

任務を終え、定食屋で、ちくわ磯辺揚げ・キュウリ酢・納豆・ごはん大・味噌汁を
食って、北浜のビル清掃に向かった。

16:00 作業完了 スーパーへ向かった。
本日のおかずは、昨日の脂っぽいサンマ煮が待ち受けているので、何とかサッパリ
対策を講じなくては、と気合いを入れて、買い物カゴを取った。
セロリが山積みされていたので、堀井和子気分で味噌汁に入れようと思い1本選んだ。
加えて、食後のモタレ対策に幸水梨をひとつ買ってみた。

帰宅後、少しだけエスキースをして、昨日接着したパネルの仕上げまで完了させ、
晩飯の準備に入った。

昨日のサンマ煮、味が浸みて昨日ほどの違和感は無かった。
セロリは、茎が思った以上に甘くて、マンネリな食卓に爽やかな新風であった。
ほうじ茶と梨で、気分だけは秋だった。

第172話
「秋の気配」

2007年8月31日(金)
時折降る雨にビビリながらも、今日は、それほど激しい雨は無かった。
運送屋〜スーパーと任務を終え帰宅。
制服を洗濯し、ザ・ワイドを見ながら、わんぼるランチを頂いた。

昨日、出来たパネルに、先日作った実験的キャンバスをまた張った。
次の作品も、この前と同サイズで、2個対にする事にしたのだ。
(当初は、その予定では無かったが、急遽、それもいいかと思っての
取り組みである)

夕方、ベランダに出て、植木に水をやった。
外は涼しく、見上げると雲の切れた空は高く、秋の気配を感じた。
あんなに暑かった夏でも、過ぎて行くのかと思うと少しさびしくなった。
今日は、サゴシを焼くつもりである。

第173話
「秋のはじまり」

2007年9月1日(土)
AM5:25 北浜のビル清掃へ向かおうと、ドアを開けると
空は一面、朝焼けだった。
高い空には、オレンジ色の雲が大きな縞模様を描いていた。

チャリに乗りペダルを漕ぐと、Tシャツ一枚では肌寒いくらいの涼しさで、
懐かしさと少しの寂しさで嬉しくなった私は、ピンクから薄い青へと変わって行く空の下
グングンと漕ぎ進んだ。

PM0:00 任務終了。わんぼる君と家の近所のTSUTAYAで合流し、モス・バーガー
で昼飯にした。
(私は、新商品らしい“シーザーサラダ・バーガー”のセットにした。)

店を出て、わんぼる君は、散髪に行くとの事なので私は、路地を抜けて帰った。
澄んだ空気から射す昼下がりの光は、その角度といい、紛れもなく秋のものだった。
路地に映る影を写真に撮りながら部屋に帰り、
途中になっていた、当HPの“思い出ギャラリー”の第5回を完成させた。

暫くすると、カットを終え、かしこそうな中学生男子の様な仕上がりになった
わんぼる君が帰ってきたので、先日、三井寺で買ってきたそば茶をいれてみた。
そばの香ばしいかおりが、秋の始まりを決意させてくれました。

第174話
「女子マラソン」

2007年9月2日(日)
本日、ビル清掃はお休みで、AM6:40 布団から起き上がった。
今日は、世界陸上の最終日で、女子マラソンが行われる日である。
せっかくなので観に行こうと、わんぼる君を誘って、チャリンコで土佐堀通り
をめざした。

AM7:15 淀屋橋到着。街頭で応援の旗をいただき、給水所や、スポンジの準備を
している車道を横目に、少し人の空いた北浜で応援することにした。

気が付くと、車道は、通行止めになり、静かになった街の上空をヘリが旋回していた。
向かいの工事中のビルの窓からは、現場のアンチャン達が東に向いて、ひょこひょこ顔を
出していた。

20分程待っていると、東から歩道の旗が歓声と共にいっせいに揺れ始め
警察や、水素自動車、タイムを表示した車を引き連れて、極度にシェイプされた各国の
サラブレッド達が我々の前を通り過ぎて行った。

先頭集団の後を追って、目の前を走っていく選手に、頑張れーッ!!と声援を送りながら
その孤独な姿に、現実の厳しさを突きつけられ続けながらも、心の中の余分なものが
削がれていく思いがした。

最後尾の選手が過ぎて、しばらくすると、再び折り返してきた先頭集団が現れた。
先程よりさらに汗でビショ濡れになった選手団の先頭に土佐礼子選手の姿があった。

陽が射してきた道路を眩しい東に向かって走っていく選手達の後ろ姿が美しかった。
全ての選手、車両が通り過ぎ、道路は、いつもの様子に戻っていった。

静かな思いを胸に、我々は、チャリンコの鍵を開け家に帰った。

第175話