「梅田から路地をぬけて」

第186話
不定期連載
不定期連載
2007年9月13日(木)
いつもの様に、運送業務〜買い物と任務を済ませ帰宅。
わんぼるランチを頂き、梅田へ出掛けた。

来週の祝日用の、我が祖母への贈り物を買いに行ったのだ。
何か菓子にしようとぐるぐると食品フロアを巡り、悩み、
立ち止まり、購入した。

立ち飲みのマクドナルドでアイスコーヒーを吸い込み、一休みして
“NANA”の18巻が山積みされた本屋で、20世紀西洋美術史をしばし立ち読みし
帰路に就いた。
途中、家の裏の米屋に寄って、いつもの北海道産の良質で安価な“ほしのゆめ”
を5キロ購入した。今晩は、またしてもサンマの塩焼きである。
マンネリな食卓に風が吹く事を願い、焼酎にもスダチを入れようと思いながら
夕暮れが早くなった路地を、米の袋を提げて帰った。
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「浮き沈み」

第187話
2007年9月14日(金)
蒸し暑い北区の街の中を配達業務に奔走し、スーパーに寄って帰宅。

制服を洗濯しながら、わんぼるランチを頂いてから、改訂版の制作の為
遅れていた次回作の制作に入った。
キャンバスを張った状態で止まっていた画面を前に、エスキース・写真
〜心の記憶をよりどころにペンを執り、目標地点まで描き進んで行った。
が、トレーニング不足と心の焦点のブレが現れた画面を前に不安だけが残った。

立ち上がり、その現実を受け止め、問題点を収穫とし道具を片付けた。
憂いを胸に、手を洗いながら、ふと勧学院で観た、光信氏の障壁画の檜を
思い出した。単純には片付いていなかったあの幹のタッチを思い出し、
超・甘い己を自覚し、明日の試合を想定しながら、粘り腰で行く決意をした。

ブルー・ハーブの2nd の9曲目をかけ、憂いを活力に転換し、おひたしの
チンゲン菜を洗った。
「昨日のつづき」

第188話
2007年9月15日(土)
今朝は、わんぼる君が、連休を利用して石川県の友人の所へ出掛けるのを
玄関でお見送りし、とりあえず、掃除・洗濯にかかった。

きれいになった部屋に達成感を感じ、ヤカンを火にかけ、久しぶりに
フィッシュマンズをかけた。
ベランダから脱水が終わる音がしたので、カーテンを開けると、外はクリアーな
光が射していて、水をあげて間もない植木が輝いていた。
午前中の部屋の様子に不慣れな私は、その光の角度に新鮮な気分で、
カメラを取り出し、その様子を記録した。

洗濯物を干し終え、コーヒーを飲んでから、制作に入った。
途中の画面を前に、いざ筆を握ると、そこには相変わらず俺の実力が露呈した
現実が待ち受けていた。
逃げ出したかったが、昨日の決意を思い出し、少しでもマシになる様、
画面に絵具をおいては、離れて、どうするべきか頭を悩ませ、次の手を打って
行った。
AM11:50 不安と希望が入り乱れた心境で、ひとまず筆を置き、昼飯に駅近くの
モス・バーガーへ向かった。シーザーサラダ・バーガーを食って、立ち読み〜
図書館と逃避し、家路に就いた。

描きかけの絵を眺め、部屋の電気をつけ、続きに取り組んだ。

PM5時過ぎ 当初の画稿、考えの変更なしで行ける地点まで手を入れ、
一応完成として筆を洗った。いつもながら、エスキース段階で調子に乗っていた
自分を反省した。

今日は、晩メシは裏の安価な居酒屋の定食で済まそうと思う。
夕空がやさしい事を祈る。
「悪あがき?」

第189話
2007年9月16日(日)
AM7:45 起床。朝メシ〜掃除と済ませ、次の作品のパネル制作に入った。

PM12:30 寸法割り出し〜各部材のカットまで終え、シャワーを浴び木屑と汗を
洗い流してから昼食とした。
(今日は、納豆、味噌汁(ニンジン・かぼちゃ・キャベツ・卵)、冷凍ご飯と冷蔵庫の
中の物で済ませた。)

昼食後、昨日図書館で借りてきた、ジュニア用伝記シリーズの徳川家康を“ほほーっ”
と読んで、俺も頑張ろうと決意新たに作業に入った。

ベニヤと角材を接着し、ひとまず、パネルの方は一段落した。
昨日、一応完成(まだ、日付とサインは入れて無い状態)とした作品を寝転がって眺めて
いたが、どうも気になるので、絵具と筆を取り出し、悪あがいた。

PM5:00 酸欠状態でみる絵は、自分では、もうよく分からん域に達してしまったので、
気分転換と逃避を兼ねて、スーパーへ買い物に出た。

(途中、天気雨が降った。西日に輝く雨粒を浴びてのチャリ漕ぎは不快ではなかった。
スーパーに着く頃には止んでいた。)

帰宅し、コーヒーをいれて、絵を眺めると、さっきよりマシに見えたので、少し気持ち
が救われた。
絵の方は、とりあえず保留とし、次の作品の綿布のシワ取り〜ジェッソ塗布まで終えると、
わんぼる君から大阪駅に着いたとの電話があった。

PM8:00 おみやげに頂いた、金沢21世紀美術館のガイドマップと九谷焼の眠り猫を眺め
ながら、焼酎を飲み、モロヘイヤのおひたし、サンマの刺身を食った。
「疲れ吹き飛ぶ」

第190話
2007年9月17日(月)
本日は、パネルの残りの辺の接着と、キャンバス制作の続きまでして、
AM11:00 わんぼる君と、ちょいと探し物に出掛けた。

手始めに、天満のお店に行ったのだが、あいにく閉まっていたので
大川沿いの公園でサンドイッチを食って、昼飯として心斎橋に向かった。
鰻谷を適当にのぞきながら、百貨店を見て回った。
探し物のポイントは定まったのだが、なかなか、これだ!というものに
出会えず、梅田の百貨店へと移動した。
品物が定まり、相場と品質が理解出来る様にはなったのだが、惜しい所
までは行くものの、心のポイントの決定打には欠けていて、我々二人は
購買には踏み切れなかった。
今日は、もう駄目かと思いながら、新阪急ビルの下のジューススタンドで
一休みした。

小松菜りんごジュースを飲み、くたびれ始めた身体にビタミンを分配し、
西天満の老松通りの脇に一軒、思い当たるお店があったので、最後の望みを
かけて日が暮れ始めた1号線を東へ向かった。

ありがたくも、そのお店の明かりは灯っていた。
ガラス戸を押し、店内に入ると、そこには、今日、見て回った理想の答えが並ん
でいた。
我々は、ショー・ケースの品々から目を通じて、確かに運ばれてくる滋養に、
やっぱこれやわ!と何より喜び、ここでの購入を決意した。
お店の方に主旨と予算を相談して、品物を決定した。

代金を支払い、届け先への発送をお願いして、無事を祈ってお店を出た。
薄暗くなった老松通りを歩きながら、店主の人柄と、入魂の品々が心の中に
静かな勇気の炎となって灯っている事を自覚し、明日からの日常にのぞむ決意をした。
「休み明け」

第191話
2007年9月18日(火)
集金日に加えて、配達の編成が新しくなった連休明けの本日。
結局、てんてこ舞いであったが、勘の鈍りかけた身体には良かったのかも
しれない。

いつもの様に買い物を済ませ帰宅。わんぼるランチを頂き、作業に入った。
接着の完了したパネルを仕上げ、完成したキャンバスを張り、
早速、制作を開始した。
本日は、工程的には、下地作業なので、スポーティーに進行出来た。

PM6:50 予定の作業まで終え、道具を片付け、ニュースをつけて
晩メシの準備に移った。
本日は、アジの塩焼き、おひたしはツルムラサキである。