2007年9月29日(土)
急に肌寒くなった今朝の大阪地方、阪急石橋駅に降り立った私は、
ドングリや、クヌギの実が転がった坂道を、虫の声を聴きながら本日
のビル清掃現場へと向かった。

今日は、ひと夏越えたエアコンのフィルターをジェット水流で洗浄する作業である。
時折、弱い雨がパラついたものの、作業は無事に進んだ。
昼食は、現場近くの食堂で、A定食(野菜かき揚げ・レンコンはさみ揚げ・
おにぎり2コ・味噌汁)を食った。

洗浄〜乾燥〜取り付けまで終え、本日の作業終了。事務所に戻る社員の方々
と別れ、朝来た道を下って駅へ向かった。
途中、前から気になっていた踏み切り手前の古本屋に入ってみた。

入店してすぐ脇の棚に美術出版社の西洋建築様式史と西洋美術史が並んで
いるのを発見した。
寝る前に読むのに丁度良い大きさのシリーズである。
西洋美術史の方の値段を確かめ、購入を決意しながらも、店内を見てまわった。

千利休、志野・織部、戦艦大和、カンディンスキー、下村観山、近代建築、
浜田庄司・・と背表紙をみながら手にとってみたり戻したりを繰り返し、
一通り本棚を巡ってから、西洋美術史を購入した。

石橋のホームで、嬉しい気持ちでパラパラとめくり、入って来た梅田行きの急行に乗って帰った。
不定期連載
「労働、そして古本」

第202話
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「労働、そして奈良」

2007年9月30日(日)
結局一日中、しとしと雨となった本日の近畿地方。

AM11:40 塚口のビル清掃を、予想以上の早さで終える事が出来た私は、
本日まで、奈良で公開中の伴大納言絵巻を観る為、まずは、難波へ向かった。
タワーレコードでわんぼる君と落ち合い、とりあえず昼飯にお好み焼き食って、
近鉄・快速急行に乗り込んだ。

久々の奈良公園も、しとしと雨で、鹿の背中も濡れていた。
通常なら、北円堂や国宝館に思いを馳せるのだが、本日は、県庁前の地下道を
抜け、一路、奈良国立博物館をめざした。
拝観手続きを済ませ、ひとまず、ミュージアムショップ脇のキャフェーで
コーヒー飲んで気を落ち着けてから、展示会場へ向かった。

最初は、順路通りに観ていたのだが、どうにも気持ちが落ち着かないので
絵巻コーナーへ向かってしまった。
伴大納言絵巻・・。本当にありました。
激しい内容にも関わらず、すーっとしたトーンと間合いで、ひときわ抜きん出て
いるのを確認しました。
近づいたり、離れたりして眺めて、やはり炎と黒煙を中心とした間合いの美しさに
ため息をつき、当初の順路に戻り、一点一点、観て行きました。

“院政期の絵画”という事で、平安後期〜鎌倉初期の仏画・絵巻を中心に構成され
ていたのですが、厳島神社に奉納されている“平家納経”も大変、心にグッと来ま
した。
散りばめられた、金箔による装飾や、蓮の花びら、そして仏の後光をみつめる
平安ギャルが、何しろ可愛くて・・。憧れました・・。

あぁ、もうおなか一杯・・。と会場を後にし、雨に煙る若草山を眺めながら、
東大寺の南大門を観に行きました。
南大門は、今日もでかくて、屋根裏まで突き抜けた内部構造と剥げた朱色が圧倒的
な迫力でした。カッコイイなぁ・・。

門前の奈良漬の試食食って、国宝館みて帰りました。
(阿修羅クンや竜灯鬼さん、みんな元気でした!)
第203話
「出会いもとめて・・」

第204話
2007年10月1日(月)
本日も、大して汗ばむ事も無く、過ごしやかった大阪地方。
運送業務〜買い物と済ませ、帰宅。
わんぼるランチを頂き、晩のおかずのサバ煮を作り、味噌汁の下準備まで
して、次回作用のキャンバスにする布地を探しに船場へ向かった。

前、作った実験的キャンバスが、自分的には気に入っていて、
次回作も同様の手法で、もう一挑戦してみようかと思っての船場行きである。
難波の布地屋も良いのだが、何か新しいものがないかと思い繊維問屋の集まる
船場に行ってみた。(センタービル〜丼池ストリートと回った。)
が、なかなか、グッと来る物に出会えず、しかも問屋さんの閉店は早く、
5時になると次々とシャッターが閉まり始め、悲しかった。
結局、今日は諦め、すっかり暗くなってしまった街をチャリンコ漕いで帰った。

帰宅し、ラモーンズかけて、心に希望の灯火をともし、おひたしのツルムラサキ
を洗った。明日は、新大阪の方を攻めてみようと思う。
「紙袋ぶらさげ」

第205話
2007年10月2日(火)
本日は、少々汗ばみを促す天気となった大阪地方。
配送業務〜買い物と任務完遂して帰宅。
わんぼるランチを頂き、晩の味噌汁の下準備までして部屋を出た。

なんでも江坂の方に、なかなか充実した布地屋さんがあるらしいのである。
ビル清掃以外の用で、江坂に行くのは初めてだったので新鮮だった。
そのお店は、思っていた以上に充実の品揃えで、とりあえず全館チェックして
まわり、気になった布地を一つ購入した。

もう一歩、踏み込んだ布地が欲しかったので、続いて、同じ沿線上の新大阪の
問屋街に向かった。
(またしても、閉店間際の空気となってしまったが、見当をつけていた店には、
どうにか間に合った。)

PM5:30 無事、なかなか手ごたえのあるブツが入った紙袋をぶら下げた私は、
これらの最良な料理法について構想を詰めながら、仕事帰りの人波と共に駅構内
を我が路線へと移動した。
・・素材は何も、助けてくれない・・学生時代の師の言葉が頭をよぎった。

急いで帰宅し、晩飯の準備にかかった。
今日は、昨日のサバ煮を半分残してあるので、後は、米を炊いて、おひたし
(モロヘイヤ)やれば完成である。
第206話
「作業報告」

2007年10月3日(水)
本日も微妙な汗ばみとなった大阪地方。
通常どおり運送業務〜買い物と済ませ帰宅。

わんぼるランチを頂き、晩メシのおかずを先に作った。
本日は、長崎産のクロムツという魚(初めて見た)が5匹248円とお買い得だったので、
こりゃ2日分いけるわと煮付けにした。

無事完成し、コーヒー飲んで作業に入った。
次回作のエスキースをもう一度確認して、寸法を決定し、パネルを作った。
接着まで完了し、昨日買ってきた綿布のシワ取り〜ジェッソ塗布まで終えて
今日のところは終了とした。

少年ナイフをかけて、爽やかな切なさをもって、過ぎて行く一日を見送り、
おひたしのツルムラサキを洗った。