「天王寺へ!」

第238話
不定期連載
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2007年11月4日(日)
普段より遅く起きた私は、顔を洗い、光の透けたカーテンを開けた。
昨日から干しっぱなしになっていた洗濯物を取り込み、放置していたビル清掃の作業服を
洗濯した。洗濯機がザバザバとかき回す水の音を聴きながら、朝の光が葉を照らす
植木鉢の植物達に水をあげた。
昨日のツケを清算し、清々しさを獲得した私であった。

部屋に戻り、ザ・サンデー見ながら久しぶりにわんぼる君と共に朝食をとった。

今日は、天王寺の市立美術館へ“BIOMBO/屏風”展なるものを観に行ってみようと思う。
展示は、もちろん、動物園前のエキサイティングな空気も楽しみである。
日本橋を抜けて帰ってこようと思っている。
たこ焼きが食いたい。
2007年11月5日(月)
諸作業にあたって勘の鈍りを自覚、己を叱責する事となった休み明けの本日。
結局、リハビリ的な動きで諸任務を終え帰宅し、わんぼるランチを頂いた。
(家事における諸動作にも鈍りが感じられイカンやった。)

制作にあたっては、先日の取材に基づき、画稿を練ったのだが、いまひとつ上手く行かず
部屋の空気が腐って来た様に感じられたので、窓を開けると、外は雨だった。

途中、くすんだ頭の転換を図ろうと、急にCDの棚の整理を開始、そしてコーヒー〜エスキス〜
そば茶〜エスキス、コーヒーと逃避と現実を行き来した。

PM7:00 わんぼる君帰宅の電話に助けられ、ツケを明日にまわす形で道具を片付けた。
昨日、購入してきたアンダーワールドの新譜をかけ、日照時間の減少が、俺に連れて来る不安や
憂鬱を濃厚なサウンドで“気取り”に変換した俺は、深いビートに陶酔しながら味噌汁の白菜を
洗った。天気予報では、明日は一日雨らしい。
「月曜」

第239話
「灰色の空」

第240話
2007年11月6日(火)
心配していた雨も早朝にあがり、ひんやりとした一日となった今日の大阪地方。
灰色の空の下、配達に出た私は、落ち葉の貼り付いた道を奔走した。

いつもの様に、スーパーでの買い物まで済ませて帰宅し、わんぼるランチを頂いた。
198円で購入してきたカラスカレイを晩のおかず用に煮て、昨日からの作業の続きに入った。
今日は、画稿を決定してしまいたかったので、そのつもりで臨んだ。

PM6:00 何とか、制作に入れる状態まで漕ぎ付け(100パーセント画稿を決定してしまうと、
セッションの楽しみが無くなってしまうので、その余地は残した)、本番のサイズを割り出し、
そば茶を入れた。

ニュースを聞きながら、カレイの鍋を一旦火にかけ、再び冷まし、浸み込みを強化してから
味噌汁・おひたし用の白菜、小松菜を洗った。
「昨日から今日へ」

第241話
2007年11月7日(水)
スコーンと抜けた空に、冷えた空気が心地良い天気となった本日の大阪地方。

透き通った空から届く真っ白な光は街中を照射し、ビル・街路樹・ガードレール・雑草といった
全ての構造物からは、ハイコントラストな影が一斉に伸びていた。
それらの光と影が描く鋭いラインは、昨日までの私のくぐもった頭を否応無く突き刺し、新しい今日
を蹴り込んで来るのだった。

無事、任務を終え帰宅した私は、わんぼるランチを頂くと、尻ポケットに軍手を突っ込んで部屋を出た。
ベニヤ板を買いに材木屋に向かったのだ。
帳面の中の苦悩から飛び出し、実作業に移れる事が嬉しかった。

若い衆の出払った午後の材木屋は、作業場に職人のジイさんが一人と、事務所は電話中の大将だけで、
ラジオからは、永井真理子がかかっていた。

ジイさんが選んでくれたベニヤを抱え、ベコンベコンと風を受けながら、西日が射し始めた路地を抜けて
帰った。

PM6:30 ベニヤ・角材を昨日割り出した寸法に切断し、無事接着まで完了した。
木屑の散った部屋に掃除機をかけ、真っ暗になったベランダに出て洗濯物を取り込んだ。
「今日のわたし」

第242話
2007年11月8日(木)
発狂しそうな量の到着荷物の処理で、落ち着いて順路を組む事も出来ないまま配達に臨んだ今朝の私で
あったが、何とか持ち直し、無事に任務は終わった。
今日は、キャンバス作りの予定だったが、ジェッソが無かった事を思い出し、急遽、梅田の画材屋に寄って
帰ることになった。

(梅田では、つい、本屋に吸い込まれ、写真〜美術〜建築〜雑誌と結局、ねっちりと立ち読みに耽ってしまった。
空腹にふらつきながらの帰り道、昨日ほどのエッジは無いものの、やはり光が美しく、歩道の植え込みや
立体駐車場の片隅などが美しく感じられる瞬間がおとずれたが、あいにくカメラを持っておらず悔やまれた。)

スーパー寄って帰宅し、わんぼるランチを頂き、綿布のシワ取り〜ジェッソ塗布まで完了させたところで、
わんぼる君帰宅の電話を受けた。
ニュースをつけて、炊飯を開始し、味噌汁の準備にかかった。今日はアジの塩焼きで、おひたしは、葉付きの大根
が安かったので、その葉っぱである。
「近所の店」

第243話
2007年11月9日(金)
PM6:50 キャンバス張り〜1回目の下塗りまで終え、本日の諸任務を終えた私は、わんぼる君の帰宅を
待っている。明日のビル清掃が、休みとなったので、今晩は外食する事にしたのだ。

家の裏の居酒屋に行く予定である。地元の店は、どこもリアル過ぎてなかなか入りづらい印象だったが、
以前、入ってみたその店は、思いの外、低価格(確か二人で三千円ぐらいだった)で、年配のご主人は、
品書きから想像するに、長崎県出身と思われた。
(“チャンポン”と“皿うどん”があったからだ。あまり居酒屋では見ないメニューだ・・。)
九州出身の私には少し懐かしい感じでうれしい。
高い位置にすえられたテレビのサウンドと瓶ビールが良い感じだった。

関係ないが、今日ニュースで、ひこにゃんが彦根市の住民票をもらっていた。
おめでとう! ひこにゃん!!