「土曜の朝」
第244話
不定期連載
2007年11月10日(土)
結局いつもの時間に目が覚めてしまったので、絵の続きを少しやった。
一段落しコーヒー飲みながら、みかんを食っていると、わんぼる君が起きて来たので朝メシにした。

今日は、心斎橋筋の作業着屋に軍足を買いに行こうと思う。ブックオフで立ち読みもしたい。
予報では曇りだったが、スッキリと晴れているので、カメラ持ってチャリンコで行こうかと思う。
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PM3:30
心斎橋チャリンコツアーから地元に戻った我々は、ジャスコで買い物を済ませ無事帰宅。
私は、急に、愛用のスニーカー(アシックス・ターサー)がひどく汚れている事を自覚し、
思い立ってベランダに持ち出し、桶に水をためて洗濯せっけんでゴシゴシと洗った。

想像以上に白くなったアシックスに“愛”を感じながら、夕暮れのベランダに並べて干し、
満足して部屋に戻った。
わんぼる君は、先程ブックオフで買って来たらしい漫画と共にたおれこんで眠っていた。
私はその内の“ディエンビエンフー”というベトナム戦争の漫画を開いた。

女の子の可愛さと、感傷よりも早いスピードで呆気なく進む殺戮シーンに夢中になって
読み進んだ。

PM6:00 立ち上がり、晩のおひたしの小松菜を洗った。
「“へうげもの”読み返して・・」
第245話
2007年11月11日(日)
昨夜、寝る前、漫画の“へうげもの”を読み返しました。
第3巻の明智討ちの辺りから読み始めたのですが、そこに描かれた天下取りに賭ける武将達の
並々ならぬ決意、執念、努力に改めて、私は気後れしました。

安土城〜大阪城を飾る狩野派の障壁画、パトロンに困窮する長谷川等伯、茶人を越えた政治力を
持ち始めた千利休・・。そこには、まさしくこの前の、京都の狩野永徳展で感じた“黒い”世界
がびっしりと描かれていて、以前、桃山時代の美術に子供の様に興奮していた自分は、いったい
何を見て喜んでいたのだろうと思いました。
物凄い勢いで流れ落ちる瀧を見るような思いで本を閉じ、生きていくにあたっての決意の甘い自分
を恥じました。


学生時代、染織研究室のアトリエで、助手の先生、先輩と3人で話していた時、
当時、昼夜問わず造形屋のアルバイトをしながら制作をしていた先輩が、「卒業したら、こんな生活
になるんだな・・」と言うのを聞いて、私は、大変恥ずかしい話ですが「ギャァーッ!」と叫びました。
それを見ていた助手の先生は、先輩を、「頑張る人」、私を「叫ぶ人」と指差しました。
全く、的を得た指摘でした。

この決意の弱さが、圧倒的なものに対しての短絡的な憧れと、時間差の気後れを促す原因だろう・・。
悔しかったら頑張れ!
2007年11月12日(月)
西高東低の気圧配置により、ワンランク上の寒さとなった週明けの大阪地方。
今日から制服の上着を導入した私は、寒くなった事に少し安心しながら、灰色の空の下
集金〜配達と任務にあたった。

スーパーでの買い物を終え、無事帰宅し、わんぼるランチを頂いてから、先に晩のおかずを作った。
(明日の午後がビル清掃なので、サバの煮付けを2日分作った。)

コーヒーを入れ、気分を切り替え、絵画制作の続きに入った。
画室の冷えた床が、尻を冷やすので、居間の座布団を持ち込み、制作に臨んだ。

(何故か、ずっとレディオヘッドをかけ続けた。日暮れと共に冷え込み、静まり返って行く部屋が、
そのダウナーなサウンドに支配されるにつれ、私のテンションは不思議と上がって行った。)

本日の目標地点まで手を入れ、立ち上がった私は、真っ暗になった台所に赴き、ガスコンロの火を点け、
弱火でサバを温めながら、道具を片付けた。
今日は、立派な葉付きの大根を買ってきたので、おひたしは、その葉っぱである。
ニュースを聞きながら、ボーボーと生い茂った葉を大根から切断して洗った。
「冬型」
第246話
「そして明日の準備」
第247話
2007年11月13日(火)
運送屋〜ビル清掃と任務を終えた私は、スーパーに向かった。
今日の買い物は、昨日のサバ煮があるので、おひたし用の野菜と納豆だけで、あっさりと終わった。
(おひたしには、立派な葉っぱが付いたカブが158円とお買い得だったのでそれを買った。
カブ本体は、味噌汁に入れる事にした。)

帰宅し、洗濯物をかたづけた。外は、あっという間に真っ暗になってしまった。
明日は、現時点で出来上がっている絵を、ひとまず、いつものスタジオPIXさんで撮って頂く事に
なっているので、帰ったらすぐ持ち出せる様に梱包した。

妄想が立ち込めた部屋から持ち出し、第三者に観て頂くのは初めてなので、ドキドキである
と同時に、冷静になれるのでヘルシーである。

自分のやった事をしっかりと受け止め、それでも、更に先を目指したいです。
「味噌ラーメン、そして撮影へ」
第248話
2007年11月14日(水)
運送業務を終えた私は、梅田の百貨店へと向かった。

(本日は、作品の撮影で浪速区のスタジオPIXさんに行く事になっているのだが、作品がちよっと
でかくて、運搬に困っていたところ、PIXさんの暖かい計らいで車で引き取りに来て下さるというので、
こりゃ、何かおみやげを、と思いチャリで梅田に向かったのだった。)

梅田の百貨店では、ちょうど、今日から北海道フェアをやっていた。
こりゃ何か良い土産が手に入りそうだと思い、催事場に行ってみると、偶然、敏腕ディレクターのリリーさんに
出会った。(リリーさんは、私にPIXさんを紹介してくれた凄腕のデザイナーである。)
メシは?と聞かれ、今日は、撮影の為、わんぼるランチは、お休みだったので、まだっスと答えると、
フェアのイートインで、江別の味噌ラーメンをご馳走してくれた。

(味噌ラーメン、油脂が浮かんだ熱い味噌のスープから黄色い麺を引き上げ、すすると、美味しいと思うと同時に、
その背後に広がっているトーンは、現在、私がこうしている大阪の地のものとは違ていて、上手く言えませんが、
これを食べていいのは、北の地で冷たい風に晒されている人達だけかも・・という思いが、軽い罪悪感の様な
余韻となって心にひびいた。
どうだ?と聞かれ、寒い港の風景が目に浮かびますと答えると、江別は、内陸でもっと寒いとの事だった。)

PIXさんには、リリーさんお薦めのカボチャのロールケーキを持って行く事にし、私は、礼を言って百貨店を
後にした。

帰宅し、昨日梱包した作品と共にPIXさんの車に乗せて頂き、スタジオへ向かった。
スタジオの方々を前に、緊張しながら作品の開梱〜梱包を繰り返し、PM6:00 無事、全て撮影終了した。
(遠巻きに観た自分の作品の問題点を認識しながら作品を紐がけした。)

PM6:30 再び、送って頂き、帰宅し、北海道フェアで買ってきたホッケの開きを焼いた。