「本日の私」

第271話
不定期連載
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2007年12月7日(金)
昨日までより少し暖かく感じた本日の大阪地方。運送業務を終えた私は、無事、買い物まで
済ませて帰宅した。

わんぼるランチを頂き、今日も先に晩飯の準備をした。明日のビル清掃の冷え込みに備え、
またしても、唐辛子入りの味噌汁で行く事にした。(具をサゴシにし、あとは昨日と同様にした。)

晩の下準備を完了し、図画工作作業の続きに入った。昨日までのスケッチを元に、図書館で借りて
きた教本と見合わせながら作業工程を確認すると共に、今後、起こりうるであろう問題を想定した。
今まで経験が無い作業なので、材料を調達して実際にやってみないと分からないが、気持ちだけは
前を向いて行くよう心がけたいと思いながら帳面を閉じ、ニュースをつけて洗濯物を取り込んだ。

今日から、PORTRAIT展開始という事で、どことなく気持ちが落ち着かなかったが、平静を装って
日常の諸任務に当たった私だった。
2007年12月8日(土)
本日のビル清掃は、北浜の現場にてPタイル洗浄作業だった。
午前中、予期せぬ電気工事による停電のアクシデントに見舞われたものの、何とか順調なペース
で作業は進んだ。昼前、ベテランのオッチャンを他所の現場に奪われてしまい、社員の方と二人
で残された作業に当たった。
昼飯は、ランチの告知の値段に惹かれ、現場近くの新しく出来たばかりらしき居酒屋に入った。
(私は、親子丼と小うどんのセット・500円にした。)

午後からは、二人という事もあって、挫けると一向に終わりそうにない仕事量だった。
我々は、ただ黙々と床面を洗浄し続けた。
(気が付くと、私の頭の中では、先日買ったZAZEN BOYSのニューシングルの2曲目がずっと鳴り続け
ていて、知らぬ間に、脳内へのダウンロードが完了していた事を自覚した。)

PM5:00 本日の全ての工程を無事終了した。地下から這い上がると街はすっかり日が暮れていた。
俺は仕事の達成と引き換えに得た疲労物質をチャリンコの各部に分散させながら帰路に就いた。

市役所の前を通ると、川沿いの街路樹には、たくさんのイルミネーションが灯され、それを観に
来た人達でにぎわっていた。
コートの腕を組んで、キラキラと輝く光の中を楽しそうに歩くカップルを横目に、俺は26インチ
のチャリのペダルを踏み込み、中之島新線工事の脇をすり抜けて帰った。
「イルミネーション」

第272話
2007年12月9日(日)
本日は、江坂の現場のPタイル洗浄だった。日曜の朝の吹田の街は、静かに冷え込んでいて
市内とは違った空気感が心地良かった。

PM0:30 無事、任務を終え、冷たい風が吹き抜ける江坂駅のホームから電車に乗り込んで帰った。
梅田のMUJIに買い物に来ていたわんぼる君と地下街の古本屋で落ち合い、高架下の食堂街へ赴き、
狭いカウンター席の店で500円のトンカツ定食に食らいついた。
画材屋に寄って、次の作品の下図用の紙を購入し、晩の買い物に行くというわんぼる君とわかれ、
立ち読み〜タワーレコードと巡り、何かハッとする様な情報は無いかとひとしきりうろつき回った。

PM3:30 早くも一日の終わり感が漂い始めた光を受けながら、駅からの道をトボトボと家路に就いた。
帰宅し、みかん、ほうじ茶で一息ついて、作業着を洗濯した。
「12/9の私」

第273話
「本日の私」

第274話
2007年12月10日(月)
忙しない師走の街を配達〜集金と奔走し、本日の任務を終えた私は、明日のわんぼるランチ用
の食材のみを購入して帰宅した。

本日は、かねてから楽しみにしていたZAZEN BOYSのライブコンサートの開催日なのである。
どことなく落ち着かない気持ちで、わんぼるランチを頂いた私は、食器を洗った延長で水まわり
の掃除にまで手を伸ばし、部屋の掃除機がけまでやってから、気持ち程度の作業をこなした。

現在、PM4:55 そろそろ出掛けようと思います。
「翌日の私」

第275話
2007年12月11日(火)
普段より暖かく思えた今朝の大阪地方であったが、降ったり止んだりの雨と共に、次第に
気温は下がってしまい、配達的には少々堪えた。
任務を終える頃、雨は上がり、無事、買い物まで済ませて帰宅した。

わんぼるランチを頂き、晩のサバ煮と味噌汁の下準備までやって、次回作に必要な材料を
買い求めに、難波の画材屋へと電車で向かった。店員さんのアドバイスを受け、材料の一部
を購入し、続いて心斎橋の画材屋〜ハンズと巡り、一応、材料は揃った。

PM6:15 帰宅。手洗い〜うがいを励行し、おひたしの小松菜を洗った。


・・しかしながら、昨日のZAZEN BOYS・・。
4人が繰り広げるMATSURI SESSIONは、我が家のサウンド・システムでは決して味わう事の
出来ない、音の一つ一つが確実なベクトルを持って飛び交う非常に立体的な刺激だった。
予測不能な間合いで、一瞬にして混沌と整合性を形成する様は圧巻の一言だった。

またしても、私の憧れと嫉妬を軽々と飲み込みながら、向井氏を中心に展開される独自の
アイデアに溢れたプレゼンテーションには、悔しいけれど、やられっ放しだった・・。

これ以上、置いて行かれたくなかったら、頑張れ、俺・・!
2007年12月12日(水)
AM5:35 朝食のリンゴを剥いていると、わんぼる君がスッとケータイの画面を差し出して来た。
見ると、そこには、我々がいつも楽しみにしているHP“今日のわちち”の作者、“きくちっく”画伯
によるデコメールが映し出されているではないか・・!!

さらりと書かれた仮名文字にハッとし、お馴染みの“きくちさん”のさり気ない太ももが、私の感情を
ゾクッとざわめき沸き立たせた事は否定できなかった。
モバイルの市場に出現した、一見、和みな画伯の新展開に鋭角な何かを感じたのは、私の気のせいでは
無かったと思う。朝の冷たさと相まって、凛とした美しさでした。

本日も私は、先週末からの“PORTRAIT展”開始以降、小作品2点の出品ながら、依然として、情けなくも
心ここにあらずな状態が正直なところ続いており、そんな自分の精神的な弱さが嫌だった。
何とか無事に、配達〜買い物を終え帰宅した。

わんぼるランチを頂き、晩の味噌汁の下準備までやって図画工作作業に入った。
今日から、暖かい居間での帳面上の構想的作業から、冷えた画室での実作業へと移ったので、レッグ・
ウォーマーと腹巻を着用して作業に臨んだ。久しぶりの実作業は、埋没し始めていた己の心を発掘していく
様で嬉しかった。

PM7:15 わんぼる君帰宅の知らせを受けて、本日の目標地点までとりあえず到着した私は、葉付きのカブを
洗い、葉と実を切断した。今日は、ホッケの開きを買ってきた。大根の代わりにカブをおろそうと思う。
「ハッとしました」

第276話