「水菜と平アジ、そして格闘。」

第303話
不定期連載
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2008年1月8日(火)
少し暖かく快適な天気となった本日の大阪地方。着々と十日戎の準備が進んで行くのを横目に、北区の
街を配達に勤しんだ。

無事任務を終え、スーパーへ向かうと、野菜コーナーの平台には、太い茎がビュンビュンと伸びた
威勢の良い奈良産の水菜が山積みになっていた。
どうやら、グラム単位で値段が付いている様だったので、今晩と明日のわんぼるランチの分を考慮して
612グラム・293円のやつを選んだ。
鮮魚コーナーには、刺身にするのに大変良さそうな京都産の立派な平アジが輝いており、一匹399円という
値段がついていた。すぐとなりには、二匹298円の丸アジが並んでいて、塩焼きにするには良さそうだった。
結局、気概溢れる平アジの魅力に押され、前者を手に取り、板さんのいる窓口に差し出し、三枚卸しの皮引き
までやって頂いた。

帰宅し、わんぼるランチを頂き、ほうじ茶飲んでから、晩の味噌汁のダシをとりながら食器を洗った。

米研ぎまで終えた私は、レッドツェッペリンをかけ、“移民の歌”で画室へと入った。
ピラニヤ刃の鋸とオルファ・カッターで各部材と格闘した。加工作業2日目とあって、だいぶ部材加工のコツが
つかめてきた。

PM6:30 わんぼる君帰宅の連絡を受け、炊飯を開始しながら、本日の目標地点まで到達し道具を片付けた。
2008年1月9日(水)
本日も暖かい天気となった大阪地方。連日、準備が進んでいた“えべっさん”もいよいよ今日から始まり、
普段は、閑散とした神社前の通りには、提灯と出店が立ち並び、見事な参道と化していた。
通行止めにより、混み合う周辺道路をかいくぐり、配達に奔走した。時折、早くも笹を持って参拝に
向かう商売人達とすれ違いながら業務に勤しんだ。

無事、任務を終え、スーパーに寄って帰宅。
わんぼるランチをありがたく頂き、ほうじ茶飲んで、晩の味噌汁のダシをとりながらイワシを煮た。
(今日のイワシは大振りで、腹ワタを取ると卵や白子がたくさん入っていた。他の命を奪って生きている俺だった。
かなり鮮度が良かったので、梅干しを入れずに煮てみた。)

煮付けが完了すると、今日も、ツェッペリンの“移民の歌”をかけて始業のサイレンとし、制作に突入した。
「本日のわたし」

第304話
2008年1月10日(木)
“えべっさん”真っ只中の関西地方。大阪市北区の神社周辺は、笛や太鼓の音が鳴り響き、行き来する
参拝客と通行止めによる混雑とで、更なる盛り上がりをみせていた。

本日も、それらの混み合いを掻い潜りながら、無事配達〜集金と任務を遂行し、スーパー〜米屋と巡り、
温暖化時代の米どころ、北海道の安価で良質な“ほしのゆめ”5kg(1890円)買って帰った。

わんぼるランチを頂き、晩の味噌汁の下準備までやって、図工作品の制作の続きに入った。
本日は、部材の加工作業から、いよいよ組み立ての工程へと移った。
(自分で作った部材を使って、形を組み上げて行くのは、思っていたより楽しい作業だった。)

PM7:00 本日の目標地点まで辿り着き、部屋を片付け、カブ菜のおひたし〜平アジの塩焼き作業を遂行した。
「本日の作業報告」

第305話
「“菊姫”〜えべっさん最終日」

第306話
2008年1月11日(金)
“えべっさん”最終日となった本日。無事、配達業務を終了した私は、スーパーでの買い物を済ませ、西区の
地酒センターへと向かった。
昨日、川崎の従兄弟から、さり気なくお子様誕生のお便りを頂いたので、御祝いに酒でもと思ったのである。

地酒といっても、そのほとんどが飲んだ事の無い酒ばかりで、何が良いのか困ってしまうが、地酒センターには、
地下にセラーが備えてあり、そこで試飲が出来るのである。

川崎の従兄弟は、3年前の夏に祖母の葬式で会った時は、焼酎を愛飲していたが、確か何でも好きだったはずである。
今の季節やったら、日本酒の方が美味しいなぁと思い、店のおっちゃんの案内を受けながら、試飲可能な銘柄の
ラベルを端から見ていった。
残念な事に、その大半がアル添酒だった。その中で最初に目に入った純米酒の試飲を申し出た。

バイト終了後の空きっ腹の状態で、正常なジャッジメントが出来るか不安だったが、それを口に含むと、
きりっと冷たい雪が徐々に解けて、菜の花の様な、ふんわりとした印象を残しながら消えて行き、その広がる余韻
に思いを馳せました。

私は、半ば心を決めて、産地等をたずねました。
石川県の“菊姫”(山廃仕込み)とのことでした。女の子誕生とのことだったので、こりゃいいわと思い、のし紙〜発送
まで頼んで、支払いをして店を出ました。
帰り道、えべっさん最終日ということで、地元の戎神社に寄りました。参拝を済ませ、笹を見ましたが高くて買え
なかった。店のアンちゃんに相談すると、笹に付けるアイテムだけでもいけるとの事だったので、小さな“福箕”を
買って帰った。
2008年1月12日(土)
結構な雨で始まった本日のビル清掃、豊中の現場・エアコンフィルター洗浄。
屋外での洗浄作業に入る頃には、丁度、雨は弱まり、順調に工程を進めることが出来た。
無事、取り付けまで終え、社員の方々と昼メシ食って(私はハヤシライスにした。)
昼前に、現場を後にした。

我がホームタウンのTSUTAYAでわんぼる君と合流し、商店街の喫茶店でコーヒー飲んでジャスコに寄って帰った。

帰宅し、晩の米研ぎ〜味噌汁のダシをつけるまでして、玄米茶入れて、作業に入った。
今日は、組み立て作業の終わった工作部材の最終調整をし、ついに図画パーツと接合した。
何とか、形となって現れた図工作品に胸をなでおろし、道具を片付け、台所のわんぼる君の援護に入った。
本日は、京都産ツバス・298円の刺身に、納豆、小松菜のおひたし、ニンジン・さつま芋・白菜・なめこ
の味噌汁である。
「本日の作業報告」

第307話
2008年1月13日(日)
本日のビル清掃、一発目は、東高麗橋の現場にてPタイル洗浄だった。ひとまず午前中に仕上がり、
ホカ弁の昼食(私は、のり弁大盛りにした。)〜休憩はさんで、北浜の現場に入った。

PM2:30 全工程終了し、北浜を後にした。
休日の人気の無いオフィス街を、ペダルを漕いで進み始めると、微かな粉雪が舞っていた。
土佐堀から、市役所、堂島と抜けて帰った。カキンカキンに冷えた空気は、昨日までの雨の後とあって
清掃直後のガラスの様な抜群の透明度で、街に光を届けていた。
川沿いの金網の脇に生えた雑草の葉が光に透ける色彩や、人や車がほとんどいない道路に一直線に描かれる
光と影には、少しだけ春が近づいている様な明るさがあって、鼻水が凍りそうな寒さではあったものの
心に希望が感じられて嬉しかった。

部屋に帰り着き、洗濯機の水にヤカンの湯を加えながら洗剤を溶かして、作業着を洗濯した。
作業を終え、コーヒー入れて、図工作品の仕上げに入った。

PM7:00 最終パーツを装着し、日付とサインを入れ、何とか完成に至った。
鉄腕ダッシュ見ながら、わんぼる君が作ってくれた晩メシを頂いた。
(味噌汁には、十三の神社の市で買って来たという手作りこんにゃくが入っていた。)
「本日のわたし」

第308話