「冷たい雨の日曜日」

第315話
不定期連載
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2008年1月20日(日)
正午過ぎ ビル清掃を終えた私は御堂筋線に乗り込み、小雨がぱらつき始めた江坂の街を後にした。
梅田の阪急脇の食堂街で、立ち食いそば屋のカレーライス・380円を食い、少し立ち読みして帰路に就いた。

駅からの帰り道、折りたたみ傘をさして歩いていると、向こうからどこかで見たことがある人が歩いてきた。
わんぼる君だった。商店街の八百屋へリンゴを買いに行くとの事だった。朝が早かった私は、部屋に帰り、昼寝した。

PM3:30 ピコピコタイマーを止め、コーヒーを入れた。レッドツェッペリンの“アキレス最後の戦い”をかけ
味噌汁のさつま芋〜おひたしの小松菜を洗った。スピーカーから流れるギターリフの加速と共に、蛇口からの
水は冷たさを増して行き、私は狂乱の形相で小松菜の茎を掻き分け土を洗い流した。

一通り下準備を終え、先日の図画工作作品の梱包作業をした。
外は、冷たい雨が降り続いていた。明日のトラックの運行が雪で遅れない事を祈る。
本日も冷え込んだものの、心配していた雪の被害もなく無事、運送業務を終了した。
今日は午後から北浜のガラス清掃だったが、私、昨晩より嘔吐、腹痛と
体調が思わしく無く、ノロやったらやばいと地元の病院に寄った。
ドクター曰く、今年に入ってから私の様な症状の患者が多いらしく、
風邪との事だった。
1時間の点滴を勧められ、思いの外、良い休息となった。
だいぶ救われた気分で病院を出て、
高架下のうどん屋で月見うどん食って北浜へ向かった。

PM4:30 無事、本日分の任務を終え、ペダル漕いで帰って寝た。

(晩飯は、わんぼる粥を頂きました‥感謝)
「本日の私」

第316話
2008年1月22日(火)
点滴とわんぼる粥のおかげで吐き気も治まった今朝の私。朝食は、わんぼる粥に梅干・バナナ・
ヨーグルトを食って、ウイルスとの格闘で失われた電解質を補ってから職場へと向かった。

冷え切った北区の街での配達業務を完了し、天満のセルフのうどん屋で、かけうどん・温泉卵・
ごはんをかっ食らい、昨日からの北浜のガラス清掃の続きに赴いた。

PM4:30 与えられた任務を無事終了し、スーパーへ向かった。
鮮魚コーナーや、ハードな野菜類には不思議なくらい興味がわかなかったので、今晩は、白菜の
味噌汁、冷凍ごはんで行く事にし、わんぼる君のリクエストの冷奴用の豆腐と、味噌汁用に
麩を買って帰った。外は冷たい雨が降り始めていた。
「今日の私」

第317話
2008年1月23日(水)
私の淡い願望も空しく、予報通り冷たい雨で始まった今朝の大阪地方。
配達の目途が立つ頃には、おおかた雨も上がり、無事任務を終え帰路に就いた。

今日も腹の調子が読めなかったので、わんぼるランチはお休みにしてもらっていた。
いつもの帰り道の裏手にあった“麺類 丼物”と書かれた食堂に入り、調子を考えた結果、
玉子うどん・ごはん(小)を頼んで、体温維持で奪われた熱量を補った。

スーパーに寄ったが、いつも買っていた野菜や魚がえらくごつく見え、恐ろしかった。
私の朝食用にバナナ、ヨーグルトと、わんぼる君の晩飯のリクエストの豆腐(こんなんで大丈夫なんかい!?)
を買って、様々な食品が放つ覇気から逃げる様にして店を出た。

帰宅し、ストーブの前で暫し鎮座し、梱包資材屋の大将に電話して、作品梱包用の段ボールを頼んで
布団敷いて寝た。
「本日の作業報告」

第318話
2008年1月24日(木)
みぞれまじりの雨で始まった今朝の大阪地方。“聞いて無いよーッ!!”と配達を開始すると
雨は止み、濡れた路面は、キラキラと青い空を反射し始めた。カーンと冷えた街に朝の光がまぶしかった。

結局、晴れ・時々雪となった北区の街を配達業務に奔走し、無事、任務終了。
スーパーに寄り、豆腐を買って路地を抜けて帰った。
長屋の前に置かれた鉢植えには、黄色のチューリップのつぼみが白い光を受けていた。
小さな雪の粉が逆光に透けて輝く高架下をくぐり抜け、最後の直線道路に出た。冬と春の間で生きている俺だった。

部屋に帰り着き、白菜・キャベツ・餅・卵を入れた味噌汁をつくり、冷凍ごはんチンして食った。

晩の味噌汁の下準備をしていると、梱包資材屋の大将から連絡が入った。
ジャンバーを着て下に降りると、大将が笑いながら日産キャラバンから降りて来て、注文していた段ボールシートを
ハッチから取り出した。さらに、工場に長さ2メートルの端切れがあったので、サービスして下さるとのことだった。
申し訳無さで一杯になりながら、何度もお礼を言って、風に煽られながら段ボールを運んだ。

部屋に戻ると、作品の撮影を依頼していたスタジオPIXさんから本日、撮影して下さるとの知らせが入った。
用意していた作品2点を持って浪速区のスタジオへと向かった。

撮影は順調に進み、PM6:30 無事終了となった。帰り際、カメラマンさんから、かの秀吉公が茶会に用いたという
守口大根の奈良漬を頂いた。何でも、古来の製法に基づいた渾身の作とのことだった。

今日も人の間で助けられて生きている私だった。
「雪の本日」

第319話
2008年1月25日(金)
今日は、日本各地で凍える寒さになったとの事。ここ大阪も寒さ更新となり、昨日より一歩踏み込んだ
冷たい空気は、むしろ新鮮な世界で、不思議とハイテンションな運送業務となった。

任務を完了し、買い物を済ませ、給料日恒例の各種払い込みに金融機関をまわった。
部屋に帰り着き、本日も、白菜・キャベツ・餅・卵の味噌汁で暖をとった。

我が運送会社の最寄の営業所に連絡を取り、来週の作品発送についての集荷の予約をしてから、
出品作品のリスト作成の為の採寸も兼ね、部屋の隅に立て掛けてあった作品を並べた。
展示が差し迫った状態で、おのれの作品と向き合うのは、正直不安の方が大きかったが、只々、採寸〜梱包と
作業を繰り返した。

PM7:30 わんぼる君帰宅の知らせを受け、下準備していた味噌汁(大根・ニンジン・さつま芋)の鍋を火にかけ
これに、白菜・キャベツを加えた。(更に、餅・卵・わけぎを入れるつもりである。)
「今日の作業報告」

第320話