「今日のわたし」

第331話
不定期連載
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2008年2月5日(火)
配達〜買い物と任務を終え無事帰還。
アンプリファーの電源を入れ、アンダーワールドをかけ、そこから打ち出される高揚感に助けられながら
買ってきたアジを冷蔵庫に仕舞った。

部屋着に着替えながら、私は急に思い立ち、更なる音響を求めて、スピーカーの位置を変えてみる事にした。
善は急げと、いざ手をつけたものの、スピーカーの背面はホコリだらけだったので一時中断し、わんぼるランチを
頂き、晩の味噌汁の下準備までやってから、掃除機を持ち出し、セッティング作業を再開した。

おかげで、以前より広がりのあるサウンド空間を獲得出来たが、隣近所の苦情に怯えた私は、結局、音量を絞って、
帳面を広げ、エスキース作業に取り組んだ。
(気になった風景があったので、記憶と感情が薄れてしまわない内に、メモ描きをもとにスケッチ帳に描きとめた。)

PM6:30 わんぼる君帰宅の知らせを受け、おひたし用のカブ菜を洗い、魚グリルの網に水を入れた。
今日は、平アジの塩焼きである。
「2/6(水)」

第332話
2008年2月6日(水)
依然として冷え込む北区の街を配達業務に奔走し任務終了。スーパー寄って、大根と明日のわんぼるランチ用の
小松菜・手羽元〜水2リットルを購入し、帰宅した。

ZAZEN BOYSかけて、冷蔵庫からわんぼるランチを取り出し、その空いたスペースに手羽元を仕舞った。
大根・白菜・大根葉を入れた味噌汁を作り、集中力とガッツで頂いた。
(昨晩の平アジの骨が、喉にずっと引っ掛かっていて、ご飯や固形物を飲み込む度にはずそうと、イメージと
テクニックを駆使してみたが、ダメだった。まぁ、いずれ消化酵素ではずれ落ちて行くだろう。)

食器洗い〜台所掃除を完了し、コーヒーを入れた。今日は、今からチャリンコに乗って京町堀のギャラリーゼロさん
へ柳澤 顕さんの展示を観に行きます。
パソコンで描いた絵をキャンバスに描いているとのこと。どのようなテクニックで変換されているのか大変楽しみ
であります。
2008年2月7日(木)
無事、配達業務〜買い物と任務を終え帰宅。わんぼるランチを頂き、晩のサバ煮〜味噌汁の下準備までやって、
西区の行きつけ写真屋へノートリミングのプリントをしてもらう為、チャリンコ漕いで向かった。
(外は雪まじりの雨だった。)

いつもの写真屋に到着し、店内に入ると、スカーンと広くなっていた・・。聞くと、いつもお世話になっていた
ネガフィルムのプリントマシーンが壊れてしまったそうで、これからは、デジタルのスキャナーとプリンターで行く
とのことだった。どうしようか困ったが、せっかく来たので、デジタルマシーンによるプリントを頼んだ。
店のおっちゃんと二人で、暫く、色調〜濃度の調整に勤しみ、霧がかった画像から、脳に残ったあの時の色彩を取り
戻して行った。デジタルと言えど、一枚一枚、調整して獲得した色彩には、喜びと達成感があった。

PM6:50 無事、部屋に帰還し、炊飯を開始して、おひたしの小松菜を洗った。
「2/7(木)」

第333話
2008年2月8日(金)
いつもより気持ち寒く感じられた本日の大阪地方。無事、配達業務を終え、スーパーに寄ると、鮮魚コーナーの
氷が敷かれた平台の上には、大分産の太刀魚がなんと1匹398円の値を掲げられて並んでおり、文字通り、刀の様な
出で立ちで、ビカビカに輝いていた。

板さんに、たずねると、刺身でも充分行けるとの事だったので、傍らに置かれたトングで、ガバーッとそのスゴイ面構え
を睨みながら掴み上げ、入るわけの無いビニール袋に辛うじて納めて、差し出した。

無事、三枚卸しにして頂いた太刀魚と、小松菜が入った袋をチャリンコのカゴに乗せ、今日は、ポン酢にもみじおろし、ネギ
刻んで乾杯やっ!とハイテンションでペダル漕いで帰った。

太刀魚のギンギンな輝きに触発された私は、我が家のROCK宝物殿から、AC/DCのDVDを取り出し、部屋中に耳をつんざくギター
サウンドを撒き散らし、わんぼるランチの用意を開始したのでした。


追伸:本日から、中板橋のrojicafeさんにて、展覧会、「アイ ドント クライ」が始まりました。
天気予報によると、明日の東京は雪とのこと。一週間前の搬入の日が思い出されます。
私は、明日は豊中の現場にてビル清掃です。大阪も、予報では雪となっております。
豊中、寒いやろうなぁ。まぁ、これも一興。頑張ってきますわ・・。展覧会、よろしければ、ご高覧下さい。

・rojicafeさんの営業は、金・土12:00〜22:00(16:00〜18:00一旦閉店)、日曜11:00〜20:00で、
2/11(月)はお休みとなっておりますのでご注意下さい。

rojicafeさんの“ロジ・メールマガジン”(2/7配信分)に展覧会についてのインタビューが掲載されておりますので、
そちらも、よろしければご高覧下さい。
「太刀魚に触発されて」
第334話
2008年2月9日(土)
今朝は心配していた雪もなく、やっぱ大阪で雪って滅多に無いな、と思いつつ、一応、雨に備えて傘持って、本日の
ビル清掃現場へと向かった。
今日は、豊中の現場・照明器具の清掃だった。午前中は社員の方と三人で任務にあたった。窓の外はいつの間にか白い
雪となり、どうやら予報は当たった様だった。

AM8:30 一段落し、駐車場のハイエースで休憩となった。どんどん雪で白くなって行く地面をガラス越しに眺めながら、
ダブルステンレスボトルに入れて来た日東紅茶を飲んだ。ラジオからは、山下達郎が流れていた。

AM11:00 午前中の作業を終え、現場の1階にある食堂で早めの昼食となった。
(本日は、社長の暖かい心遣いにより何でも好きなものを食べても良いという夢の様なランチだったが、最近、歳のせいか、
油モノの消化が思わしくない私は、食後の身を案じ、親子丼とうどんのセットにした。)
豊中の山間にしんしんと降る雪を眺めながら親子丼を食らい、うどんをすすった。湯呑みのお茶を飲んで、食堂を出た我々は、
休憩場所である駐車場のハイエースへと歩いた。 雪が更に降り積もった風景は、白く明るかった。

駐車場のハイエースのスライドドアに手をかけると、横にいた社員の方に雪の玉が飛んで来た。見るともう一人の方がしゃがんで
笑いながら雪をかき集めている・・。俺には来んやろう・・と思っていたらパシッと雪玉が当たった・・。横にいたはずの方から
だった。こりゃ、戦闘開始やな・・。俺は腹を括った。社員の方のうち一人は、元野球部である・・。もう一人はビニール手袋を
装着しようとしている。俺も尻ポケットのマイ・ビニール手袋・厚手Lに手をかけ、走って車の陰に隠れた。

バンパーの陰から眼に映る自然豊かな豊中の樹々は降り積もる雪で白く美しく、思わずケータイで撮りたくなったが、
戦場で小鳥をスケッチしていて被弾した“西部戦線異状なし”の主人公のことが思い出された。
私は、己の置かれた状態を再認識し、弾薬の補給、敵の情報収集、自分が取るべき行動、推測されているであろう次の行動〜
それに対してのフェイントとその逆と思考を巡らせながら、身を潜め、走り、投げ、真逆に走り、止まりながらチャンスを窺がった。
時折やって来る、敵の一人がもう一人に当て歓喜している状態に走りこみ、投雪、そして着弾した時の喜びは何か知らんが、
生きている実感の様な喜びがあり、私が普段見たことが無い二人の表情は、友達が居ないに私には、雪玉以上に胸に突き刺さって
来て嬉しかった。

こうして、我々は、休憩時間を全て雪合戦に費やしてしまい、スキーの後の様な全身の疲労感に懐かしさを感じながら
午後からの応援に駆けつけた社員の方達と合流し、職務へと戻ったのだった。
「二月・豊中雪上訓練」

第335話