「2/15」

第341話
不定期連載
BACK NUMBER
TOPへ
GALLERY
2008年2月15日(金)
冷たい風となった本日の大阪地方。時折射す日の光は、以前より確実に明るく、日毎、存在感を増しつつある目のかゆみ
と共に春のざわめきを感じさせた。
配達〜集金と無事、任務を終了し、スーパーに寄って、島根産の平アジ・398円に大根、キャベツ、それとおひたし用の
小松菜を買って帰った。

ベランダで冷たい風に吹かれながら制服を洗濯し、TVのチャンネルを変えながら、わんぼるランチを頂いた。

今晩は、平アジを塩焼きにして、味噌汁は、さつま芋とキャベツに大根葉を入れようと思う。
2008年2月16日(土)
AM10:00 応援で赴いていた東高麗橋のカーペット洗浄が一段落着いたところで、私は、作業着の上に青灰色の
マイ・ジャンバーをはおり、次なる難波の現場へと、ガラス清掃に向かった。雪がちらつく今橋を越え、北浜から
堺筋線に乗り込んだ。

PM1:00 冷たい風が吹き抜けてゆくガラスのエントランスの透明度を無事、奪還した私は、達成感と同時に手に入れた
空腹を抱え、午後の光になった高架下を歩いた。現場近くの定食屋に入り、豚汁・とり天・ごはん(大)をかっ食らった。

上昇する血糖値の中、地下鉄の暖かいシートが加速させる眠気におそわれながら帰路に就いた。
スーパーに寄ると、土曜日のせいか、鮮魚コーナーはイマイチだった。結局、千葉産イワシの若干し(4匹198円)なるもの
と、しろ菜、さつま芋を買い、図書館で、取り寄せを受け取って帰った。

イワシはしょっぱそうなので大根おろしを多目にしようと思う。


追伸:rojicafeさんでの展示、明日で最終日となります。
我々も月曜日の搬出に向けて、明朝、上京いたします。今回の展示が、少しでも、rojicafeさんのやさしい空間、
そして、休息に訪れたお客様の何か、薬味の様なものになれたなら、それ以上望むことはありません。
反省点は、多々ありますが、搬出〜掃除と展示が全て終了するまでは、ここ大阪で思い描いたエスキースを全うして
参ります。
                                        最終日前夜 内野ジゴクペイント代表 内野清隆
「本日の私」

第342話
2008年2月17日(日)
AM6:32 JR新大阪発 のぞみ80号乗車。
列車は大雪の米原を徐行。名古屋以降雪は消え、澄み渡った青空に美しい稜線と裾野が広がる富士山を眺め、
AM9:17 10分遅れで東京駅到着。
駅構内地下のパン屋で明日の朝メシを買って、常盤台の宿へ。

AM11:00 荷物を宿に預け、rojicafe到着。

オーナー・スタッフの方々にご挨拶し、2週間振りの2階へと上がった。
芳名帳をめくると、お忙しい中、足を運んで下さった方々のお名前が記されており、感謝と共に申し訳無さで胸が
詰まりました。週末営業となったrojiさんは、食事と休息に訪れたお客様で、早くも一杯で、その空気を邪魔する様に
思われた我々は、まずは、1階席でrojiランチを頂く事にしました。

1階席、レジ前に座っていると、何と、支払いのお客様が、わんぼる君謹製のマルチプルを手にしているではありませんか。
ここは、やはりお礼をと、立ち上がりご挨拶すると、有り難くもブログを見て足を運んで下さったとの事。
驚きと感謝で、頭が上がりませんでした。
その後は、次々と現れる熱い心を持ったアーティスト(すなわちライバル‥)の方々との“対陣”の時間となりました。
ひたすら語り(自己弁護し)、酸欠になり、お見送りに駅まで歩き、諦めと希望を語らい、戻り、また語りとするうちに
西日となり、いつのまにか日は暮れてゆきました。

今回、わんぼる君謹製のマルチプルも思いの外、好評を得て、我々、感謝・感激でありました。
そして、何よりも、同じ暗闇を歩くライバルの方々からの温かい申し出“作品購入”が、我々とrojicafeさんを奮い起たせて
下さった事は間違いありません!! 我々は、いよいよ頑張らねばならなくなりました。
日が沈み、最後のお客様をお送りし、PM8:30展示は幕を閉じました。

今回は、宿が常盤台、搬出が明朝という事でオーナー、スタッフの方々との飲みが始まりました。
麦味噌がかかった“はす芋”のおひたしに始まり、ポテトサラダ、鶏鍋と、どれも美味いしく、大阪から持参した山廃純米
の菊姫は一瞬で無くなり、次々と開く黒ラベル・ロング缶で我々は語らい、聞き入り、笑い続けました。


AM1:00 思い出が爆発しそうな頭を抱えながらふらつき帰った我々は、訳の分からんままシャワーを浴びた。

結局、私は、人とのコミュニケーションにおいて、お互いの事を何も知らずに、妄想をリンクさせながら泣いたり笑ったりして
いるのかもしれないと思った。今日は酔いのせいか、嬉しい気持ちでソワソワしてしまい、喜びと寂しさを行ったり来たりし
ながら慣れない枕で最適な睡眠の体勢を探して眠りに就いた。
「展示最終日」

第343話
2008年2月18日(月)
AM6:30 起き上がり、シャワーを浴びた。

ズームイン見ながら、湯を沸かし、家から持参した紅茶を入れて、リンゴを剥いた。
昨日、東京駅で買ってきたパンを食って、チャンネルをNHKにし、わんぼる君が見る“ちりとてちん”を歯を磨きながらみた。

AM9:30 搬出に向け出動。環七通りはトラックが行き交う日常モードになってしまっており、今日が、月曜である事を改めて
感じた。澄んだ空から射す光は、緯度・経度のせいか青白く、関東特有のシリアスな趣きで、今日も私の横隔膜辺りをえぐって
来たが、あまり気にしない様に努めた。

rojicafeに到着し、昨日うまく撮影できなかった会場風景を撮影し、絵を取り外し、元の梱包材に包んでいった。
電気なしでも充分明るい、平日朝のrojicafe二階は、穏やかで静かだった。

PM0:30 掃除まで完了し、お見送りを受けながら、作品を発送し、無事すべての工程が完了した。
何度言っても言い足りない気持ちで御礼をのべ、我々はrojiさんに暫しの別れを告げた。

今日は、わんぼる君を通じて知り合ったアーティストの吉田和夏さんが偶然今日から展示を開催しているとの事だったので
曙橋のギャラリーに向かった。(後で知ったのだが、何でも、我々のお気に入りアーティストきくちっくさんとも盟友との事。
更に驚いたのが、5月にrojicafeさんの壁画展に参加する事になっているらしく不思議な繋がりには驚くばかりでした。)

吉田和夏さんの展示、素晴らしかったです。アイデア・技術・何より透き通った感性・ユーモア。(わんぼる君購入してました。
僕だって自分でバーンと買いたいところなのですが、なんせ・・なので・・。実は、吉田さん既にプロ選手なんです。)

とてもきれいな気持ちで曙橋をあとにした我々は、私用で日暮里の布地問屋街に赴き、暫しうろつき回りました。
(僕は、春めいた色合いのチェック柄を探していたのですが、何故か、ちょっと寂しげにも見える小さなクローバー柄の
布地を買ってしまいました。)

PM4:30 早くも、日が沈み始めた問屋街を抜け、わんぼる君の好きな駅前の手打ち麺屋“馬賊”でビールに餃子、坦々麺
で乾杯! 遅めの昼食をとり、PM6:13 のぞみ69号にてわが街・大阪へと帰りました。

地元の駅から帰り道、考えてみれば、昨日の朝、ここを歩いたのに、ずいぶん前の事の様に思えます。
次に動き出すには充分過ぎる魅力あふれた二日間でした。

さまざまな出会いに心から感謝です!!
「展示搬出日」

第344話