「2/24」

第350話
不定期連載
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2008年2月24日(日)
晴れ時々雪となった本日の大阪地方。東大阪の現場にてエアコンフィルター〜Pタイル・カーペット洗浄作業にあたった。

明るい光に、粉雪が舞う中、ビル管理会社の方の立ち会いのもと、ジェット水流でフィルターを洗っていった。きれいに
なったフィルターを日なたに並べていると、管理会社の方が「陽射しは春やで・・」とつぶやいた。

冷たい空気が、温かな光に少しいじけている様に思えた。
2008年2月25日(月)
週明け月曜の北区の街を配達・集金と奔走。本日も大阪地方は冷え込み、晴れ間に雪が舞っていた。

任務を終え、営業所近くの定食屋で、アジフライ・マカロニサラダ・豚汁・ごはん(大)をカッ食らい、給料日恒例の各種
払い込みをしながら、北浜へとガラス清掃に向かった。

思いのほか陽光はあたたかく、仕上げたガラスは、次々と午後の光を透かして行き、その明るさは次の動作への励みとなった。
予報では、明日は雨だと言っていたので、通常の目標地点・プラスアルファまで到達し、ひとまず達成感を得て北浜を後にした。

日が沈み始めた夕方の街は依然として寒かったが、西の空の明るさは、心に希望を与えてくれた。

帰宅し、“ナンバーガール”の“omoide in my head”を部屋中に響き渡らせ、西日に喚起された希望を拡散してから、
おひたしの小松菜を洗い、納豆をかき混ぜた。今日は、6匹298円で手に入れた鳥取産のハタハタを焼こうと思う。
「2/25」

第351話
2008年2月26日(火)
思っていた程でもない雨で始まった本日の運送業務。最悪を想定していた私は、ひとまず胸をなでおろし、北区の街を
東西南北、奔走した。

無事、任務を終え、いつもの定食屋で、いか天・わかめ酢・ポテトサラダ・ごはん(大)・味噌汁を食って、北浜の現場へ
昨日のガラス清掃の続きに赴いた。

作業を始めると、ついに雨は本降りとなり、その薄暗さのせいか、透明度を取り戻して行くガラスのエントランスは、
いつにも増してシリアスな趣きとなって行った。

PM4:30 道具の片付けまで完了し、日常清掃のオバチャンがくれた、サイコロキャラメルを食いながら、合羽とさすべえ
(関西特有のチャリンコ用傘取り付け器具)で完全武装してペダル漕いで帰った。
本日は、わんぼる君がお休みだったので、買い物が免除されており、その開放感のせいか、結構な本降りの視界と聴覚が
ある種遮られた状態での、雨具を着こんでのチャリ漕ぎは、軽い催眠作用の様な危なさをはらんでいる様で、ボーッと
していると自分がどこに向かっているのか分からなくなりそうだった。
「2/26」

第352話
2008年2月27日(水)
無事、本日の運送業務〜買い物まで完了した私は、すぐに止みそうな雨がパラつく中、ペダルを漕いで帰宅した。
わんぼるランチを頂き、米研ぎ〜味噌汁の下準備まで終え、部屋を出た。
(マンションの玄関脇には、管理人のばあさんが生けた花が西日に透けていてきれいだった。)

通りに出ると、雨はいつの間にか止んでいて雲は冷たい風に流され、薄い水色の空を覗かせていた。

電車に乗って、梅田に赴き、百貨店で写真の台紙を10束買って、タワレコに寄った。
試聴コーナーのスキッとした写真のジャケットに足が止まった私は、かぶっていたニットキャップをめくり、耳にヘッド
フォンをあてた。店内の音で良く聴こえなかったので、ヴォリュームを最大にすると、そのサウンドから頭の中に広がる
風景は、みずみずしくクリアーで、日常に埋没していきそうな、すぐに見えなくなる何かがそこにはある様に思いました。

真っ暗になってしまった駅からの道をかえり、買ってきたそのCDをかけて、未整理のまま堆積していた写真を台紙へと移した。
台所のスピーカーの前では、立掛けていた本日の小松菜が、その振動で揺れていた。
今晩は、258円で買ってきた生のニシンを焼きます!
「2/27」

第353話
2008年2月28日(木)
本日も社会の健全な営みに貢献すべく、私は立ち上がり、密封された情報を小脇に抱え大阪市北区の街を奔走した。

与えられた任務を全うし、それを己の生活の維持にあてがうべくタイムカードに打ち込み、スーパーマーケットへ向かった。

無事、帰宅し、感謝と共にわんぼるランチを頂いた。晩飯の味噌汁の下準備(ニンジン・新ジャガイモ・大根をダシで煮ました)〜
サバの煮付けまで完成させ、パソコンの電源を入れ、先日の「アイ ドント クライ」展の画像と文章による報告ページの作成に
入った。

PM7:30 首筋の痛みと代償に完成した新ページを保存し、昨日購入してきた“レオ今井”氏のCDをかけて立ち上がり、俺は炊飯を
開始し、納豆のネギを洗った。
「日常の更新へむけて」

第354話