「月曜の俺」

第365話
不定期連載
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2008年3月10日(月)
そぼ降る雨で始まった週明け月曜の大阪地方。腹を括り配達に出た私でしたが、幸運にもその後雨は降らなかった。
集金〜配達と無事任務を終え、スーパー寄って帰宅。

キャベツの味噌汁を作り、ミヤネ屋見ながらわんぼるランチを頂いた。ガッツで食い終え、ほうじ茶飲んで立ち上がり、
わんぼる君のくるりのCDをかけて、晩の味噌汁の下準備〜2枚卸しにして貰って来た静岡産のサバ・250円を煮た。
(私は、九州男児ですので、普段、くるりの微妙なハーフトーンで描かれたサウンドをあまり好んでは聴かないのですが、
何故か、春先になると聴いている様な気がします。岸田氏の歌声を聴いていると鴨川を歩きたくなります。)

諸作業を完了した私は、カフェインを血流に乗せ、CDをかけ替え、轟音シンセサイザー・サウンドを浴びる様に打ち鳴らし
画室に入った。本日も必要な感性は、20パーセント程度で達成出来る内容であるのに、結局、大げさなサウンド依存状態で
作業を進めてしまいました。もうガバガバなのかも知れません。

PM6:55 画室から這い上がってきた私は、TVをつけ、知った様な顔でニュースを聞きながら、台所に立ち、おひたしの
小松菜を洗った。途中、小松菜を洗うことより流水が手に当たる心地良さの方が比重が高くなって行き、イカンと我に
返った夕方でした。
「KENZAN-YAKI」

第366話
2008年3月11日(火)
本日は日本各地暖かくなった様で、ここ大阪も一気に春となりました。(おかげでくしゃみ連発でしたが‥)
私は、ついに、ももひき無しで配達任務に臨み、久方ぶりの直接ズボンとなりました。
(制服のズボンの裾から入って来る、ぬく冷たい風は、懐かしく新鮮な感覚を呼び起こしてくれました。)
今日は、わんぼる君が仕事休みだったので、任務を終えた私は、麗らかな陽気の中、心軽やかに帰路に就きました。

ライブ版のわんぼるランチを頂き、片付けを済ませた我々は、梅田から阪急電車に乗り込み、三条高倉の京都文化博物館へ
「乾山の芸術と光琳」展なるものを観に出掛けました。

琳派の大成者・尾形光琳の実弟で、“乾山焼き”で名高い尾形乾山の近年の窯跡発掘調査の資料から名品の数々を中心に、光琳〜
本阿弥光悦の作品までが展示された本展は、思っていた以上の充実ぶりでした。
琳派デザインの魅力は勿論のこと、発掘調査によって明らかになったという簡潔な炭焼き窯の存在から見る氏の様々な試み
には、どれも一貫した独自のビートが流れており、どの作品がというより、その“在り方”みたいなものがとても刺激的でした。

絵はがきを何枚か購入し、思い出の印とし、我々は、四条通り裏の韓国居酒屋でマッコリ〜豚足と貪り食って帰路に就きました。
帰り道、私の頭の中では、何故か向井氏の“The Days Of NEKOMACHI”が流れ続けているのでした・・。
「3/12」

第367話
2008年3月12日(水)
大阪地方は今日も暖かい陽気に見舞われ、どうやら本当に春になってしまった様だった。

昨日より一歩進んだくしゃみを連発しつつ、北区の街を奔走し任務終了。チャリンコ漕いでスーパーへ向かうと、鮮魚コーナー
には、京都産の“カナガシラ”という見かけない魚が6匹198円で売られていた。
(子供の頃、図鑑で観た“ホウボウ”にも似ていたが胸ビレはそれよりも小さかった。) 
板さんに尋ねると、煮付けか唐揚げが良いとのことだったので、“よっしゃ! 煮付けやっ! ”(・・またかい!) と喜び勇んで
買って帰った。

部屋に帰り、キャベツの味噌汁作って、わんぼるランチを頂いた。晩の味噌汁の下準備〜買ってきた“カナガシラ”の煮付け
まで完成させて、画室に入った。今日は“可愛いか”“可愛くないか”だけが問われる作業内容だったので、無音状態で
任務に当たった。変態と冷静さの間を行き来しながら、目標の地点まで到達し、一旦道具を片付け、コーヒーを入れた。
研いでおいた米を釜にセットし、再び画室に赴き、本日の反省を兼ねたエスキースをした。

PM7:00 ニュースをつけて、台所に立ち、おひたしの小松菜を洗った。株の中心には、すでに小さなつぼみが備わっていて、
あちこちに吹き出している春の生命力に軽い恐怖を感じた。


追伸:仕事から帰ったわんぼる君が、私宛に来た“EMIジャパン・ミュージック”と書かれた封筒を差し出した。
   ・・これはまさか!?と開封すると、先日購入したLEO今井氏のアルバムに付いていたライブ応募の当選のお知らせだった!!
    キャー!! 嬉しいです・・!!
「3/13」

第368話
2008年3月13日(木)
本日も、無駄に花粉を拒む間抜けな体を操って北区の街を駆け回った。舗道脇の植え込みには、いつの間にか、様々な雑草が
生存競争を開始し、ちょっとした花の匂いや、さまよえるプレ社会人の群れであふれた街の雰囲気に私は少し疲れてしまった。

買い物まで済ませ、無事帰宅した。キャベツと大根葉の味噌汁を作り、わんぼるランチを頂いた。教育番組の高校講座を眺めながら
ほうじ茶を飲んで、晩の味噌汁の下準備まで終えると、居間で寝転がってエスキースに取り組んだ。

PM7:00 ろくでもない帳面を閉じ、ニュースをつけて立ち上がり、冷たい水で顔を洗った。研いでいた米を釜に移し、おひたしの
チンゲン菜を洗った。今日は、サゴシを味噌汁に入れようと思う。(・・手抜き料理である。) 花粉で鼻が痛いので生姜と酒を
多目に入れて我が身を労わろうと思います。ネギも多目に刻みたい・・。
「過ぎ行く日々に涙するな!」

第369話
2008年3月14日(金)
弱い雨が降ったり止んだりとなった本日の大阪地方。おかげで花粉の症状はだいぶ穏やかになり助かった。
そんな北区の街での配達任務を終え、営業所に戻った。昨日、社員の方から急に、今月の15日をもって、所長が九州の方へ
転勤になるという話を聞かされた。所長と私は、立場こそ雲泥の差があるものの、実のところ同い年で、私は、うっすらとした
同世代のシンパシーを抱いていたので、突然の知らせには寂しさを感じた。パート雇用の私は、土日は出ていなく、今までの
パターンから行くと月曜はいきなり新所長か?!と思われた。
せわしなく動き回る所長の姿がどうしても切なく見えた。帰り際、タイミングをみて所長に「ありがとうございました・・」と
挨拶すると、「まだしばらくは来るで」とのこと。・・なんや!と思いながらも、やはり寂しさは残った。

また降り始めた弱い雨の中、チャリンコ漕いでスーパーへ向かった。私は、明日のビル清掃が、先方の都合により急遽休みと
なったのだが、わんぼる君の方が明日から仕事で東京出張となっていた。今晩は、ホワイトデーでもあったので少し華やいだもの
にしたいなぁ・・と思いながら鮮魚コーナーを回ると、平台には、福井産の赤カレイが丸のまま氷の上にべたーっと並んでいた。
1匹398円と少々高価ではあったが、冷凍のカラスカレイでは感じられない魅力を放つその姿にやられた私は、こいつを煮てやろう!
と喜び勇んで購入して帰った。

小雨の中、部屋に帰り着き、キャベツの味噌汁を作ってわんぼるランチと共に頂いた。久しぶりにフィッシュマンズをかけて
赤カレイを煮た。鼻づまりと、外の雨でくぐもった頭に佐藤さんのプライベートなサウンドがやさしく響いた。

煮付けの完成を祝ってコーヒーを入れ、先日完成させたバレンタインのお返し用の新作絵画を梱包した。これだけだと少し手前味噌
過ぎるので、梅田の百貨店で購入して来た、我がふるさと福岡県のマシュマロ銘菓“鶴の子”もおまけとして同封した。
喜んで貰えたらいいんやけど・・。

PM7:30 “weezer”の1st(LEO今井のせいか、最近良く聴いてます)を思いっ切りかけて立ち上がりヘッドバンキングしながら、
おひたしのチンゲン菜を洗った。
「今日のわたし」

第370話
2008年3月15日(土)
穏やかな晴天となった本日の大阪地方。今朝は、東京出張に出掛けるわんぼる君と一緒に朝食を摂り、AM6:40 アウェイでの健闘
を祈りながらマンションの下まで見送った。愛と勇気があればどんな困難も乗り越えられると思うよ。

すーっとした寒さが心地良いベランダに出て洗濯をしながら、プランターに立ち枯れたままになっていた昨年の萩を引っこ抜いた。
土に還る事を祈りながらポキポキと折って枯葉の上に撒き、掃き掃除をして水をあげた。

部屋の掃除〜洗濯物干しまで終え、コーヒーを入れた。わんぼる君が予約して行ったビデオデッキが動き出したので、私も
“ちりとてちん”を見てみた。(普段見て無いので、3パーセント位しか分からなかったが“そーこーぬーけーにぃーっ!”の
シーンは胸を打つものがあった様に思う。) 諸任務を終え、さっぱりとした居間に先日あがってきた作品の写真とファイル用の
台紙を持ち寄り、くるりを聴きながら編集作業に勤しんだ。

AM10:45 リュックに諸道具を詰め込み、部屋を出た。チャリで新なにわ筋を南下し、まずは中央図書館へ向かった。
(途中、尾道ラーメンで早メシにした。昼前の空いた店内で食う醤油ラーメンはスッキリと腹にしみた。) 

図書館に着き、B1のCDコーナーへ向かった。先日聴いた吉朝さんの落語が良かったので、他に何か聴いてみたいと思ったのだ。
文春の“ホリイのずんずん調査”によると、米朝さんの落語はハズレが無いとの事だったので探してみた。が、ちりとて効果の
せいか20枚あるはずの米朝全集は2枚しか無かった。とりあえずあった“けんげしゃ茶屋”と“持参金”なるものを借りて、次なる
目的地の心斎橋のキンコーズへファイル用のカラーコピーに向かった。(カラーコピーなんてどこでもいいのだろうけど、キンコーズの
紙は丈夫やし、心斎橋のコピー機は色調を変えなくても好みの色で出て来るので、ちょっと遠いが結局行っている。)

無事、諸作業を終え、アメ村の本屋で立ち読みして、四ツ橋筋〜なにわ筋と北上し、スーパー寄って帰った。
今日は、79円で買ってきたサンマの開きと小松菜のおひたしで一人、酒を飲もうと思う。