「じごく便り」

第371話
不定期連載
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2008年3月16日(日)
本日も休みだった私は、結局、AM7:30に起き上がり、風呂そうじ〜洗濯をし、日曜美術館を見ながら朝メシを食った。

食器を洗いながら今週のアートシーン(いきなり光悦の茶碗が出てきたのでTV画面にかぶりついて写真を撮った。)を見届け、
部屋の掃除機がけまで終えた。一段落着いた私はコーヒーを入れ、居間のちゃぶ台で中板橋のアニキに手紙をしたためた。
(以前、アニキに作品ファイルを受け取ってもらっていたので、昨日完成した新ページを送ろうと思ったのだ・・。)

AM11:40 なかなか良い手紙になったと、一人喜び、達成感があった私は、春の陽気と相まってスピッツが聴きたくなった。
が、棚から引っ張り出して来るのが面倒だったので、手元にあったレッドツェッペリンをかけた。意外としっくり来た。

“デイズド アンド コンフューズド”が鳴り響く中、ジーパンに着替え、封をしたばかりの封筒を曲がらないようにリュックに
納め、玄関の扉を開けた。

まぶしく爽やかな日曜の町をチャリンコですり抜け、まずは、駅近くの松屋で昼メシにした。(結局、豚めし並と生野菜にした。
食い終わると、口の中が豚の脂で“メッチョリ”としていて、もう齢やなと思った。)

路地を抜けて、郵便局へ向かった。(途中、営業しているのかどうか分からない商店の軒先に、鉢植えの白い小さなバラの花が
咲いていた。柔らかな新芽の間に咲いた白い花のあまりの可愛さに立ち止まり、店のおばちゃんに声を掛けて写真に撮らせて貰った。
おばちゃんが、こっちのベコニヤもきれいやろというので、お愛想気分でカメラを向けると、八重のベコニヤで確かに奇麗だった。
シャッターを切ると、ラスト1枚だった様で、フィルムは無くなってしまった。)

郵便局の休日窓口から、アニキに封筒を送り、スーパーへ向かった。途中、あまり行かないスーパーに寄ってみると、香川産の
ブロッコリーが128円だった。今晩は、わんぼる君がたぶん野菜不足だろうから、じゃが芋と一緒に味噌汁にしようと思い購入した。
(おひたしには99円の水菜を買った。こちらも小振りではあるが、何株もくくられていてテンションは上がった。) 
魚は、いつものスーパーに向かい、刺身で行けそうな千葉産の丸アジ・2匹398円があったので、2枚卸しの皮引きまでして貰った。

部屋に帰り、味噌汁の下準備をしていると、メールの着信音がした。みると偶然にも中板橋のアニキからだった。何やろう・・と
思い、開いてみると、そこには私が先程、手紙に書いた様なことが書かれていた。

さすがアニキや・・と思いながら、昆布を引き上げた私は、久しぶりにニルヴァーナをかけ、これから始まるジゴクのツアーに
ニヤリと笑みを浮かべ、ふつふつと沸き立ち始めた鍋から、いりこを取り出した。
「今日の私」

第372話
2008年3月17日(月)
本日も春らしい陽気となった週明け月曜の大阪地方。先日伺った通り、我が営業所は本日より新所長を迎え、新しい季節は、
昨日までの出来事を恐ろしいスピードで過去へと押しやって行くのだった。

集金〜配達と無事、任務を終え、スーパー寄って帰宅。今日は、わんぼるランチはお休みだったので、私は、お得意の
味噌汁作戦でジゴクのランチを展開した。(明日のわんぼるランチ用に買ってきた豚コマの一部をキャベツとブロッコリーの
味噌汁に入れ、冷凍ご飯をチンしてダッシュでカッ食らった。)

ほうじ茶飲んで、立ち上がり、晩の味噌汁の下準備にかかった。わんぼる君は今晩、会社の飲み会だったので、(人事異動の
季節やもんなぁ・・最近わんぼる君たいへんやわ・・) 私は、ジゴクの味噌汁作戦第2弾・イワシ編で行く事にした。
とりあえず、大根・じゃが芋をダシで煮るまでやって、コーヒーで気合いを入れ、画室へと入場した。
気候の変動もあり、そろそろ1発目の実制作に入りたかったので、描き記していたエスキス(落書き?)から画稿を詰め、サイズを
決定し、ベニヤ板を引っ張り出してきて裁断した。角材の切断〜接着まで終え、今日のところは終了とした。

198円で買ってきた三重産の平子イワシ、とても可愛い顔をしているので、内臓を取る前に写真に収めようと思います。
「3/18・今日の私」

第373話
2008年3月18日(火)
本日も北区の街は麗らかな陽気で、私は連発のくしゃみに、もういい加減嫌気がさして来た。帰りは絶対薬を買おうと
心に決め、配達任務に勤しんだ。無事、任務を終え、スーパー〜薬局と巡り帰宅。

ダッシュでキャベツの味噌汁作って、わんぼるランチを頂き、薬剤師との短いやりとりの末、購入して来た“カイゲン鼻炎
カプセル12”を用量に従い1カプセル飲み込んだ。(水とカプセルがノドに落ちていく感じは、若干の恐怖を伴ったが、ただ
辛さが和らぐことだけを信じて飲み込んだ。) 食器〜台所と片付けを済ませ、自家製キャンバスの作成に入った。

無事、布地のシワ取り〜ジェッソ塗布まで終える頃、薬剤師の言っていた通りの口内の乾きと引き換えに鼻が通ってきた。
現代科学の効能が俺の体内にやって来たのを感じつつ、台所のコップの水の残りを飲み干した。細胞がデジタルになっている気が
して、生命のショボさを感じた。諸道具を片付け、ジェッソのブラシを洗った。ベランダに出て、鉢植えに少し水をあげてから、
コーヒーを入れた。

今晩は、先日、EMIジャパン・ミュージックの方からご招待を受けたLEO今井氏のライブである。会場は心斎橋の“DROP”という所で、
どうやらクラブらしい。LEO氏が描くソーダの様な都市風景を目の当たりに出来るのかと思うとかなり胸高鳴ります。
(溢れる感情に泣いてしまうかも・・なーんてね! ドラムスのBobo氏の“抜きと差し”のパフォーマンスも個人的にかなり楽しみに
しています!・・向井氏も来ているのだろうか?!) 今日は、水色の花柄のシャツを着て行こうと思います。
「3/19 雨」

第374話
2008年3月19日(水)
天気予報通り、本日の大阪地方は、久しぶりにまともな雨となった。(おかげで花粉の方はだいぶ助かった。)
祝日前とあってか荷物の量も多く、私は、若干のテンパリをみせながらも、任務遂行に東奔西走した。
無事、職務を完了し、スーパー寄って帰宅。カッパ〜買い物袋の雨水を拭い、風呂場に向かい手足を洗った。
惨めな気持ちから立ち直った私は、わんぼるランチに臨むべく諸準備に入った。

ミヤネ屋見ながら、キャベツの味噌汁をすすり、鶏ムネの酒蒸し〜卵焼き〜小松菜のおひたしと頂いた。
ほうじ茶飲んで、レッドツェッペリンをかけて這い上がり、晩飯の諸準備に入った。(5匹298円で買ってきた神奈川産の
平子イワシを煮た。今日もイワシはつぶらな瞳で可愛かったので、結局、調理する前に写真を撮った。)

PM6:45 とりあえず、パネルの仕上げ〜キャンバス張りまで終え、おひたしの小松菜を洗った。わんぼる君が帰って来るまでに
下地の一発目まで塗りたいと思う。


追伸:昨日のライブ、詳しい事情は分かりませんが、ドラムセットの向こうにBobo氏の姿はなく(アルバム“FIX NEON”は
    全曲Bobo氏のはずなのに・・)、我々は、誠実なLEO氏の演奏をじっと見守りました.。
    アルバム〜シングルの端々に仕掛けられた覚醒と興奮を求めていた私は、少し物足りなかったです・・。
    でも、直にLEO氏観れて良かった。パーカー姿でシンセ操りながら丁寧に歌う姿がとても印象に残っています。
    ・・僕も頑張ります!!!
「3/20 春の元町」

第375話
2008年3月20日(木)
久しぶりに二人共に休みとなった本日。わんぼる君が楽しみにしている“ちりとてちん”を眺めながら朝食を頂いた。
(テレビの前には、ろくにストーリーも理解出来ていないのに、オープニングテーマの旋律に感情のざわめきが生じてしまう
自分がいた。・・この前までは何とも思わんやったのに。中途半端な知識がイマジネーションを触発したのだろうか・・。)

片付け〜掃除と済ませた我々は、身支度をし部屋を出た。神戸の百貨店で、江戸時代の大名茶人・小堀遠州の展覧会が
開かれているらしいのだ。外は、割とまともな雨だったが、まぁ昼には止むやろうと傘さして出掛けた。

元町の駅を降りると雨は止んでいた。コブシの白い花がふんわりと咲いた交差点を渡り、百貨店へ向かった。
開店して間も無い空いた店内は心地良く、エスカレーターで9階まで上がった我々は、気を落ち着けるようと会場前の喫茶店で
一休みした。(わんぼる君は、ブレンドを、僕は、気取ってカフェオレを注文した。テーブルの向こうには、吹き抜けの植栽が、
屋上からの自然光を受けていた。)

一息入れた我々は、いざ会場へと向かった。入り口横には、大徳寺孤逢庵の茶室「忘筌」(・・非公開)を始め、氏が手掛けた
各地の庭や茶室の写真パネルが飾られており、来場者のドキドキ感を煽っていた。
展示は、遠州氏の具足・陣羽織の写真パネルに始まり、肖像画〜ゆかりの書状の軸や、“しゅっ、ぴっ”とした氏の感覚で
選ばれた茶道具の数々で構成されており、戦国のうねりから抜け出た落ち着いた世界を感じた。(私的には、具足の注文書の
軸装がおもしろかった。) 最後に愛・地球博に出品されたというプラチナ茶室“利庵”〜遠州流のお手前VTRまで、ほっほ〜んと
観て、我々は会場を後にした。

センタープラザの市場のにおいと靴屋の並びに、アメ横の風景がフラッシュバックして来る中、地下の食堂街で焼きソバを食った。
(鉄板のカウンターを挟んでオバチャンと差し向かいの風景は、先程までの“奇麗さび”は何処へやらといった感じだったが、
現実的な美味しさに豊潤な気持ちになった。)

三宮駅前のせんい問屋街を少し見てまわり、阪神電車に乗って帰った。今晩は、アジを焼きます。
「3/21」

第376話
2008年3月21日(金)
鼻炎カプセルを飲んで臨んだ、休み明け金曜の北区の街。体内には、薬特有の支配感があったが、くしゃみ無しで、明るく
澄んだ空気の中を走れる喜びは大きかった。

配達〜集金と無事任務を終え、スーパーに寄って帰宅した。持ち帰って来た薄汚れた制服を洗おうと洗濯機に水を溜めて、
アンプリファーの電源を入れ、54-71をかけた。私の疲労や空腹、溜息が、その銀色の振動で希望に変わった。
ガスコンロの火を点け、キャベツの味噌汁を作り、わんぼるランチを頂いた。

洗濯物を干し、コーヒー入れて、制作に臨んだ。(本日は、集中力を必要とする作業だったのでCDは止めた。)

PM6:45 本日の目標地点まで到着し、明るい気分になれた私は、ナンバーガールの最後のシングルとなった盤の3曲目をかけ、
何度も描きかけの絵を眺めながら、道具を片付けた。本日、わんぼる君は飲み会らしいので、私は、毎度の味噌汁作戦〜サゴシ編〜
で一人、酒を飲もうと思う。