「3/22」

第377話
不定期連載
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2008年3月22日(土)
本日、わんぼる君は出勤、私は休みだった。朝食〜掃除まで済ませた我々は、ちりとてちんを鑑賞し、コーヒーを入れた。

PM9:15 出動するわんぼる君を玄関先で送り、私はアンプリファーの電源を入れ、54-71をかけて作業に入った。(画面の前に腰を
下ろすと、脳みそが一杯一杯の私は、結局、CDを止める羽目になった・・が、立ち上がりには、やはりサウンドが欲しいものである。)

PM12:00 台所に立った私は、正午のニュースを聞きながら、大根・ニンジン・キャベツに卵を入れた味噌汁と、納豆、冷凍ご飯を
用意し、ダッシュでカッ食らった。

本日2度目のちりとてちんを食器を片付けながら見届け、午後の作業に入った。

PM3:00 予定通りに筆を入れながらも、画面の雲行きがあやしくなっている様に思われたが、もし失敗だったとしたら、それは
エスキースの段階での失敗であるはずなので、とりあえずはゴールまで走らないかんなと、己に言い聞かせ作業を続行した。
(乾き待ちの間、ニルヴァーナをかけ、コーヒーを入れた。本日はキュートな画題であったのに、結局、聴くのはハード・コアな
音楽ばかりだった。)

PM5:30 計画していた全作業を終え、生乾きの絵を横目に、ひとまず道具を片付けた。酸欠気味ではあったが、筆を洗い終え、
さっぱりした気分で絵を眺め、完成と決意し、マッキーを取り出し、パネル裏面に日付・タイトル・サインを入れた。

PM6:00 玄関のチャイムが鳴ったので、出てみると、宅配便で母方の祖母からだった。伝票の祖母の文字に少し泣きそうになりながら
開けてみると、カステラと、庭で取れたという金柑がビニール袋に入っていた。
手紙には、今年は不出来だったと書かれていたが、小さくてギュッとしたキンカンは祖母の様で、僕には不出来には見えなかった。
ほろにがい金柑をかじりながら、服を着替え、我が営業所の歓送迎会へと出掛けた。
2008年3月23日(日)
PM3:40 塚口の現場でのPタイル〜カーペット洗浄作業を終えた私は、梅田行きの阪急電車に乗り込んだ。
ドアにもたれ掛かり、走り過ぎ行く窓の外をボーっと眺めていると、歩道の樹々にピンク色の花がちょこちょこと咲いていた。
・・桜?もう咲いたのか?と驚きつつも、空いた席にへたり込んだ。

日曜午後の秩序が乱れた梅田駅構内を疲労に覆われた足を引きずり、我が乗り継ぎを目指した。
(人ごみの中、ふわっと過ぎ行く桜色のコートのギャルや、男子と手をつなぎ、笑いながら歩いて行く若草色のスカート姿が
放つ春風に、くすんだ私は無力だった。)

ポツポツと雨が降り始めた駅からの道を歩き、部屋に帰り着くと、今日も出勤だったわんぼる君が、先に帰っていた。
“お疲れさま・・!”とお互いの労をねぎらい、昨日、祖母に貰った金柑をかじって、ほうじ茶を飲んでカステラを食った。
「今日の私」

第378話
「2008年3月24日」

第379話
2008年3月24日(月)
予報の雨は早々に上がり、冷えた風が吹いた週明け月曜の大阪地方。何とか無事に与えられた任務を完了し、営業所を
後にした。本日は、北浜のガラス清掃だったので、いつもの定食屋に向かった。

ラッシュが過ぎた平穏な店内で、アジフライ・ポテトサラダ・ごはん(大)と味噌汁を、カッ食らった。(ソースでジャバジャバに
したアジフライを観るでもない高校野球のサウンドを聴きながら食う昼メシは、私的には100点だった。)

黄ばんだ強い風に吹かれながら、ペダルを漕いで北浜に到着。2日間の予定のガラスのエントランスの清掃作業は、いつも通り、
外周から開始した。春先のガラス表面は、花粉か黄砂か知らんが、この一ヶ月で満遍なく粉っぽくなっていて、かなりやり甲斐が
あった。作業を進める内にバケツの水はみるみる黒ずみ、私は、その汚水の成分については、恐怖のあまり考察をやめた。

エントランス南東のコーナーに差し掛かると、西に傾き始めた日射しが、ビッカーン!!! と仕上がったガラス面を突き抜けて来て、
そおーこーぬーけーにいっ嬉しかった。季節は確実に移り変わっていた。

PM5:40 本日の目標地点まで到達した私は道具を洗い、北浜を後にした。ふわふわの木蓮や雪柳の花が夕日に同化して行く中之島を
すり抜け、スーパー寄って帰った。ピンク色の夕焼け雲は久しぶりで、もう若くは無い私は、自分が今、いつのどこにいるのか
分からなくなりそうだった。

PM6:30 帰宅した私は、ニュースとLEO氏が奏でるシンセサイザーサウンドを同時にかけて何かを取り戻し、ダッシュで洗濯物を取り込み、
塩焼きにしようと買ってきた和歌山産のアジ・2匹198円に切り込みを入れ、塩を擦り込んだ。
「3/25」

第380話
2008年3月25日(火)
運送業務を無事終了した私は、昨日同様、営業所近くの定食屋で、メンチカツ・わかめ酢・白菜漬物に、ごはん(大)・味噌汁を
かっ食らい、毎月恒例の各種払い込みをこなしながら北浜へ向かった。

PM4:30 エントランス内側のガラス清掃を終了し、2日間の作業は無事完了となった。控え室を出た私は、スキッ!!と光を通す様に
なったエントランス内を暫しうろつき、達成感を胸に北浜を後にした。

ペダル漕いで西日の中之島をすり抜けて、スーパー寄って帰った。少しだけ明るさが残った部屋に帰り、換気扇とニュースをつけ、
滞った空気を動かした。ベランダに出て洗濯機に水を溜めながら植木に水をやった。
薄汚れた作業着を洗濯しながら小松菜を洗い、味噌汁に入れようと買って来た5匹198円のハタハタの内臓を取った。
「3/26」

第381話
2008年3月26日(水)
どうにか本日の運送業務を終え、スーパー寄って帰宅。キャベツの味噌汁と晩メシの下準備を同時進行し、わんぼるランチを
用意した。(一刻も早い労働からの解放を願いつつ、今日もそのスパイラルに喘ぐ私だった。)

えぐり込んで来る空腹に投げつける様に(本日は、帰るのが少し遅くなってしまったので・・)、感謝よりも早いスピードで
わんぼるランチを頂き、そのままの勢いで長崎産のブリの切り身・3切れ378円(天然!)を煮た。

コーヒーを入れ、焦る気持を沈静化し、画室に篭った。(本日も無音状態であった。)

PM7:00 感動のエスキース作業を終え、画室から生還した私は、冷たい水で顔を洗い、ニュースをつけすぐ消した。
とてもキュートでポップで胸キュンなギターサウンドで部屋を洗い流し、続いてパンチの効いた毒まみれの清潔なヒップホップで
心の炎を燃やしておひたしの小松菜を洗った。
「本日の私」

第382話
2008年3月27日(木)
配達〜買い物と任務を終え無事、帰宅。キャベツの味噌汁作って、ミヤネ屋見ながらわんぼるランチを頂いた。

テレビから伝えられる情報に溜息ついて立ち上がり、2枚卸しにして貰って来た静岡産のごまサバ(250円)を煮た。

味噌汁の下準備まで終えた私は、軍手を持って部屋を出て、近所の材木屋へ向かった。いつもの職人さんに角材の注文をし、
ベニヤ板を購入した。角材の加工は明日の夕方には出来ているとの事だった。(「お金、今、払っときますよと」ポケットの
サイフに手をかけると、「明日、まとめてでええわ」ときれい目のベニヤを出してくれた。)

よっこらせとベニヤ板抱えて部屋に戻り、とりあえず玄関脇に立て掛けた。画室に入り、段ボールや積み重ねていた衣類やらを
ずらして、ついでに掃除機かけながら保管スペースを確保した。無事、部屋の隅にベニヤを収め、昨日のエスキスの続きをやって、
本日の作業は終了とした。

PM7:15 ニュースが伝えるエンデバーの着陸の映像を観ながらおひたしの鍋を火にかけ、63円(!)で買って来た小松菜を洗った。