「本日の私」

第412話
不定期連載
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2008年4月26日(土)
PM3:50 予定されていた全作業を完了し、地上に這い上がった。(今日は、北浜周辺の現場を2ヶ所、Pタイル〜階段室と洗浄作業に
当たった。) 休日の谷町筋の閑散とした空気のおかげで、昼に食ったイワシフライの胸やけも少し楽になった気がした。

新線工事が進む中之島を抜け、西梅田の賑わいを横目にペダル漕いで帰った。シャワーを浴びて、太田胃散飲んで、疲労と胸やけの
軽減を図り、ビースティ・ボーイズかけて少しだけ作業した。
「本日のわたし」

第413話
2008年4月27日(日)
穏やかな天気となった本日の大阪地方。無事、東高麗橋の床面洗浄作業を終えた私は、日曜のゆるんだ静かな空気の中、ハンドルに
もたれながらペダルを漕ぎ出した。梅田に出て来ていたわんぼる君とブック・ファーストで落ち合い、とりあえず地下に潜った。
互いに昼飯はまだだったが、人の多い場所は勘弁願いたかったので、第4ビルの方へ歩いた。
結局、前にも行った事があるインド料理屋に入り、880円のランチとインドの瓶ビールを頼んだ。

爽やかな後味のビールと焼きたての大きなナンが思っていた以上に疲労をぼやかしてくれて、私は感謝で一杯だった。
電車で来ていたわんぼる君と別れ、再びチャリンコを漕いで帰った。風は冷たかったが太陽は暖かかった。新出入橋の高架下を通る時、
背の高いタンポポの黄色がコンクリートの背景に映えてきれいだった。私は、なぜか尾崎豊を口ずさんでいた。

帰宅して、ほうじ茶入れて、ユーミン聴きながら洗濯物を畳んだ。少し昼寝しようと思う。
「本日の私」

第414話
2008年4月28日(月)
長袖の制服一枚がちょうど良い心地となった週明け月曜の大阪地方。無事、本日の任務を終えた私は、明るい太陽の下、明日の
休みの喜びに、頬をゆるめてチャリンコを漕ぎ出した。
(でも、わんぼる君の方が仕事となっていたので、心にブルーの影があった。いたし方たあるまい・・。)

スーパーに寄り、鮮魚コーナーを巡ると、生のカツオの短冊が398円で出ていたので「おっ!」と思い、購入した。今までカツオは
タタキの短冊しか買った事がなかったが、先日の“かんさい想い出シアター”に登場した料理に一度トライしてみたくて、安いのが
出るのを待っていたのだ。

(“かんさい想い出シアター”は、関西各地を訪ね歩いた番組のアーカイブ映像で、今は無き空気感や旅情には、遠い親戚のおじさん
に会ったかの様な和みと切なさがあります。早朝の放映というところも良いのかもしれません・・。
先日は、カツオ漁に湧く和歌山県串本町の漁師さんの食卓を紹介していて、画面の向こうでは、漁師のおっさんが自宅の台所で
奥さんと一緒に、生のカツオを使って“かち”という郷土料理を作っていました。その飾らない佇まいのせいかもしれませんが、
醤油に砂糖・卵を溶いたものにカツオの刺身を漬けて、あたたかいご飯に乗せたそれは、とても美味しそうに見えました。
おっさんのさじ加減はかなり適当で、奥さんに「・・こんなんでいいな?・・こんぐらいやな?」って聞きながら作ってくれていて、
その辺りもかなり愛らしかったです。)

PM7:30 本日の全作業を終了した私は、記憶の中のおっさんに「・・こんなんでいいっすか?・・こんぐらいっすか?」と尋ねながら
“かち”を作った。


“かち”・・。初めての味でした。作る時は甘いんやないやろか・・と心配だったのですが、それが、カツオの強い風味と合わさると
クッと強く、爽やかな旅情となっていて感動でした!! ラストはおっさんがお勧めしていたお茶漬けにしてみたのですが、表面が軽く
白くなったカツオには、なるほど!と必然が感じられる完成度を感じました。おっさんに感謝です!!!!!
「今日のわたし」

第415話
2008年4月29日(火)
今朝は、出勤のわんぼる君と一緒にズーム・イン見ながら朝メシ食った。(久しぶりに見た羽鳥さんは元気そうだった。)
昼過ぎには、仕事が終わるというわんぼる君を玄関先で送り、掃除〜エスキス、洗剤等の買出しと諸任務を完了させ、梅田に
向かった。

PM1:00 丸ビルのタワレコでわんぼる君と落ち合い、ハービス・エントのカフェで700円のパニーニのランチを食った。
鶏肉とチーズにバジルのソースがかかったのと、サラダ、コーヒーのセットで、食べると思った以上に動物性油脂が豊富で、
コーヒーよりワインが飲みたくなる味だった。腹が落ち着いた我々は、地下鉄に乗り込み、マリー・ローランサンの展示を
やっているという天保山のサントリーミュージアムに出掛けてみた。

マリー・ローランサン展・・。物憂げな黒い瞳と淡い色調に溜息つきながら会場を回りました。サブカルチャーが社会を席巻する
前の、とても個人的な心情を扱った絵画の先駆的な表現の様に感じました。(会場の途中で見たガラス越しの昼下がりの輝いた
大阪港の風景には、心救われました。)

鑑賞を終え、海辺に開けたテラスに出ると、FM802のイベントの音が響いていた。人混みを抜けて、マーケットプレイスで
ハーゲンダッツのオレンジのアイスを食って一休みし、我々は天保山を後にした。

特に行くあてもなかったが、家に帰りたくも無かった我々は、九条で電車を降り、商店街をうろつきまわった。結局、大正まで
歩き、JRの高架下の沖縄居酒屋でオリオンビールを飲んだ。もずくの天ぷら〜泡盛のシークワーサー割り〜沖縄そばと食って、
ナイスな酔い心地で店を出ると、外はまだ明るく、駅の横のカラオケ屋で、1時間歌って帰った。私は、またしても渡辺美里を
渾身の力を込めて歌った。(目茶苦茶な“マイ・レボリューション”で98点が出て驚いた。) 明日からまた頑張ろうと思う。
「さよなら四月」

第416話
2008年4月30日(水)
夏の様な日射しとなった休み明け、水曜の北区の街。昨日の休みと、うっすらと漂うGWの気配のせいで、少し調子のくるった
頭と体を、与えられた任務で補正しながら奔走した私だった。

任務を完了し、スーパーに向かった。昨日は晩飯を作らなかったので、少し新鮮な気持ちで買い物に臨めた。鮮魚コーナーには、
兵庫産の新生ワカメが100円で出ていた。茎が太くて、活きの良い緑色だった。家に新ジャガがまだあったので一緒に味噌汁に
入れようかと思い買ってみた。(魚は、刺身で行けそうな和歌山産の平アジが250円であったので、三枚卸しの皮引きまでして
もらった。)

帰宅し、わんぼるランチを頂き、米研ぎ〜晩の汁の準備までやって制作に入った。今日からいよいよ本番である。是非とも、
画面に心の画像を反射させたいものである・・。
2008年5月1日(木)
蒸し暑くなった本日の大阪地方。(今日は毎年恒例のメーデーという事で、北区の街は、行進と道路規制で混み合っていた。)

無事、配達〜買い物まで済ませて帰宅した私は、キャベツの味噌汁を作って、わんぼるランチの用意をした。
またしても、テレビは見るものが無くて、結局、教育テレビの高校講座・数学基礎を見るふりをしながら頂いた。
ほうじ茶飲んで立ち上がり、晩の味噌汁の下準備をしつつ、和歌山産のトンボマグロのなまり節・330円を、新じゃが、新玉ネギと
一緒に煮た。今日は、どの具材からもアクの出が少なく、完成した鍋の中は、スキッとした透明感があって、少し気分が高揚した。

こうして新鮮な気持ちで、いざ作業に入った私だったが、制作の方はそう上手くはいかず、結局、部屋の空気は濁ってしまった。

PM7:30 わんぼる君帰宅の知らせを受け、道具を片付け、トマトを洗った。おひたしは相変わらず小松菜である。
「本日の私」

第417話