「休み明け再始動」

第423話
不定期連載
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2008年5月7日(水)
すがすがしい天気で始まったGW明け、水曜の大阪地方。今日から制服を上下共に夏服に替えた私は、布地の軽やかさに新鮮な
喜びを感じつつ、活気を取り戻した北区の街を奔走した。勘の鈍りも思っていた程では無く、無事任務を完了し、スーパーへと
向かった。鮮魚コーナーは、漁師の方々の再起動感で輝いていて、私は、刺身で行けそうな高知産のトビウオ・298円を3枚卸し
の皮引き状態にまでして貰った。

パン屋〜果物屋と巡って帰宅し、久しぶりのわんぼるランチを“情報ライブ・ミヤネ屋”見ながら頂いた。晩の味噌汁の下準備
まで終え、作業に入るつもりが、急に居間の窓ガラスの汚れ具合に耐えられなくなり、結局、居間〜画室とガラスを掃除した。
バイトではよくやっているガラス清掃だが、家のは全くやってなかったので、かなりのやり甲斐だった。雑巾一枚で臨んだ割には、
透明度を引き出す事が出来た。奇麗になったガラスを見て、窓が本来、四角い形で、光を取り込む為のものであったことを改めて
感じた。

真っ黒になった雑巾を洗濯し、コーヒーを入れた。透明になったガラスを透して観るベランダの植木達が、以前にも増して愛おしく
感じられた。一畳程の大変小さなベランダだが、私にとっては小宇宙で、そこに鉢植えでも草花が育っているのは本当に有難い限り
である。

コーヒーの器具を片付け、研いでおいた米を仕込んで、気分一新、作業に入った。
2008年5月8日(木)
諸任務を終え、晩のイワシを煮ながら、歯を磨いていると、左下奥の銀歯がとれた。
又しても、俺の貴重な時間と金が・・と突然の出来事を信じたくない気持ちで一杯になったが、ウダウダ言っていても、しょうが
ないので、涙を堪え、かかりつけの歯医者に向かった。

(わんぼる君のとっている新聞の占いコーナーによれば、本日の私は、“臨時収入の暗示。投機運なかなか好調な日”となって
いた。・・正反対やないかいっ!!)

ぼやけた空から射す黄色い西日に照らされながらチャリンコ漕いで帰った。何でも、銀歯の下が虫歯になっていたそうだった。
災い転じて福となす・・。早く見つかって良かったわと思う事にして、とっとと部屋に戻り、洗濯物畳んで、昨日からの作業の
続きをやった。
「本日の私」

第424話
「5/9」

第425話
2008年5月9日(金)
運送業務〜買い物と諸任務を終え、無事、帰宅した私は急いでわんぼるランチを頂き、晩の味噌汁の下準備まで完成させた。

明後日は、世の中的には、“母の日”という事なので、これにかこつけ、私も人の子として、せめてもの感謝をと思い、
贈り物(先日、百貨店で見繕った黄緑色の麦わら帽子と地元商店街の憎めない感じのモナカ)を発送すべく、最寄りの我が
運送会社の営業所へと向かった。

無事、発送を済ませた私は、更にチャリンコを漕ぎ進み、本来なら昨日行く予定であった西区の写真屋さんへプリントに
向かった。途中、土佐堀通りを越えると、機動隊による検問が張られていて、そうか、中国領事館か・・と思い出し、物々しい
バリケードを横目に、新なにわ筋を南下した。

写真屋のおっちゃんと、ひとしきりフィルム・スキャニング・マシンをピコピコしながら理想的な色調を獲得した私は、その画像
と共に、霧が晴れた様な気分で、元来た道を帰った。

帰り道、中国領事館周辺は更なる警備体制が敷かれ、上空にはバタバタとヘリが旋回し続けていた。気が付くと“ウエルカム・
トゥ・ザ・ジャングル”を口ずさみ始めていた私は、自分が意味不明の興奮に煽られている事にハッとしながら、新なにわ筋から、
我がホームタウンへ続く道へとハンドルを切った。長屋が続く路地に入ると、犬達が遠吠えを連呼していて、胡錦濤氏来阪の波及が、
こんな路地裏にまで及んでいる事実にびびった。
2008年5月10日(土)
冷たい雨が降り、グッと気温が下がった本日の大阪地方。運送屋が午後からの出勤となっていた私は、わんぼる君と“瞳”〜
ニュースを観ながら朝食を頂いた。家事とダンスの両立に励む主人公の姿に続き、画面に映し出された伊達公子選手の活躍に
心を揺さぶられた私は、ブルーハーブの2nd・9曲目をかけて立ち上がり、部屋の掃除を済ませて、画室に向かった。

AM11:30 何とか予定していた工程まで完了し、わんぼる君とすぐ近くの定食屋に赴き、トンカツ定食を食らった。
久しぶりのトンカツで、高い熱量を腹に仕込んだ私は、一旦部屋に戻り、カッパを着込んで我が営業所へと向かった。

PM7:15 明日の母の日に向け、大阪シティに住む方々から贈られる“愛”を全国各地の“お母さん”へ無事、届けるべく、
発送業務を任じられていた私は、無事積み込み作業を終え、旅立って行くトラックの後ろ姿を見送り、少し弱くなった雨の中、
ヘラヘラとチャリンコ漕いで帰った。予報によると、冷たい雨も朝には上がるらしい。明日も頑張ろう。
「本日の私」

第426話
「今日のわたし」

第427話
2008年5月11日(日)
雨は止んだものの、引き続き肌寒い天気となった本日の大阪地方。北浜の床面洗浄を終えた私は、地元の喫茶店でわんぼる君と
落ち合い、一息ついた。

スーパーへ向かうわんぼる君と別れ、帰宅した私は、ベニヤ板を引っ張り出し、次の作品に向けてパネル作成に入った。
眠気に覆われていたせいか、知性のかけらも無い様なロック・ミュージックばかりかけてしまったが、角材の切断やペーパーがけ
といった肉体的な作業内容と相まって、いつの間にか眠気が覚醒に変わり、いい具合に作業を進める事が出来た。

PM7:00 克服と達成の喜びを胸に、ダッシュ村見ながらわんぼるディナーを頂いた。感謝の気持ちを忘れずに明日も頑張ろうと思う。
2008年5月12日(月)
本日も寒かった週明け月曜の大阪地方。結局、先週末から逆戻りした長袖スタイルで配達〜集金と回った。
スーパー寄って帰宅し、ミヤネ屋見ながら、有り難くわんぼるランチを頂いた。ほうじ茶飲んで立ち上がり、晩の味噌汁の
下準備〜カツオのタタキ用の煮切りまで作って、作業に入った。

心の中は、相変わらず、倦怠感や虚無で占められていて、労働、生活、自分や絵、全てがうんざりだったが、この状況こそ、
レプレゼントすべき、輝きに溢れたかけがえの無い貴重なモティーフである事を信じてやまない私は、スピーカーから発せられる
強力なビートの後押しを受けながら、自家製パネルに自家製キャンバスをうおりゃっと張り、大した歴史も無いビニールみたいな
安っぽい絵の具で下地の一発目を塗りたくった。

PM7:00 一通り作業を終えた私は、AC/DCとニュースを同時にかけて、おひたし用の鍋を火にかけ、タタキ用にさらしタマネギを
作った。今日は、味噌汁に78円で買ってきた舞茸を入れようと思う。
「本日の私」

第428話
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