「5/13」

第429話
不定期連載
BACK NUMBER
TOPへ
GALLERY
2008年5月13日(火)
少し暖かさが戻った今朝の大阪地方。予報では夕方から雨となっていたが、日中は汗ばむ程の陽気で、長袖を腕まくりしての
配達となった。無事、任務を終えた私は、スーパー〜米屋と巡り、図書館へ寄って予約していた本を受け取った。
(借りたのはANDOさんの「家」という本で、'69〜'96年までの個人住宅ばかりが載っている例のやつです。何回か借りているの
ですが、延々と続くANDOさんの思考のトレーニングがひたすら綴られていて、何故か、寝る前に読みたくなります。移動途中に
物件を偶然発見した時などは、内部構造を想像して、ぐおっと脳を燃やすのに大変役立ってます。)

帰りがけ、入口のチラシコーナーがキラっと輝いていて、ハッと見ると、そこには以前、滋賀県の園城寺(三井寺)・勧学院で観た
狩野光信氏による四季花木図がチラシになって並んでいた。何でも今秋に大阪市立美術館で「フェノロサが愛した歴史と美の精華 
国宝 三井寺展」が開催されるとのことだった。「おおっ! 大阪でもあの絵が観れるんか! 」と興奮した私は、そういえば、見学に
行った時、お寺の方が、今度フェノロサ展が開催されるとおっしゃっていたのを思い出した。美術館で観ると、どんな感じやろうと
思いつつも、嬉しかった私は、わんぼる君にもあげようと三枚貰って帰った。

帰宅し、わんぼるランチ〜晩の味噌汁の準備と経て、作業に入った。予報通り、夕方には雨となった。
無事、本日の目標地点まで到達した私は、濡れた路面を走り行く車の音をききながら納豆を練り、ネギを刻んだ。
(今晩は、平アジの刺身に、納豆、チンゲン菜のおひたし、味噌汁はじゃが芋・にんじん・舞茸・キャベツである。)
2008年5月14日(水)
(今朝、テレビをつけると偶然、アラーキーの“知るを楽しむ”(教育テレビ)の放映に出くわしてしまい、朝メシを用意しながらも
画面から伝わるざわめきと、刺激的かつ、頷ける一言一句に気が気でないスタートとなった朝だった。・・好きです。アラーキー!!)

そんなこんなで始まった本日の私。若干、風に冷たさを感じたものの、雨上がりの好天となった北区の街を運送業務〜買い物と終え、
無事、帰宅。そそくさとわんぼるランチを頂き、少しだけ作業して、わんぼる君と待ち合わせた長堀橋へと向かった。

というのも、“曙橋の凄腕ペインター”かつ“じごくのライバル”である吉田和夏さんのザ・チョイス大賞展入賞作品が、長堀橋の
ペーパーボイス大阪に巡回で来ているとの事なのである。仕事を終えて来たわんぼる君と長堀橋の改札で落ち合い、さっそく会場へ
向かった。

言うまでも無く、イラストレーターの登竜門であり、妙なキナ臭さを感じさせ続けている“ザ・チョイス大賞展”・・。
会場は、魅力的な絵で充満していて、やはり楽しかった。そんな中に、吉田さんの作品は、ひゅっと存在していた。
今年2月に曙橋で観た作品より以前に描かれた作品らしかったが、その前兆的魅力をしかと確認致しました。
絵を描く喜び、楽しさが溢れた会場は、おいしいもので一杯の見本市の様な充実感で、晴れ晴れしい気持ちで私は会場を出ました。
(外に出ると、丁度、真西から西日が射していて、会場からの充実感と相まって、いつも以上に光に明るみを感じて嬉しかった。)

帰りは、西天満の漆器屋さんに寄って、練馬の従兄弟の第一子誕生(どうやら我が従兄妹は出産ラッシュの様・・。)の祝いの品を
みつくろい、その足で、運送屋の先輩おすすめの曽根崎・お初天神裏路地の鹿児島居酒屋“島国”に行った。
さすが、鹿児島料理とあって、どの品も、焼酎とタッグを組むために生まれてきた様なものばかりで郷土愛に根ざした空気感に
気分はぷりぷり県でした。(きびなごの刺身、タコの煮付け、薩摩揚げを肴に私は、芋焼酎“紅子の詩”〜“島美人”とギャル系な
ネーミングの水割りを、わんぼる君は“島国”をロックで飲んでいた。また、窓からは、向かいの土佐料理の店の看板が夕空に
映えていて、曽根崎に居ながらにして、西郷隆盛と坂本竜馬の幕末談議状態で、なかなかの風情だった。)

すっかり酔っ払って、阪神電車のホームに向かうと、売店には、NANA19巻発売の手描きによる告知があちこち施されていて、妙な
高揚感に嬉しくなって帰った夜だった。
「本日の私」

第430話
2008年5月15日(木)
先日までの初夏っぽさが戻った本日の大阪地方。久々の汗ばみは嬉しく、制服の袖をまくって配達〜集金と奔走した私だった。

任務を終え、スーパーへ向かうと、野菜コーナーの平台には、モロヘイヤが山積みされていた。値段は198円と割高だったが、
先日までにあったものとは明らかに違い、茎が柔らかそうで、葉もいい感じに茂っていた。ここのところ、値段との兼ね合いも
あって、ずーっと小松菜ばかり買っていた私は (食物アレルギーのせいでアクが強い野菜が食えない事も理由ではあるのですが・・)、
久しぶりのニューカマーに胸踊り、ようやく我が家のおひたしに今季初となる夏野菜を購入した。
(鮮魚コーナーには、普段、高いキメジマグロの短冊が298円と安く出ていたので、先日作った和歌山の郷土料理“かち”をこれで
やってみようかと思い買ってみた。)

イレギュラーな食材で、意気揚々とペダル漕いで帰った私は、急いでキャベツの味噌汁作って、わんぼるランチを頂いた。
片付け〜晩の味噌汁の下準備まで終えると、ため息ついて再び、チャリンコ漕いで先週の歯医者へ銀歯の取り付けに向かった。

PM5:15 時間と金を引き換えにピカピカの奥歯となり、少し明るくなった気持ちで、チャリンコ漕いで元来た道を帰った。
新出入橋の高架下にさしかかると、丁度、橋脚に西日のスジが出ていてきれいだった。おそらく時間的にもピークに思えたので、
チャリンコを止め、しばらく眺めた。普段、私は、西日の黄色味がかった感じがあまり好きではないのだが、季節が夏に向かって
いるせいか、今日のは、とても、あたたかで、やさしかった。結局、カメラを取り出し、ファインダーを覗くと、やっぱりレンズの
中はやさしい光の粒が充満していて、手を伸ばせばすぐ近くにあるアスファルトや、草や鉄はみんな温かい幸福に包まれていた。

束の間のしあわせに別れを告げ、うおりゃと漕ぎ出し、堂島川に出た。
川沿いの出来たばかりの朝日放送の新社屋では、川に開けたデッキのバリケードがはずされていた。ちょっと上ってみようかなと
思ったけど、先程の高架下で集中力を使い果たしたので今日はやめにした。なにわ筋に出ると、カメラを提げた建築野郎が、思い思い、
静かに建築と対話しているのが見えて「おっ! やってるな・・!」と思いながら、少し嬉しくなって国道に出て、家路に就いた。
「モロヘイヤ〜明るい西日」

第431話
2008年5月16日(金)
おとといの朝から左腕に痛みを感じていて、知らん内に配達作業で腱鞘炎にでもなったんやろうと思いたかった私だったが、
昨晩から、患部が熱っぽくなって来た。・・あぁ、これは・・と嫌な予感がしたが、昨日は“冷えピタ”貼って早めに寝た。
が、今朝になっても腫れは引いてくれていなかった。手指の動きの重さと患部の熱感から、11年前、右膝に患った細菌性の炎症が
頭をよぎった。もし、そうやったら早急に対処せんとヤバイのだが、今月は何かと出費が多く、昨日の歯医者で私の銀行残高は
底を突いてしまっていた。11年前の長期入院の教訓から、入院に関しては2種類の保険で備えてはいるが、そこまで放置する勇気が
無い私は、台所で弁当の準備を始めたわんぼる君に事情を話し、情けなくもお金を借りた・・。

パソコンの電源を入れ、朝メシ食いながら、午後からも外来の受付をやっている大きな総合病院を探した。(11年前の担当医から、
もし、今度なったら血液検査の結果がすぐに出る大きな病院に行けと言われていたのだ。) 幸い、患部は手首の関節から外れて
いたので、すぐに大変な事にはならないだろうと思われたが、とりあえず“冷えピタ”貼って、風邪薬飲んで出勤した。

無事、配達業務を終え、コンビニのパン食いながら営業所から一番近い総合病院に向かった。金曜午後の混み合った整形外科・
外来の待合で、書棚にあった料理漫画“味いちもんめ”を読みながら待ち続けた。1時間程待って、診察室に入ると、担当ドクターは、
患部を診るなり“腫れとるねぇ・・こりゃ菌やね。たぶんここから入ったんやろう・・。”と私の左手首のアトピーのひび割れを
指した。すぐに血液検査に回され、それをみて、点滴打つか判断するとの事だった。再び1時間程、検査結果が出るのを待った。

結局、大した菌は検出されず、心配していた炎症の値は、錠剤の抗生剤で対処出来るとの事で一安心だった。大した菌も倒せん
俺の白血球は何しとんじゃ!と腹立たしかったが、安堵とため息の混ざった気持ちで泣く泣く会計を済ませ、処方された抗生剤・
痛み止め・胃薬を受け取ってスーパー寄って野菜だけ買って帰った。

帰宅した私は、急いでキャベツの味噌汁作り、チンした冷凍ご飯と食って、抗生剤を飲んだ。(今日は、昼メシが遅くなってしまった
ので、わんぼる君には、大変申し訳ないのですが、わんぼるランチのおかずを夜に転用させてもらおうと思います・・。ゴメン!)
「本日の私」

第432話
2008年5月17日(土)
昨日、病院で頂いた抗生剤の甲斐あって、目が覚めると左腕の動きが少し軽くなっていた。回復の兆しに、心に明るみが差す
のを感じながら北浜のビル清掃現場へと向かった。

AM9:00 ひとまず、フィルター洗浄作業を終了。続いて難波へ移動し、毎月恒例のガラス清掃に勤しんだ。

PM0:30 透き通ったガラス面に達成感を感じつつ、本日の清掃任務を完了した。現場近くの定食屋に向かい、わんぼる君に
借りた金で、ごはん(大)・わかめ酢・豚汁を頂き、テーブルに置かれたピッチャーの水で抗生剤飲んで帰った。

シャワー浴びて気分一新、バケツに水汲んで、画室に向かい、ここのところ遅れ気味だった本チャンの作業に入った。


追伸:本日よりトップページの図案を、1年5ヶ月と頑張ってくれた二代目(三十三間堂バージョン)に替わり、
   現在の植木鉢にとりつけた“ベランダのお伊勢さん”バージョンにリニューアル致しました。
   特にテーマがある訳ではありませんが、私的には、爽やかな感じで気に入ってます。(背景は、大阪駅北口の
   再開発工事現場です。) 
   なかなか体力と精神力が求められる毎日ですが、植木鉢の草たちに負けない様、頑張って行きたいです。
   これからも、どうぞよろしくお願い致します。
「今日の私」

第433話