「6/20」

第467話
不定期連載
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2008年6月20日(金)
今季最高の蒸し暑さを感知した本日の俺は、毎度の集金、配達に加え、頻発するイレギュラーな集荷と事故渋滞による遅れ荷物の
処理、さらに突然の雨といった“運送業務・オールスター乱れ打ち状態”に引き裂かれそうになりながら、週末の忙しない街の中を
東奔西走した。

無事あてがわれた任務を完遂し、ヨタヨタとスーパーへ向かうと、鮮魚コーナーには腹が黄金に輝いた今季最高の鮮度を感じさせる
サバがクラッシュアイスの上にシュッピーン!!と並んでいた。俺は、その素晴らしい輝きに失いかけていた調理の欲望を取り戻し
(それでも、作ろうと思ったのは、毎度の煮付けだったが・・) 、板さんに2枚卸しを頼んだ。今日は味噌汁もこのサバのトーンに
応えたいと、まだ、その浅い色からも季節的には少し早そうではあったが、昨日の甘長の残りと使えば新鮮な気持ちになれるかもと
考え、長崎産のカボチャ・148円を購入した。

再び、パラつき始めた雨の中、チャリンコ漕いで帰宅。持ち帰ってきた制服と、溜まり始めた洗濯物を一部洗濯機に放り込み、
心に堆積していく梅雨時の鬱陶しさを少しだけ軽減しつつ、わんぼるランチを頂いた。

洗濯〜サバ煮と完了し、コーヒーを入れ、ひとまず家事からの解放を祝ってから作業に入った。湿度の高さもあって、今日もあまり
進まなかったが出来る所までは手を入れた。

外は、相変わらず雨が降り続いている。おひたしのツルムラサキが湿った気持ちに勇気を与えてくれる事を願う。
2008年6月21日(土)
丸一日休みとなった本日の私。休日出勤のわんぼる君とズームイン見ながら朝メシを頂き、見送り〜掃除、コーヒー入れて
気分一新、作業に入った。

AM11:50 とりあえず本日予定していた作業を完了し、昼メシと絵の具の追加分購入の為、部屋を出た。予報では曇りとの事
だったが外はえらく晴れていた。セールの割引券が使える心斎橋の画材屋を目指し新なにわ筋を南下、まずは途中の食堂に入り、
肉うどんを食った。外の暑さと相まって発汗は加速したが不思議と不快ではなかった。

日差しが強まった新なにわを更に下り、中央図書館に寄った。B1のヤング・コーナーを暫しうろつき、ザ・フーと円生さんの
落語に民謡(西日本編)、人間国宝シリーズの長唄のCDを借りる事にした。美術コーナーをうろついていると“ビタミン・P”
の日本語版があった。本屋でしばしば立ち読みしていたし、結構重たい本なので躊躇したが、これを部屋で読めるのは幸せやろ
なと思い、借りるのを決意した。

ずっしりと重い背中のリュックを肩に食い込ませながら無事絵の具の購入まで完了し、最終目的地の地元スーパーを目指した。
(途中“今なら100円”と書かれた自販機で、伊藤園・天然水ソーダを買って、うつぼ公園で休んだ。すぐに蚊が寄ってきたので、
結局、チャリンコ乗ってげふつきながら飲んだ。)

無事、全工程終了し帰宅。シャワー浴びて、借りてきた円正さんを聴きながら煮切りをつくり、米を研いだ。今晩はカツオの
タタキ(手抜き料理)である。
「本日のわたし」

第468話
2008年6月22日(日)
昨夜から降り続けた雨も上がり、晴れ間がさした北区大淀の町。PM0:30 無事、本日のPタイル洗浄作業を完遂した私は、
すっかり汗臭くなった体を光と風で乾かしながら一旦帰宅。ベタついた作業着を洗濯しつつシャワーを浴びた。

サッパリとした体で、光の射す平和なベランダに洗濯物を干し、気分一新、わんぼる君と連れ立って昼メシを食いに出た。
玄関の扉を開けると、空はまたどんよりとした雲に覆われ始めていて心に翳りが差したが、これからメシが食える! という
希望が私を支えてくれた。

念の為傘を手に、近場で済まそうと地元商店街へ向い、蕎麦屋に入った。(私は、ざるそば・ミニ玉子丼セットを、わんぼる氏は
チャンポンを食っていた。) うまかったぜ〜!と店を出ると雨は降ってなかったが路面が濡れていた。洗濯物が気になった我々は
部屋に戻り無事を確認。一安心し、ベランダの萩を眺めながらコーヒーを入れていると今度はドシャ降りの雨が降り始めた。
慌てて洗濯物取り込んで、工夫をこらして部屋に吊りまくり、台所に戻ると、サーバーには苦く、ぬるくなってしまったコーヒー
が溜まっていた。

やるせない気持ちで夏みかん食いながらコーヒーを飲み、ラップミュージックかけて元気を出して画室に向かった。

今晩は、わんぼるカレーとのこと。焼酎の澄んだ氷の向こうに爽やかな光を思いながらトマトと共に頂きたい。
「本日の私」

第469話
2008年6月23日(月)
予報では曇りのち晴れとなっていた本日の大阪地方だったが、北区の街は次第に湿った空気がリアリティを増し始め、
配達に勤しむ私は、案の定、持参していたゴアテックスを着る羽目になってしまった。たぶん気象衛星は、俺が雨に
濡れる事よりも重要な任務にそのレーダーを向けているのだろう。

やるせなさを堪えつつ無事任務を終えた私は、毎月恒例のガラス清掃に向かうべく、いつもの定食屋に入り、メンチカツ・
ワカメ酢・ごはん中・味噌汁を食らった。
(出掛けにケータイを見ると、懐かしのクラスメイトから、じごくのディア・フレンド結婚のお知らせが届いていた。
心に思い出を主成分とした波紋がじんわりと広がっているのを感じながら、止みそうに無い霧雨の中、北浜へ向かった。)

本日は、現場主任の方から、ニュー・フェイスのオッチャンにガラスを教えたってくれと仰せ付かっていたので、
二人してエントランスに臨んだ。素晴らしく勘の良いオッチャンだったので、予定の倍速で外周半分を終えた。

PM3:00 仕事上がりのオッチャンに感謝・敬礼し、後半戦に臨んだ。急に一人になった私は、聴こえ始めた降り続ける雨と
濡れた道路を走って行く車の音の中で、浮かんでくるディア・フレンドと過ごした日々を一つ一つ思い出しながらウォッシャー
でガラス面に水を塗りたくり、スクイージーでかき取り続けた。

PM5:15 本日の目標地点まで到達し地上に這い上った私は、チャリの鍵を開けた。どうやら雨は上がった様で、西の空は今頃に
なって明るい光を見せていた。帰り道、信号待ちの交差点・植え込みには、スズメが生き生きとした瞳で、ハイトーンな声を発して
跳ねていた。さすがに言っている意味までは解からなかったが、思わず“おうよ!”と応えたくなる程、その声にはリアルなメッセージが
感じられた。オレンジの光を反射するビルの壁面を掻い潜りながら、街に溢れる雨上がりの喜びに嬉しくなった私は、ペダルを
踏み込み、お祝い何がええやろと思いを馳せながら帰った。今晩は、わんぼるカレーである。
「ほんじつの私」

第470話
2008年6月24日(火)
予報通り穏やかに晴れた本日の大阪地方。無事、運送業務を終えた私は、昨日同様、定食屋に向い、オムそば・ワカメ酢・
ごはん大・味噌汁を食らい、ガラス清掃が待つ北浜の現場へと向かった。

昨日ガラス清掃法を見事習得したオッチャンとタッグを組み、エントランス内側に着手。(本日は、更なる上達を目指し、各々
単独でガラス面に臨んだ。)

PM3:00 見事、担当エリアの透明化を成し遂げたオッチャンに感謝・敬礼した私は、後方に伸びる鮮明に外の風景を映し始めた
ガラス面に励まされながらゴール目指してスパートをかけた。

PM5:00 無事、与えられた任務を完了し、スーパー寄って帰宅。蚊取り線香を点け、ベランダの植木に水を撒きながら、
汗臭くなってしまった作業着を洗濯した。今晩もわんぼるカレーの恩恵に授かります。・・感謝!!
「今日の私」

第471話