今回の旅で一番肝心なのは私の次の展示会場を決める事です。
勘違いしてはいけません。わたしは、気の良いコレクターではないのですから。
まず、あの板橋の喫茶店の場所を確認し、先生の展示会場を確認しました…。
……なんと…!同じとこやないですか!!…イカン、同業者として、話が、しにくいやないですか。
しかし、そんな事、気にしている場合ではありません。
1月7日、私とわんぼる君は、のぞみ68号で、雪の舞う大阪を発ちました。
この日は、ずっと観たいと思っていて、なかなかタイミングがあわなかった、
東京国立博物館の長谷川等伯の松林図を観に行きました。暗い展示室にぼんやりと浮かぶ松林‥。
そこにある絵なのに、霧の向こうみたい‥。また、ここに来ようと思いました。
桃林堂で、一休みしてEXPO覗いて、根津へと下りました。
宿は、湯島のビジネスホテルだったので、迷ったけど、歩いて行きました。
薄暗くなり初めた東大の裏を、わんぼる君と歩きながら、
「東京の夕方は暗くなるの早いね‥。」と言葉を交わし、ただ歩きました。
翌日の1月8日は、先生の展示が昼の12時からだったので、
朝一で、これも前から行ってみたかった、日本民藝館へ向かいました。
今回は、東大づいてるなぁと思いながら、駒場の駅を降り、開館と同時に冷えた、
館内に入りました。大阪・難波の日本工芸館の展示空間とは、また一味違っていて、
朝の空気も相まってすっきりと鑑賞しました。
駅前のマクドナルドで100円のコーヒーをすすり、冷えた体に一息入れて、いざ先生の展示へ!!
予定通り昼前に東上線・中板橋に到着。地図に従いroji cafeへ。
てくてく歩いていると立て看板発見!先生のDMや!!
角をまがると、それらしき家(!?)に到着。凄い‥roji cafe‥!!
想像を良い意味で裏切られました。俺、ここ好きかも‥。
まだ、早過ぎたみたいで、準備中の様なので、適当にぷらぷらしていたら、
どこか、見覚えのある人が‥先生ではないですか!!
とりあえず挨拶し、しばし間をおいて、お店にむかいました。
再びお店に着いた我々は、玄関で、靴を脱ぎ、スリッパを履き、まず2階へ上がりました。
まるで、習字の教室にやって来た小学生の様です。
そんな日本の普通の家(我々の世代にとって)の中に、先生の絵が掛けられていました。
私が、今回、一番印象に残った作品は、和室に掛けられた「恋」と題された恋人たちの絵です。
展示に来る前に、先生のブログで観たことがあったのですが、その時は、正直、
辛い印象だったのですが、実物を前にして、じっと観ていると、不思議と、
落ち着いた良い絵だなぁと思う自分がいました。実際にこの絵を観た人が、
どういう感想を持ったか気になるところです。しつこい様ですが私は、
画像で観た時の印象が、自分が勝手に決めつけたもので、実物の筆跡をたどっていくうちに、
上手く言えませんが、そこから伝わって来るものが、けっして辛いものでなく
愛情の様なものに変わっていく不思議な時差があって、それが、なんだか心地良かったです。
考えてみると、珍しい感覚やったなぁ。
一通り観て、さらに先生が、まだ展示するかもと持って来ていた作品を観せていただき、
我々の予算と相談し、一番身の丈に合うであろうと思われた、
厚紙に描かれた家の絵に決めました。
無事、作品購入に至り一段落した我々は、roji cafeの昼食を注文しました。
銀ムツの照り焼きの定食とカレイの煮付けのをそれぞれ頼みました。
定食美味かったです。家で食っているみたいで。小皿の赤い大根の酢漬けも、
思った以上のポリポリ感と、適度な酸味が、カレイの脂に心地よい相性でした。
また、田造には、意外なキャストの参加が楽しさを添えており、
食べる人ひとりひとりの事、大事にしてるんだなぁと感じました。なかなか、あり得ないですよ。
ご飯食べているお客さん観ると、みんな楽しそうにしていました。
…こりゃ、よっぼど考えていかんと、作品観て貰えんな‥。
私は、自分の展示の想定をしていました。
会計を済ませると、名刺を取り出し、本題に入りました。(先生が居る傍らで‥!)
この日は、展示担当の方がいらっしゃらず挨拶だけとなりましたが、何とか展示には、漕ぎつけそうでした。
先生、roji cafeに別れを告げ、我々は、東京を後にしました。
新幹線の車窓から、行きは、みえなかった富士山が、夕暮れにドーンとそびえ立っていました。
追伸:後日、私のroji cafeでの展示が、5月21日〜6月2日と決まりました。今度は、私の番です。