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時候の挨拶 バックナンバー

過去の時候の挨拶1

2012.10.26

過去の時候の挨拶2

★柿に蜜柑に早生リンゴ、と果物が安価・・!!で賑やかに並んでいる
今日この頃、の大阪地方のスーパーマーケット〜八百屋&果物屋さん。
今年はだいぶ豊作だったようですね!!

みなさま、お元気でお過ごしの事と思います!

私の方は先日、吹田にある“旧西尾家住宅”(重要文化財)なるところに
戦国の茶匠・古田織部による茶室“燕庵”の写しがあり、無料公開されているらしい・・
との情報を入手しましたので“・・これはっ!!”と出掛けて来ました。

JR吹田駅前の商店街を抜けて行くこと暫し・・のところに現れた長い塀に囲まれた
広大なお屋敷は、何でも18世紀初頭より、仙洞御所方の庄屋を務めていた西尾家の
もので、明治中期〜昭和初頭にかけて建築、整備されたものとの事・・で、玄関にて受付
手続き後、案内して下さったお白髪がとても素敵なボランティアの小父様の、丁寧で
感じの良い解説を受けながら、“・・早く燕庵を・・っ!!”っと内心、はやる気持ちを抑えつつ、
一歩一歩進む、随所に美しさと工夫がちりばめられた空間を堪能させて頂きました・・。

当主の方が大変なお茶好きであったとのことで屋敷内には母屋の書院造りを
中心に三つの茶室が配され、あちらこちらに桂離宮の写しや、交流がさかんで
あったという武田五一氏による増改築(・・これがまた大変味わい深いものでした・・)
がなされた落ち着きのある“しっくり”とした気持ちの良い空間でありました。

母屋のお庭に面した増築部分の縁側にプリズムを写すクリスタルガラスの美しさや、
そこからみた長ーい一本で通された梁、に可愛らしい水仙の釘隠し〜立派な大黒柱の
飴色のツヤや、台所の年季の入った配電盤(・・当時は大変な最新の設備だった事でしょう!!)
〜五一氏による象嵌の小鳥が何とも愛らしい配膳台・・といたるところ楽しい母屋〜お庭の様々な
灯篭、飛び石〜“四掛腰”なる待合(・・天井が傘スタイルで、こちらも桂離宮の写しとのこと・・で、
待合の間、お互いの顔を直視しないよう卍型に腰掛を配しているとのことで夕方の光の中、
解説の小父様と3人、横顔を見ながらお話しを聞いて腰掛けた和やかな時間はなかなか良い
ものでした・・)と、経て、ついに臨んだお茶室“燕庵”・・(お庭との構成の為か、あの飛び石の延段
は再現されておりませんでしたが・・)にじり口から覗いたお茶室内には、西に傾いた光が障子を
透かして差し込み、その土壁に庭の樹木の影をやさしく写していて、僕は只々、じーっと観ました。
天窓は閉じられていた為、特有の明るい採光が堪能出来たわけではありませんでしたが、思いを
馳せ、噛み締めるには十分でした。

そうして最後に案内された武田五一氏による設計の瓦屋根が乗った離れの洋間には、この邸宅が
生誕の地であるという音楽家の貴志康一氏の音楽(・・日本的自然観や季節感を題材としたものが
多かったそう・・)が静かに流れていて、日暮れ時になってしまった部屋に穏やかに外光を透かす出窓のステンド
グラスの色彩とあいまって何ともやさしい気持ちになりました。(康一氏のお母様?の家紋をあしらった
鏡の縁の蒔絵の揚羽蝶もとても可愛らしかったです・・)

と想像以上に濃密な時間を過ごさせて頂き、深々と御礼申し上げて僕ら、胸一杯でやさしい空間を後にしました。

追伸・2: 大阪の淀屋橋〜水晶橋、銀橋の設計をはじめ、大阪市交通局のあのマーク(何と、大阪の“O”
に交通局の“コ”をあしらっていたとのこと!!)までデザインされていたという武田五一氏、私、恥ずかしながら
存じ上げておりませんでした・・。これからは淀屋橋はじめ中ノ島、大阪の風景に今まで以上に思いを馳せる事が
できます・・。知ることが出来た事に感謝です!!!


・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊の秋モードなコンビ
ネーションで展開中です!

過去の時候の挨拶3

2012.10.28
★しとしと雨が過ぎ、夕暮れが早まってきた今日この頃の大阪地方・・。

みなさまお元気の事と思います!

先日、本屋のレジのカウンターで“・・これは!?”な絵があしらわれた
兵庫県立美術館の展覧会告知のしおりに出くわしました・・!!

その観た事のあるタッチは、その下に小さく記されたクレジットと見合わせても
やはり!あの二艘木洋行氏だったのです!

情緒溢れる思考をぶっとんだデジタル絵画でたたき出す二艘木さん・・
おっさんの私につき合って、大阪の町をうろついて下さった二艘木さん・・
二人して串カツ屋のサービス昼定・カツカレーを瓶ビールで乾杯して食った二艘木さん・・

あの二艘木さんがつい飛び出して来られたのです!!

というわけで当方、わんぼる君と阪神電車に飛び乗って出掛けて参りました。
はやる気持ちに反して電車の速度の遅いこと・・それもまたよしでございます。

・・そうして観てきた展覧会、詳細はこれから観に行かれる方のためにも控えめに
させて頂きますが、実に二艘木さんらしい、自由で可愛いい色彩と線が、カッコ良く
提示された楽しく、のびのびとした気持ちになれるもので、さまざまな試みで現代の
絵画を制作している方々の中にふわっと、大切な花を添えてらしたと思います・・。

一見コミカルで親しみのある作品ですが、プレゼンテーションは流石のエッジが立って
いて、ANDOさんの硬質な空間と共鳴している姿はとても美しかったです・・。

なかなか出会えない、心がじわっと熱くなる展示観させて頂き嬉しかったです。

僕も只々、自分の道を歩いて行きたいと思います。


・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊の秋モードなコンビ
ネーションで展開中です!
2012.10.30
★灰色の空から時折差す光に、冷えた風が吹き抜けて行く
今日この頃の大阪地方。

季節はやっぱり冬に向かっているようです・・。嫌です。
辛いです。でも好きです!

というわけでみなさま、お元気でお過ごしの事と思います。

わたしの方は先日、ミミヤマミシンさんにて開かれた“中津発酵部発表会”
なるものに行って来ました。

雨上がりの空から射す光に植木鉢の緑が心和ませる路地を歩いて辿り着いた
ミミヤマミシンさん・・

開店間際の会場の卓上には大小色とりどりの発酵中のビンが、澄んだ色彩を
光に透かしながら並んでいて、僕らは、紙コップに注いで頂いたりんご酵母の
エキスをおいちく!いただきながら、壁に貼られた細胞の成り立ち等の図説を読みました。

・・が、卓上の美しい柑橘類や果物、野菜の酵母の色彩と、そのエキスの、目が覚める
様な美味しさにソワソワ・ドキドキしてしまい、解説の字面が頭に入って来ませんでした・・。
(それはまるで全国模試の古文の試験開始から五分経過後、長文の3分の2を読んだにも
かかわらず、その内容が全く脳みそに記憶されてない状態の様でした・・。つまり、とても
舞い上がっていたのでしょう・・)

・・そうこうしてひとしきり、そのエキサイティングな状況を楽しんだ僕らは、たまたま
いらしていた画家の尾柳さん(すっとんきょうにされておりますが、かなりクレバーな方
だと思われます)と3人、お隣の簡素でありながらも坪庭・床の間を備えた、玄関からの
光が美しいお座敷にて、楽しく配置されたちゃぶ台に着き、HITSUJI_DOさんによる発酵定食
を頂きました。

“里芋のおあげさん”や“鶏の茄子ヨーグルトソース”といった発酵の力で身も味もギュッと
締まったお味は、どれも大げさなリアクションをとるのは無意味・・な美味しさで僕ら、言葉を
発する事無く、集中力が高まっていく喜びの中、ゆっくりゆっくり食べました。

僕的には小鉢の、柿を甘梅肉と酢と干し柿のペーストで和えたもの、がとても好きでした・・。
柿のシンプルな素材感を、とても素人に出来る業ではない重層的なハーモニーが包んでいて、
う〜ん・・旅でした・・。

またお寿司の様なよそおいで現れたおにぎり三種の、みょうがのヤツがとても美しいお味で、その
冷たい米粒の美味しさに結局、日本酒を頼んでしまいました。

そして、デザートの、柿のコンポート&葛きりに甘酒ソースかけたやつもコンポートに入った八角&
クローブが効いていて、最後までその技とお味に唸り続けた我々でした・・。(わんぼる君注文のりんごの
寒天も、りんごと二種類の寒天の風味・食感の対比が何とも、きれいで楽しい!上に、蜜には味醂という
工夫がなされていて只々、その美味しさに感じ入るばかりでした・・。)

この日は結局、梅田までてくてく歩き、翌日のオープンに向けて準備がほぼ整ったANDOさんディレクション
の時空の広場の花壇の一面のお花〜北ヤードの同じく、ANDOさんの工事中の広場を見合わせて、
その貫かれた意志の美に打ちのめされて帰路に就きました・・。


・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊の秋モードなコンビ
ネーションで展開中です!
2012.11.3
★真っ暗な部屋へと帰り着き、蛍光灯の紐をひっぱる・・。
その点灯までにかかる時間はまさに冬である・・。

アンプの電源を入れ、冷たく静まり返った部屋の空気に
重く尖ったサウンドを響かせる・・。
その響き具合の緊張感はまさに冬である・・。

というわけで、一気に冬の空気となってしまった今日この頃の大阪地方
ですが、みなさまお元気のことと思います・・!

いつの間にかスーパーの棚から空芯菜も消え、我が家のおひたしも小松菜
とチンゲン菜の繰り返しとなって参りました。冬でございます・・。

先日、我が家のトイレ文庫の棚に、漫画読みのわんぼる君が買って来たと思しき
太田垣康男氏による“機動戦士ガンダム サンダーボルト”なるものが置かれておりました。

・・これは“読め”ということなのか?とページを開いた私は氏が描くその世界に一気に引き込まれました。

そこには破壊されたスペースコロニーの残骸が散らばる真っ暗な宇宙空間で一機、狙撃銃を構える
モビルスーツが描かれておりました・・。

そのコクピット内には、海賊ラジオから流れる、かわいい愛の歌を口ずさみながら、じーっと暗黒の世界の
遥か先を、哀しい眼差しで見つめ続ける青年パイロットの姿がありました。

空気も水も、土も緑もない冷たい世界で、戦争という最悪の労働、任務に就く彼の瞳は、映画“フルメタルジャケット”
の狙撃少女兵の様に美しく、その姿は殺伐極まりない現代社会で生きる我々の未来を実にリアルに予見している
様に思えました。

さすがは“ムーンライトマイル”を描いてこられた太田垣先生です。連邦軍の登場人物も大変魅力的に描かれていて
ページを繰るごとに熱く胸が震えている自分がいました。とにかく宇宙の冷たさと、登場人物の孤独感、哀しさに
とても熱い気持ちになってしまいます・・。いいですね・・。

私も頑張ろうと思います。


・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊の秋モードなコンビ
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