GALLERY
トップページへ
時候の挨拶 バックナンバー

過去の時候の挨拶1

2012.11.6

過去の時候の挨拶2

★茎太っ!なびゅんびゅん育ちの水菜が出回り始めた今日この頃、
の大阪地方。みなさま、お元気の事でしょう!

私の方はついに、今季初のニットキャップもかぶり始め、通勤のチャリ漕ぎも
いよいよ冬モードとなって参りました。

晩飯クッキングの方では、近頃はレンコンをよく用いております。
私的には、煮物に使うよりも、油で料理した方がレンコン持ち前の“根性”の
様なものが粘り出て来る様で好きです。我が家ではフライパンに米油をひいて、1cm程の
厚みに切ったレンコンの裏表・立面、と全てを油膜で覆わせて、蓋無しの極弱火にて、ひたすらじーっ
・・と、片面づつ、粘り腰で焼いてます。軽く焦げめが付いて、“料理”が完成した香りがしてくるまで、
ザ・ガマンでやってます。(フライパンは鉄のやつをつこてます)

お好みで食う前に塩をふっても良いかと思いますが、何もかけんでもその持ち前の自然な甘みで十分!
美味いです。一口で日本酒、300メートルです。

追伸: レンコンが泥付きで売ってるやつの方が美味しいという事をつい最近、買ってみて初めて知りました。
泥を流しで洗うと真っ白な表面が現れて来て大変気持ちいいですね・・!洗ったのを売ってるやつは結構、
色変わって黄ばんでいるんですね。野菜って、土落とさん方が鮮度持つんですかね。


・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊の秋モードなコンビ
ネーションで展開中です!

過去の時候の挨拶3

過去の時候の挨拶4

2012.11.8
★雨が過ぎ、また一歩冷え込みが進んだ今日この頃の大阪地方。
みなさまお元気でお過ごしのことと思います。

スーパーや八百屋の店頭の、カブや大根といった根菜もいよいよ立派な
葉付きのものが並び始めました。

おひたし野菜と根菜がセットとなったそれらは、灰色の空の下、小銭を握りしめて
生活している私の様な立場のものにはうれしい限りでございます。

先日は、カブの葉の方をおひたしに、本体を味噌汁に入れました。カブは煮え過ぎる
とあんま美味しくないので、軽く火が通ったくらいで味噌を溶かして完成とし、碗によそい、
余熱で“ぐずっ”とならんうちに酒飲みながらカブだけ、甘いわ〜って、言って食ってます。

先日、この際に頂き物の明太子をちょいっと、載せて食ってみたところ、口の中が正月気分
になりました。

おそらく、“数の子”と“三杯漬け”の味の記憶が口内に甦ったのでしょう・・。
久しくおせちなぞ食ってない私ですが、小さな情緒、小旅行をした気分になりましたよ。


・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊の秋モードなコンビ
ネーションで展開中です!
2012.11.10
★空気の冷え込みに伴い、枚数の増えた布団の上げ下ろし
が結構な手間・・!!となって来た今日この頃の大阪地方の
わが町・我が家。・・みなさま、毎日お疲れ様です!

先日は当方、いつも木綿豆腐でやっていた塩糀漬けに間違えて、絹ごし
豆腐を買って来てしまい、まぁええわ・・と仕方なく、それで仕込んだ
のですが、日を追うごとにあまりにクリーミーな仕上がりとなって行くので、
先頃、朝食の際、パンに塗ったわんぼる君謹製の紅玉ジャムの上に
載せて食べてみたところ、リンゴが持つ酸味と甘みとの相性も問題無く、
なかなかのすっきり、かつ濃厚・高たんぱく!なお味で意外とすんなりいけました。
朝から食い応えアリ!な感じが嬉しかったです。

・・と、時候のご挨拶はこれぐらいとし、当方・先日、わんぼる君と連れ立って、
国立国際美術館で開催中の“エル・グレコ展”を観てきました。

ので、それにまつわるお話しを少々・・長くなるのですが、書かせて頂きたいと
思います・・。よかったらお付き合いください・・。

以下本文

エル・グレコ・・あのぐおぐおとした絵画を私、実に遡ること30年程前の小学生の頃、
観た記憶があります。

父親に連れられて、兄と共に行ったあれは、山口県立美術館(での、確か“サンパウロ
美術館展”)だったと思います。
(私の実家は北九州市で、山口県美は山間の山口市、そんなに近い距離では無かった
と思います。たしか、あの宣教師、フランシスコ・ザビエルの聖堂が近くにあった気がします・・。)

その当時の無知な私(・・多少の言語を覚えたものの、現在も実のところ、基本的には何も変わって
いないと思います・・)が、エル・グレコ氏など知る由も、どこの国の人かも、(おそらく、私自身が
“東洋人である”という自覚さえも持っていなかったと思います・・。)
ましてや、仏壇が据えられた家屋で、スイカ食ったり、鈴虫にキュウリをあげたり、弱ったクワガタ
に焼酎飲ませたりしていた私が、キリスト教に造詣など深いわけもありませんでした・・が、只、
描かれている人物や状況の世界感はさておき、あの色彩、赤や青のコントラストの強い、
ぐおぐおとした感じは何か知らんが、かっこいいもののようには感じた記憶があります。

が、“なぜ僕はこの様な絵を観に連れて来られたのか・・?”とエル・グレコを含め、展示されていた
絵と、自分の世界とのとっかかりの無さに漠然とした疑問を感じながらも、せっかく連れて来てくれて
いる父にはその事はふせて、父はきっと好きなのだろう・・と思い観ていました。

帰りに父は、兄と私にエル・グレコのポストカードを買ってくれました。確か、私のやつは、大きな翼が
生えたエンジ色の衣を纏った人が、荘厳な空から射す光に向かって羽ばたく鳩に劇的な佇まいで手を
かかげている様な感じのものでした。

これを、確かあれは北九州市立美術館で開催された“ミレーとコロ展”かなにかで、同様にして買い与え
られた、デコラティブな造形に金色の塗装が施された額仕立てのポストカード立てに入れ、我ら兄弟は
学習机の上に飾っておりました。

このようにして、小学2・3年生の私の日常に入り込んだエル・グレコの絵画は、その当時に観た全く
とっかかりのない西洋宗教絵画の中にあっては、強い色彩や荒々しい筆致といった、小学生にとっても、
比較的“かっこいい”と思える要素があったとは思います・・が、やはり、’80年代の日本・九州北部に
暮らす小学生の日常や、テレビアニメ・漫画等が持つ、同世代的魅力からは遠く離れた画題・世界観で、
そこにシンパシーを感じるのはなかなか難しく、ついに私は、その額縁の中を、当時気に入っていた
テレビアニメ、“銀河漂流バイファム”のテレビ放送画面を父のカメラを借りて写真撮影、カラープリント
したもの(私は主人公が乗る“バイファム”が撮りたかったのですが、その時、タイミングよく登場せず、
名も知らぬ敵の量産型メカが攻撃を仕掛けてくる風景しか撮影出来ませんでした・・)に差し替えて
しまいました。

しかも、この額縁は私がいじくりまわしていたせいで、端っこの塗装が剥がれ、乳白色の樹脂の地が現れて
しまっており、偽物とはいえ、小学生の机上で保たれていた“西洋風の高尚な世界観”は完全に私の手に
よって地続きの現実へと引きずり落とされてしまいました。文化の浸透圧、拡散する宇宙でございます・・。

が、そうした努力によっても、テレビアニメに漫画やプラモデル、筋肉マン消しゴム〜ラジコン、ゲーム機等
の消費文化が放つワクワクの同世代感と、父から授かる我が家に展開された“文化的教養(?)の世界”
との違和感がもたらすコンプレックスは私の中で埋らないままでした・・。

こうして、エル・グレコ絵画が消化されることなく、脳内の記憶にしおりとして挟まったまま時が流れた
2010年・・私が大阪は空堀のディザネさんで展示させて頂いた際、お客さん待ちの合間、店内の古書棚で
美術手帖のバックナンバーを読んでいると、そこには横尾忠則氏のナビゲートで語られるエル・グレコ作品が
紹介されておりました。

横尾氏の解釈を通して観るエル・グレコ作品は宗教画でありながらも早々と現代絵画にも通じる個人的感情を
強い色彩とタッチで獲得している様に思え、横尾氏のハイコントラストなタッチとも通じるものがあるなぁ・・と、
なるほどの確かな納得感で、おもしろいなぁ・・とその特集を読みました。

こうして、若干のトラウマに近い形で私の中に印象付けられていたあの“エル・グレコ氏”の絵画が大量に大阪へ
やって来る・・とのことで出向いた今展・・。

ひよっとしたら子供の時に観た、あの絵に会えるかも・・という、何とも言えない思いを胸に、多くの観覧客で賑わう
国立国際のエスカレーターを降りた私は地下三階の会場へと入りました。

・・青白い神経質な表情を浮かべた自画像で始まったエル・グレコ展・・予期せぬ事に、どの絵にも通じる手・指の
デッサンの危うさや、衣服の下〜顔面の骨格の“?”にはじまり、ともすれば“高校の美術部的世界”に正直、
“えっ?”っと思ってしまった私・・。登場人物達の神経質な表情にも追い討ちをかけられ、これはゴッホ展を観た
時にも会場に溢れ返っていた、病的なまでの“ストレンジさ”が滲み出ていて、正直、結構な苦痛でありました・・。
どの作品からも共通して立ち昇っているこの大変な“個人的情念”のにおいは、この同時代の画家には無かった
早過ぎる“個性”だったということでしょうか・・。セザンヌやピカソが見出していた現代絵画の祖師としての評価
というのは、この感じのことだったのでしょうか・・。とはいえ、絵全体で統括された画像、色彩、世界観の完成度
の高さ、強いインパクトはある種、現代の広告・ポスターの様に強烈でした・・。

残念ながら、あの山口県立美術館で観た絵には会えませんでしたが、会場最後にあった縦3メートルを越す
大作、“無原罪のお宿り”には“ハッ”と我を忘れ、何も知らなかったあの頃にも似た感動がありました・・。

いつかまたエル・グレコ氏の作品に会いたいと思います・・。



・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊のいまだ秋モードなコンビ
ネーションで展開中です!
2012.11.17
★不安定な空模様とすっぽり、寒気に覆われた今日この頃
の日本列島ではありますが、みなさま、お元気でお過ごしの
ことと思います!

私の方は、骨身にしみこむ寒さにモモ引き&馬場シャツで
対処かまして“ぎゃんばるぞ”っと職務&任務に勤しんでます。

街のショウ・ウィンドウにはあちこちとクリスマスツリーがあしらわれ、
コンビニの青年誌の表紙にはサンタ姿のグラビアアイドルが人々の
感情を煽っております。街行く人達の、いか程の方が日曜日の礼拝に
行ってるのか分かりませんが、毎年の季節の商戦、せせこましくも
愉快なわが国であります。

みなさん暖かな外套にマフラーを巻き、冷たい空気に白い息を
“はっ”と吐きながらケーキ買って帰って、シャンパーニュ地方の
ワインなぞを開けてわいわいしたりちゅっちゅしたりするんすか・・。

・・俺?しますよ。お気に入りの、お目当ての菓子店なんかで買ってきた
洋菓子、まっ白なフレッシュ・クリームにきらびやかな果物なんかが
盛られたやつを少量、胃もたれせん程度に“わーい!”って。目輝かせて。
ほんで、小遣いで買ってきた一升瓶、山廃仕込みの手取川
なんかを飲みますよ・・。世情を嘆きながら・・。テレビに映るお笑い
芸人の方々に感心しながら・・。ほんで、アンプの電源入れてロックン・
ロールを聴きますよ・・。近所迷惑にならん程度と、心にしみわたる
境目あたりの音量で・・。たぶん。

その為にも働きますよ・・。毎日毎日・・。税金、返して欲しいよ・・!!
毎日、健康管理して病院の世話にもなってないのに。どうせ年末調整、
大して返してくれんのやろ。区役所、応対悪いぜ!上から目線すか・・。
言うたら俺達客やのに。

“やつらを倒せ。やつらは僕等の代弁者なんかじゃない”って言ったのは
トム・ヨークでしたっけ・・。“OKコンピューター”やったすか。
“悲しげな公務員”っ歌ってたのは町田町蔵さんでしたか・・。

聴きますよ。涙こらえて。終いはテレサ・テン聴いて寝ます。
明日もがんばらないかんのでね・・。税金払いに。


・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊のいまだ秋モードなコンビ
ネーションで展開中です!
2012.11.19
★雨が過ぎ、澄んだ空気に冷えが冴えわたる今日この頃。

みなさま、お元気の事と思います・・!

吹き晒す冷たい風にイチョウやケヤキといった街路樹の色づきも
一層進み、アスファルトの光と影の間を、それら落ち葉の黄色や紅が
クルクル、カラカラと行き来している様はさみしくも、なかなかの美であります。

近頃の当方、夏〜秋にかけて鮮魚によくついていた、あのアニーちゃん
の姿を見かけなくなってきたので、晩飯クッキングでは刺身の短冊を
買って来ることが多くなって来ました。

これを例のごとく、毎度の塩糀を塗りたくってラップにくるんで3〜4時間・・
置いたものを刺身の要領で切るのですが、これが糀ちゃんらの大活躍に
より、表面がかなりの“ちゅるんちゅるん状態”で包丁をひくのにかなりの
テクが要求されます・・。

が、なけなしの器用貧乏、全開!で何とか、乗り切ってます・・。必死です。

日本人はみんなこうやってあらゆる困難を乗り越えてきたと思います。

我が家では行きつけのスーパーが打ち出す価格、および産地・諸データ
等の折り合いをみて鳥取産の天然ハマチでやる事が多いです。
(安価なのが出回った時は南氷洋産の鯨でやってもなかなかの美味さ
です・・!)

薬味はワサビより、ショウガ多目のチョイ醤油の方が合うように思います。
刺身自体が持つ酵素に糀、〜分解されたアミノ酸等が醸すハーモニーは、
砂漠のような現代生活が奪って行くヴィタミンを補ってくれるようで身体の細胞
が喜んでいるようにすら感じます。気分としては、仕留めたばかりのアザラシの
超新鮮な生の肝臓を喰らうイヌイットのイメージで私は食ってます・・。



・・というわけで米蔵人おくむらさんでの常設展示は現在、店主の
おくむら しげるさんが'10年に兵庫県但馬の秋の光と空気の中で
描かれた墨汁と割り箸ペンによる味わい深いスケッチ作品5点
(・・飄々としたタッチが大変魅力的です!)に我が作品、「新なにわ」
('08年作)、と展示第2弾となる一斗缶画廊のいまだ秋モードなコンビ
ネーションで展開中です!