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過去の時候の挨拶1

2013.6.22

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過去の時候の挨拶6

過去の時候の挨拶7

過去の時候の挨拶8

★まとまって降り続いた結構な雨・・〜台風4号、結局来んまま温帯低気圧に
変わって一段落ついた様に思われる昨今の大阪地方。

暑かったりびしょ濡れになったり、となかなか大変な毎日ですが、みなさま
元気で励まれている事と思います・・!

私の方は、梅雨なのに続いていた晴天のおかげで甘んじておった気持ちを
雨でズタボロ、気合入れ直して貰いながら通勤・労働・家事・労働と繰り返して
おる次第であります。

・・ところで、我が家のすぐ近くの通り沿いに、新装開店の店舗と思しき工事が
続いておりまして、清潔なカウンターや、メニューの案内っぽい作りの用意に
“・・カフェやな!”と踏んでおった私は、“・・穏やかな休日の朝は、ヘラヘラの
ラフな出で立ちで出掛けて行って、あの明るく大きな窓際に陣取り、普段読まん
様な洒落た雑誌などをめくりながら、挽き立て・淹れ立てのコーヒーを
朝の光に包まれながら飲むのである・・”と段取り、心積もっていたのですが、
先日、掲げられた看板には、“クリーニング”の文字が蛍光地にパッキリと貼りついて
おりました・・。ショックでした。


と、かなしい時候の挨拶はこのへんで、先日の難波宮〜玉造闊歩の続き・・と経て、
見学を申しみ、再び向かった玉造稲荷神社境内にある難波・玉造資料館・・

社務所の宮司さんの案内のもと、家型埴輪を形どったコンクリート造りの鉄の扉の
施錠を解いて頂き通された資料館・・照明が灯された小さな館内には、整然・燦然
とガラス展示ケースの中に玉や鏡、刀剣が展示されており、その鮮やかさに館内に
留まった少々埃っぽい、入れ替わってない感じの空気の息苦しさも、気にはしていられ
なくなりながら、それぞれを観て行きました。

中でもやはり、一番目を惹いたのは、冒頭に飾られていた大量の白い勾玉があしらわれた
金銅製の冠と帯飾りで、(・・復元品?韓国の国立慶州博物館のものとなってました。展示の
経緯や詳細は書かれていなかったので詳しいことは分かりませんが、勾玉は元来、縄文
時代より日本で造られていたものが、朝鮮へ輸出されて伝わったという説もあるとか・・)
とにかく、その煌びやかさと勾玉の量、金銅の細やかな細工の美しさは素晴らしかったです。
(薄い金銅を帯状に巻いたつくりは、4月に滋賀県高島市の民俗資料館で観た稲荷山古墳
出土の王冠の復元品ともよく似ていて、あらためて当時の高島を治めていた首長が、いか程
の位の人物であったかを考えさせられました。)

〜鏡、刀剣、といわゆる三種の神器に管、丸玉、〜勾玉の製造加工過程、(・・その特異な
形状の由来は諸説あるようですが私にはあれである説が強いのでは・・と並んだそれらを
眺めながら思いました)〜展示途中に貼られた“神社周辺でこのような形状の石(勾玉を削り
だす前の形に荒く割られたもの)を見つけた方はお知らせ下さい”との告知も、現在も実際に
出てくるんや・・なリアル感でありました。

〜資料館を監修されたという寺村光晴氏の紹介〜物部氏打倒の祈願をする聖徳太子の姿の絵・・
と観覧、脈々と続く何とも凄い空気・・をあらためて認識しまして退館・・〜住宅地〜公園、と北側へ
抜けて前回行かなかった三光神社(・・創建は5世紀中頃、仁徳天皇の第3皇子・反正天皇とあり、
以前、奈良の二上山、當麻寺参道で観た相撲資料館前に奉られていた當麻蹶速(たいまのけはや)
と日本初の天覧試合をやって勝利されたいう出雲の力士、野見宿禰(のみのすくね)も奉られていて
驚きました・・)と参拝〜境内に残る、大阪冬の陣の際、真田幸村が掘らせたという大阪城中からの
抜け穴(・・大阪城から軽く1km以上あると思います・・)まで観まして、東側の階段の途中に“ゴウっ”
と植わった御神木?にまたまた凄いっすね・・とおののきながら神社を後に、玉造の商店街闊歩して
JR環状線、大阪城まわりで、遠い昔・・の様で、実はそんなに昔の話でもないのかもしれん日本古代の
きりの無い謎・・と魅力を反芻しながらガタコン・・電車に揺られて帰りました・・。


というわけで、米蔵人おくむらさんでの一斗缶画廊、および常設展は現在入れ替え準備中ですので
今しばらくお待ちください。
過去の時候の挨拶11
過去の時候の挨拶10
過去の時候の挨拶9
過去の時候の挨拶12
2013.6.30
★丸一日雨となったり、晴れたり曇ったり・・な今日この頃の大阪地方
ですが、みなさま、元気で毎日励まれている事と思います!

私の方はいよいよ近づいて来た地獄の季節に只々怯えながら、なかなか
ものに出来ん、目の前にゴンゴン堆積していく一方の業務をひたすら片付け
続けている毎日です。

今年の夏はドキドキ!要決死の覚悟でございます。是非乗り越えたいものです。

・・と、時候の挨拶〜尽きる事の無い日常の不安の吐露、はこのへんに、
先日は、以前訪ねた滋賀県高島市の藁園神社で、毎年恒例の“なまず祭”
なるものが催されるというので行って参りました。

・・なまず祭・・そのゆるく、すっとんきょうな響きの祭りの歴史は思いのほか古く、
正嘉2年(1258年)の地震〜翌年の暴風雨、洪水の際に、神殿床上にうちあがった
大鯰に驚いた神主さんが、杖で一打したところ死んでしまったらしい(・・ひどい・・)
のですが、不思議な事にそれまで降っていた大雨が止んで快晴となり、神主さんが
踊りあがって喜びの舞を舞った・・というのがその起源とのことで、大雨洪水・地震等
の災難除け〜五穀豊穣を祈願し、鯖街道で通じる福井県から招かれた無形民俗文化財
の若狭能、“一人翁”の奉納に、境内裏の、琵琶湖へ続く池に鯰の放流も執り行われる・・
ということで、わくわく!の期待を胸に毎度のJR、湖西線へとつながる新快速に乗り込み、
新旭駅で下車。〜恒例のレンタサイクルを借りまして、田園風景の中をチャリチャリ・・
藁園神社へと向かいました・・。

そうして辿り着いた神社前には白地に“なまずまつり”の文字が書かれた幟が掲げられ、
大きな茅の輪がとりつけられた鳥居を潜って入った境内には、“藁園神社”と運動会が
如き銘が入ったテントが用意されており、地元農家の方々でしょうか・・スーツ姿のご年配の
方々が扇子をパタパタ・・なかなかにハレな雰囲気の中、神事の始まりをまっていました。

記録係的カメラマンさんとご近所の主婦連とおぼしき方々で軽いにぎわいを醸して
おりましたが、外からの観光客らしき方は我々以外にはいなさそうでした。

が、境内に漂う、何か始まりそう・・!な空気にソワソワ、落ち着かない胸の感じに嬉しく
なりながら僕ら、ひとまず本殿を参拝・・軽自動車から降りて来られる、玉手箱が如き
漆塗りに立派なフサフサの紐がかけられた箱を抱えた能装束のお爺さんをチラリ・・!
〜烏帽子をかぶられ、すっかり神主さんの装いになられた先日のおじさま!にご挨拶し、
拝殿脇に用意された火にかけられた釜を横目に祭りの始まりをテント下で待ちました・・。

・・そうして始まったなまず祭り・・神主さんによるお祓いが神前〜参列者、〜我々(!)にまで
なされ、(・・祝詞の間合い、節回し・呼吸〜紙垂の“しゃッしゃッ!”としたサウンドは清々しくて
気持ちよかったです・・)続いて地元の参列者と宮司さん(黄と水色の衣装が素敵でした!)
による本殿までの三方に乗せられたお供え物(米・酒・花!等々・・)のリレー(・・黙々と入魂の
おじぎで繰り返される無言の動作の連続は不思議な時間で、その中を移動していくお供え物の
色彩が印象的でした・・)〜若い神主さんによる祝詞〜巫女さんよる拝殿での舞い〜茹った釜
に榊を浸し、湯を飛ばしまくる豪快な神事!

と経て、若狭からいらした能楽師の方によるソロの舞い“一人翁”(・・先程みた玉手箱から翁の
能面が取り出されて始まりました。ミュージックはラジカセでありましたが、沈黙の間合いに
揺らぐ、境内の樹木や葉が揺れる風の音、鳥の声の中、に響いて同化していく声の伸びと、
装束の擦れる音は気持ち良く、“バッ”と袖を腕に掛ける独特な所作は、クッと入り込んで真似
したくなる様なキレた冴えの世界でありました・・。)

〜参列者による玉串の奉納(・・素人の我々は段取りがよく解からず、宮司さんが取りまとめて
行ってくださいました)〜楽しみにしていた鯰の放流!何でも前日に琵琶湖で捕らえてこられた
とのことで、用意された水槽から、こちらは地元参列者のスーツ姿の叔父さんが網で捕らえよう
としたところ、(この日はつがいが二組入っておりました)驚いたメスが産卵を始めてしまい大騒動!

“もう放してまえ!”とだいぶ適当な地元の方々に捕らえられた鯰達はバシャバシャ暴れながら
後についてくるみんなに見守られ、琵琶湖へ続いているという境内裏の、森の奥の手付かずの
感じがワイルドで美しい池へと放され、大きな波紋を残しながら帰って行きました・・。

一連を“?”と、“得体の知れん興奮!”で持って行かれながら見ていた私は、もとの静けさへと
戻っていく多様な植物が生い茂った池の水面をしばらく呆然・・と眺め、予定されていた神事が
全て終わり、空気が明るく緩んだ拝殿前に戻ると、地元参列者の方から、缶コーヒーと記念?
の手作りとおぼしき、可愛く笑った鯰が陰と陽に配された図柄が刷られた絵馬?を頂き感謝!!
〜地元の方が教えてくださった無病息災の茅の輪くぐり(8の字に2回くぐると良いらしい)を実践!
(本来なら後日、茶色くなった茅を貰いに来て、輪っかにして家の軒先に吊るすと良いらしいです)
しまして、現在も地域住民を第一に、豊かな伝統を守られている素敵な藁園神社をあとにしました。

この後は、以前来た際に大変美味しかったうどんの花里さんで昼メシ(今回はカレーうどん、
粒々の香辛料の香りと、きれいな水で打たれた全粒粉の麺は澄んだ美味しさでした!)〜道の駅、
〜民俗資料館と巡り、学芸員の方にお話しを少々伺い、(・・稲荷山古墳の冠は水鳥の羽があしらわれて
いたらしい・・)安曇川駅でレンタサイクルを返却、新快速に揺られ大阪へと帰りました・・。


追伸: その後日、鯰の産卵シーズンということで、米屋のおくむらさんと仕事上がりの夕方に弾丸ツアーで
高島のお米生産者の田んぼを観に行きました。途中、雨が降り始めたりとなかなか期待に胸膨らませて
向かいましたが、着くと高島は晴れ・・夕暮れの用水路〜田んぼへ掛けられた産卵用の魚道を、あちらこちら
から響くカエルの鳴き声にサラウンドで包まれながら草だらけのあぜ道を散策しましたところ、用水路の中に
一匹!30cmくらいの鯰に出会えました!!イワトコナマズでしょうか・・泥の底に佇む、黒い体にクニッと
伸びたヒゲは流木や枯れ木を模したかのような佇まいで、本当にいるんやっ!!という感動でありました・・!!

また、分蘖が進む稲の間を覗き込むと、ゲンゴロウにタニシにアマガエル〜おたまじゃくしといろんな生き物が
動き回っていて、農薬を使わんというこは、“害虫”のリスクとともに、これだけの生き物が集まってくることを
実感しました・・。本来自然は生き物だらけなのでしょう・・。そんな過酷な競争社会の中で、安定した人間の
生活を維持し、都合の良い管理を遂行するのはなかなか容易なことでは無いですね・・。日が沈み、濃い桃色
になった夕空と雲の模様が映り込む水田に、あぜの草の緑が印象的でした・・。


追伸2: 先日、中津のHITSTUJI−DOさんのおうちカフェに行って来ました。今回は屋上カフェもある!
ということで、楽しみにしていたところ、朝からあいにくの雨・・となってしまいましたが、せっかくでしたので、
屋上のテントの下でお茶を頂いてみました。

雨の音を聞きながら頂いた生姜のシャーベット・・は、すーっと溶けていく、爽やかな甘みで、梅雨時の休日の
静かな中津の街と同調しながら、夏の情緒ときれいな余韻を残して消えていって、私は、居合わせた方々と
ゆるく語らいながら、時折過ぎて行く阪急電車を横目に、雨も悪くないな・・と、日常とは違った角度で広がる
眺めと時間を愉しみました。

パイナップルの酵素ジュースも灰色に煙る風景を軽やかにして下さる、澄んだ美しいお味でした・・。
とても美味しかったです・・。私もがんばるぞ!?


というわけで、米蔵人おくむらさんでの一斗缶画廊、および常設展は現在入れ替え準備中ですので
今しばらくお待ちください。
2013.7.6
★急な土砂降りにジリジリの日射し、〜むおっとした蒸し暑さ・・に見舞われている
今日この頃の大阪地方。なかなか大変な毎日ですが、みなさま元気で励まれている
ことと思います!

私の方は、この気候に加えて到来した地獄の繁忙期で昼メシもままならん毎日・・
となり、前日から阿呆の様に仕込んで持参していた弁当が無意味であることに気づき、
(・・まぁ、前からろくに食う時間もありませんでしたが・・)おかずとごはんという体制を
とりやめ、梅干と動物性タンパクを仕込んだおにぎりに変更!しまして空き時間に
ダッシュで立ち食いかますスタイルに変更しましたところ、これがなかなか好調でして、
仕込み、調理の時間も大幅になくなり、晩のおかずの内容も弁当を意識せんで
よくなりました!

更に、弁当箱を使わなくなったことで、帰宅後の洗い物の手間がおそろしく軽減され、
いかに弁当箱をめぐる周辺の作業に時間と体力〜精神力をとられていたかを
実感いたしております・・。労働に見合うだけの充分な食事と睡眠・・そんなものは
永遠にかなわない夢なのかもしれませんが、一週間のサイクル、労働が空けた
時の解放感!はたまらんものがあります。受けたストレスの分だけ喜びも一塩で
ございます。まるで登山のようであります・・

・・と、日常の苦しみ&喜び・・!の公の場での公開・吐露はこの辺にし、そろそろ私、
本業(・・?)の画業の方に、搾りカスのようになってきた脳ミソで臨ませて頂きます・・。

きっと、秋の新米の頃には、米屋のおくむらさんの店頭に、目の覚める様なパッケージ
のお米が並んでいることでしょう・・!と、いうわけで暫く、絵筆一本持って、獲物捕獲に
水の中へと少々、潜らせていただきましゅ・・。



米蔵人おくむらさんでの一斗缶画廊、および常設展は現在入れ替え準備中ですので
今しばらくお待ちください。
2013.7.14
★梅雨が明け、蝉の鳴き声がシャンシャン・・日毎、盛り上がりを増してきた
今日この頃の大阪地方。ジリジリの日射しに、むおむおの暑さ・・となかなか
過酷な毎日となっておりますが、みなさま、元気に日々奮闘されている事と思います!!

私の方は、気合入れとかんと全く対応出来ん職務に半泣き・・になりながら、
べったりとした汗と皮脂をメディウムに埃が付着した皮膚を、強烈な日射しで
焼付け続けておる毎日であります・・。

ので、朝食のビタミン摂取は必須!と先日食べ切ってしまった例の国産レモン
に替わってカボスを、キャベツ・ニンジン・ピーマン・ゴーヤ・トマトに紫タマネギ
をスライスしたものに、搾りかけた上、皮まで食っております。

早朝の“すまたん”、森さんのハタハタ・マシーンを眺めながらかじる、青く黄色い
カボスの味は、レモンとはまた違った情緒を含んだ余韻ある香りで、九州(福岡)出身
の私には懐かしく、何故か、無性に子供の時分、夏休みの家族旅行で連れて行かれた
大分の国民宿舎の土産物売り場が思い出されてしまいます・・。

今思えば多分、それは、そこでカボスを使った商品がたくさん売られていたからだと
思います・・。ゴーフルみたいなカボスのクッキーに果汁〜石鹸等々・・と並んだ土産物
売り場・・。小学生だった私は、そこを風呂上りに一人、マーケッティング・リサーチするのが
割と好きだった気がします・・。おそらく、そこには結構リアルなカボスの香りが漂っていた
のでしょう・・。

そんな風景までをも呼び起こしてしまう香りの力・・(喚起される情景がエコノミックに
犯されているのが悲しい限りですが・・)、“美味しんぼ”の山岡さんが、“味の記憶”とか
なんとかいう、鶏の話が収録された巻で、栗田さんに“・・お婆ちゃんは呆けてなんかいないよ・・”
と言い放っただけの事はあります・・。

また、最近、弁当のおかずとの併用の呪縛・・から解放!された晩めしクッキングの方では、
長らく食えてなかった刺身でひゃっほー!とビタミン!&酵素!を補填〜もっと食わんと痩せてまうっ!
と以前は、野菜中心だった(カボチャ・ニンジン・タマネギ)の味噌汁に、豚コマや鶏モモ肉等、を
おろし生姜・酒と共に加え、葱を散らした、ちょっとした“ほうとう”やちゃんこみたいなものを
食いまくっております。調理時間が短く済む割には動物性油脂やタンパク質を含んだ多様な
ものがまとめて食えて、消費されてしまう一方のカロリーを補うには手っ取り派早い気がします。


制作の方は、早まってきた夕暮れに負けじと洗濯物まで片付けて、体力の限界に達したしょうもない
身体をロック・ミュージックで鼓舞!いたしましてカリカリ・・進めつつ、先日は、長らく、(・・実は
正月の“妄想 但馬国風土記展”の状態から、入口ガラス扉の装飾をのぞいて)そのまま、
掛けっ放しにさせて頂いていた米蔵人おくむらさんの店内展示を一部ひきあげまして、現在
リフレッシュ中!新規常設展示の準備を進めております。またスタンバイ出来次第お知らせ
いたします・・!


一斗缶画廊も現在入れ替え準備中ですので今しばらくお待ちください。

2013.7.21
★現代社会で生きる、全ての人の叫び声を掻き消すかのように
蝉達が狂喜乱舞している今日この頃。

大変厳しい暑さが続いている毎日ですが、みなさまお変わりなく、元気で日々
奮闘されている事と思います!!

私の方は、現時点では何とか、夏バテ・熱中症・日射病の類に見舞われる事なく
無事に生きております。

この暑さで、我が家の台所で育てている塩糀も、2・3日程度で冬場の倍速、
1週間並みの発酵度合に到達し、気温と菌の活動の兼ね合いにビビリながらも
助けられております。

先日はこの塩糀を使って今季初の“とうもろこしご飯”を作ってみました。
いろいろなやり方があるようですが、私は、炊き上がり〜蒸らしまで終わったご飯に、
包丁で茎から削いだ生のとうもろこしと、塩糀をからめたものを混ぜ合わせております。
昨年は、研ぎ終わったお米に、生のとうもろこし&塩麹を投入していっしょに炊いていた
のですが、どうも炊けたごはんに後混ぜする方が、新鮮な甘さと爽やかな食感〜麹の
風味が活きる気がして、現在のやり方に落ち着きました。

炊き立てのご飯の中に時折現れる、鮮やかな黄色の粒のショリショリ、シャクシャク
とした食感から広がる、すっきりとした甘みを噛み締めながら、濃い緑が美味いモロヘイヤ
のおひたしや、真っ赤な生のトマトと共に頂く喜びはまさに夏の食彩!でございます。

また、この甘いご飯、不思議と生姜やワサビ醤油をつけた刺身との相性も良く、食事の
熱で発汗!しつつ、日中の強い日射しと労働でへこたれた細胞を励ましております・・。

また、先日は以前から気になっていた“ひとりじめスイカ”なる、何とも素敵なネーミング
のスイカを初めて買ってみました。

2人だけの、冷蔵庫も小さい我が家には、通常の巨大な玉のスイカなど、なかなか手が出せず
無縁でして、(・・あんなスケールのものは異次元、恐竜の食べ物のように感じられます・・)
また、三日月型にカットされて売られているものも、決して安くは無い上に、2人で食べきるには
少々デカく、更に日々、流し台の前で野菜、肉等に包丁を入れながら、“・・細胞は断面から劣化
してゆく・・”と常々感じている(・・これを我が家では“断面理論”と呼んでおります・・)私にとって、
食べきれるか分からないのに、既にカットされ、断面を露呈したものを購入する気持ちにはなかなか
なれなかったのですが、八百屋の軒先で“甘いです!”と感情溢るる筆致で書かれ、250円!で
売られていた、小玉とはいえ無垢の丸のスイカはちょっと魅力的で、どんなものなんだろう・・
と思い切って買ってみましたところ、これがナメとったらいかんぜよ・・な、見た目のミニチュア感に
反した、実に大玉のスイカと同等な、皮のキワまで甘い味でして、我ら感動、ちゃぶ台上に訪れた
夏の情緒に大喜びでありました。・・ひとりじめスイカ、完全にひとりじめした訳ではありませんが、
やりますね!その存在に感謝であります・・。


追伸: 先日、大友克洋監督の新作を含む短編4話からなるアニメーション映画“ショート・ピース”
を観てきました。

それぞれ監督の異なるこの映画・・4話合わせても68分と短い上映時間ながらも、アニメーション
だけに当然ですが、全編絵だらけ!設定だらけの豊富な情報量が楽しく、私一生懸命観ました。

どの作品もそれぞれ大変興味深かったですが、12世紀の日本の絵巻、“伴大納言絵巻”(・・大変
有名な作品ですので、ご存知の方はわかると思いますが、平安時代のクーデター、“応天門の変”
を題材にしたもので、登場人物の非常に繊細な表現〜鋭く独特な形態で迫る、燃え盛る炎の濃い赤!
と立ち昇るまっ黒な煙の美しさ〜観る者を引き込む、大胆な場面転換、物語性・・と、日本の絵巻の
最高峰であることは間違いないでしょう・・国宝です。)から着想されたという、大友克洋監督による
“火要鎮”の、特に火事の場面、火消しの松吉さんが、炎の中、屋根の上でお若さんの名を叫ぶシーン
は、その着想の背景うんぬんを抜きに、あの“AKIRA”の金田がバイクで火花を散らして急停車する
名場面同様、うぉっ!と来るカタルシスがあり、興奮しました。・・大友監督の、登場人物のセリフと
動きが完全に乗り移った絵はやっぱり、相当に格好イイですねぇ・・。

〜一発目の“九十九”(森田修平監督)・・主人公の動きや音、千代紙を買って来て実際に貼りつけられた
という布地のおもしろさ、森の緑の美しさ・・と、視覚・発想と随所に豊かさあふれた作品でした!
〜“GANBO”(安藤裕章監督)・・村社会に現れた異形のものの不気味さ・・柳田國男氏の遠野物語に
あるような、怖くて気持ち悪いけど覗いてみたくなるような感じでした・・〜ラストの、大友克洋さんの’81年
の漫画が原作の“武器よさらば”(カトキハジメ監督)は、スクリーンに映し出された映像の、視点の向こう側
にあるであろう語られていない細部まで、360度全て精密に設定されていると思われる世界は大変興味
深かったです・・。新聞やニュースに時折出てくる様なアメリカ軍等の無人兵器の怖さとリアリティを独特な
ユーモアで30年以上前に淡々と描ききっていた監督・・とんでもないです・・。

・・というわけで、刺激だらけの毎日におそわれている当方・・現在、米蔵人おくむらさんでの一斗缶画廊
かわる新作を準備・制作中ですので、今しばらくお待ちください。