「夏の車道」

2007年8月5日(日)
午後0時半過ぎ、俺は西梅田のビル清掃現場をあとにした。

外は強い日差しで、道路標識の青色はいつになく青く、
インターロックの歩道には、萎れた雑草の影がくっきりと描かれていた。
目をしぼませてチャリンコを漕ぐ俺の目の前を、青いワゴン車が
大音量でB'z をかけて走って行った。

紛れも無い夏を俺は感じた。

シャラ ラッ ラー ラーッ!・ラッ ラ ラ ラ− ラーッ!!
俺は、まだ聴こえるそのメロディを口ずさみながらチャリを漕いだ。

わんぼる君と、下福島の公園で合流した。
知らないうちに、区民プールが開業していた。
脇の売店でフローズンのメロンを買った。
(本当は、コーラがよかったけど無かった)
日陰のベンチで、冷たいフローズンを吸い込むと
さっきまで、頭の中で鳴っていたB'z が、さーっとバラード調に変化した。
蝉の声が少し遠くなった気がした。

よみがえった俺達は、チャリをこいで高架近くの松屋へ行った。
俺は、豚めし・生野菜、わんぼる君はカレーを食っていた。
八百屋で、トマト、早生みかんを買って帰った。
第147話
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「暑いが頑張ろう」

2007年8月6日(月)
本日の北区の街は、蒸気の様な湿気と暑さで、週明けの
ボケた体を甘やかせてはくれなかった。

いつもの様にスーパーに寄り、帰宅。
わんぼるランチをいただき、30分間昼寝した。
起き上がり、コーヒーをいれ、昨日買った早生みかんをむいた。

ダイナソーJrのベスト盤をかけ、暑さをやる気に変換し、
作業に入った。
PM6:30 目標地点まで手を入れ、完成が見えた来た絵を
先日の1作目と並べて立て掛け、眺めた。
エスキース帳を開き、現在、出揃っている制作予定の作品を確認し、
展示状況を具体的に描き記した。
前回の展示より、何かが更新出来ると信じて帳面を閉じ、道具を片付けた。

PM7:15 台所に立ち、味噌汁用の冬瓜の種をスプーンで取った。
ほのかに甘い香りがした。
第148話
「立ち上がれ」

2007年8月7日(火)
今日も蒸し暑さが充満した北区の街に降り立った俺は、
発汗と水分補給を繰り返しながら、配達業務に勤しみ
スーパーでの食料調達を済ませ無事生還した。
わんぼるランチを頂き、タイマーをセットし15分間の睡眠をとった。

ピコピコ・タイマーを止め、ひれ伏した体勢で苦悩し、立ち上がり、
またしても、ダイナソーJr“アウト・ゼア”をかけ首筋の痺れを
勇気に変え、床にへばり付いた俺の精神を引っ剥がした。

今日は、作品を完成させるつもりだったので、
進行のイメージトレーニングは出来ていた。
ミュージックはかけずに作業に入り、終盤、一部悩んだが、
無事完成に至った。これ以上の悩みは、制作前のエスキース段階の
問題となり嘘になる気がしたので、パネルの裏に日付を入れ終了とした。

外をみると、夕立が来そうだった。
洗濯物を取り込み、味噌汁用の冬瓜を切り、鍋に入れ
モロヘイヤを洗った。
第149話
「最高気温か!?」

2007年8月8日(水)
アスファルト、コンクリート、ガラスで構成された空間の中、
自然の制圧の優越感と引き換えに得た暑さを受け入れながら
俺は、明日の日本を支える書簡や精密部品の受け渡しに奔走し、
更なる人間活動の発展に向けての貢献を、PM0:40にひとまず終え、
社会参加の喜びを抱きしめた。

こうして得た恩賞を小分けにした袋を握り締め、スーパーで己らの
食材を手に入れ、PM1:20 無事帰宅した。
わんぼるランチをいただき、15分間タイマーをセットして昼寝した。

起き上がり、わんぼる君が干していったバスタオルを取り込んだ。
ベランダに射していた日差しも影になって、プランターの植物も
ひと段落といった感じであった。
いつも、植木への水やりは、起床時と昼の帰宅時にしているのだが、
この暑さでは、深さ数センチの植木鉢の植物には生きた心地がしないだろう。
手すりから飛び出した葉を寄せ、全体に水をかけ、過酷な条件での
飼育を詫びた。
第150話
「続・最高気温か!?」

2007年8月9日(木)
本日も記録更新の暑さの中、社会参加の喜びを噛み締め、
与えられた配送業務を完了し、スーパーに寄り無事生還。

わんぼる隊員作成のランチを頂き、作業に入った。
昨日試みた、次回作用の実験的キャンバスのサンプルの状態を
確かめて、本番用の布地に下地剤を塗った。
広げた布地を前に、北海道産のHIP-HOPをかけ、爪先立ち状態で
下地剤が滴るブラシのストロークを繰り返す私だった。
身体の各関節部に汗が滲んだ。

一通り作業を終え、晩のおひたし用のつるむらさきを洗った。
味噌汁は今日も冬瓜である。
第151話